WBOスーパーバンタム級王座決定戦
フライ級、バンタム級を制した(暫定スーパーフライも)フィリピンの閃光ノニト・ドネア選手(Nonito Donaire)がスーパーバンタム級に進出。元王者のウィルフレド・バスケスJr選手(Wilfredo Vazquez Jr)と空位のWBO王座を争った注目の12回戦は米国テキサス州のアラモドームで行われ、ドネア選手が12回2-1判定で勝利しています。(体格比較)
ジャブに被せる右ストレート、モンティエル選手を屠った右ストレートに合わせる左フック、のカウンター、シャープな右ストレートからフォローする強烈な左フックのボディブローやバスケス選手のガードの間を狙う左アッパーなどのシャープで力強い攻撃で立ち上がりからペースを掌握したドネア選手。
バスケス選手がスタートから丹念に突き続けていた左ジャブと非常に注意深く戦うバスケス選手のタイトなディフェンスを前に中盤戦のラウンドでペースを乱しかける場面もあったドネア選手でしたが、9回に左アッパー左フックの鮮やかな攻撃でノックダウンを奪った末の明白な勝利でした。
CompuBox Stats: Donaire Lands 60% of His Power Shots
公式のスコアは117-110ドネアが2人、115-112バスケスが1人のスプリットでしたが、ドネア選手の勝利で間違いない内容でした。シロート採点117-110。
しかし5回途中から乱したペースに今までドネア選手の試合で感じたことのなかったスリルを感じたのは事実。初回から強いショットを狙い続けていたためか少々息が上がった様子も見えた中盤にバスケス選手の左ジャブ、右ストレートを貰うシーンが増え、バスケス選手が攻撃に自信を持ち始めて積極的になった局面ではヒヤリとする場面も結構ありました。
特に相手の右ストレートを打たせて決める左フックカウンターを狙う場面が、浅いながらも食っているのでドキドキさせました。最終回にバスケス選手が見せた捨て身のプレッシング、のような場面が早い回からあればあるいは・・?との想像も働いた試合でした。
3回にバスケス選手の足元を揺さぶった強烈な左フックや、随所で見せる左フック・アッパーや右ストレートから感じさせるパワーは相変わらずのものに見えたドネア選手。苦戦と言ってもいいこの試合は階級の壁というよりも、この日のスタイルが招いたもののように感じました。注意深く、そして忍耐強く戦ったバスケス選手の見事な戦いぶりってのも要因でしょう。ドネア選手の次の試合が早く見たいです。
ドネア選手は28勝(18KO)1敗。バスケス選手は21勝(18KO)2敗1分。
No-Nito Problem at 122; Donaire Defeats Vazquez Jr. in Texas(Michael Woods/The Sweet Science)
Donaire Drops Vazquez, Wins Decision and WBO Title(Osman Rodriguez/BoxingScene)
Donaire vs Vazquez Results: Nonito Donaire Wins, But Lacks Flash Again(Scott Christ/Bad Left Hook)
Donaire picks up 122-pound belt with split decision over Vazquez Jr.(Doug Fischer/Ringtv)
Nonito Donaire claims third belt(Dan Rafael/ESPN)
DONAIRE DOMINATES VAZQUEZ TO CAPTURE 4TH DIVISION TITLE; INJURES HAND IN THE PROCESS(Ben Thompson/Fight Hype)
NONITO DONAIRE: "THE BIGGER GUYS ARE TOUGHER THAN EXPECTED"(Ben Thompson/Fight Hype)
複数階級制覇
ノニト・ドネア対オマール・ナルバエス(2011/10/22)
フェルナンド・モンティエル対ノニト・ドネア(2011/02/19)
ノニト・ドネア対ウラジミール・シドレンコ(2010/11/04)
ノニト・ドネア対アーナン・マルケス(2010/07/10)
ノニト・ドネア対マヌエル・バルガス(2010/02/13)
ノニト・ドネア対ラファエル・コンセプション(2009/08/15)
ノニト・ドネア対ラウル・マルチネス(2009/04/18)
ノニト・ドネール対モルチ・ムサラニ(2008/11/01)
ノニト・ドネール対ルイス・マルドナド(2007/12/01)
ビック・ダルチニアン対ノニト・ドネール(2007/07/07)
ウィルフレド・バスケスJr対ロベルト・レイバ(2011/10/29)
ウィルフレド・バスケスJr対ホルヘ・アルセ(2011/05/07)
ウィルフレド・バスケスJr対ゾルト・ベダク(2010/05/29)
ウィルフレド・バスケスJr対マービン・ソンソナ(2010/02/27)
ウイルフレド・バスケスJr対ベンジャミン・オロスコ(2007/09/15)
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ただ採点が割れたのには驚きましたが…
階級を上げたからどう、というよりは以前から見られたドネアの課題が改めて浮き彫りになった感じですかね。
何にせよ、西岡選手との統一戦が楽しみです。
で、WOWOWを見ると、バスケスがきちんと対策をしてきたこと、危険なタイミングでキレイな左フックを振っていることが見て取れ、これはどこかで、バスケスのカウンターの左フックが炸裂するのかな?と見ていたら、いい場面もあったものの、ドネアがダウンを奪っての完勝。
どこをどう見てもバスケスの勝ちはありませんでした。勝ったから良かったものの、ひどい判定でした。
でも、ドネアも完全無欠では無いことが見て取れました。
後半結構パンチを喰うこと、怖がらなければパンチをブロックで防げることが分かりました。
冷静沈着で、鋭利な左ストレートと懐の深さを持っている西岡選手なら、十分勝ち目があると確信できた一戦でした。
一発のパンチも威力がありそうでした。
筋書きのないサーカスを見てるようでした。
バスケスも強い選手ではあるものの、おそらく序盤~中盤でドネアがストップ勝ちするだろうと予想していたのですが……
ですが試合内容の方は左ジャブをコツコツ当てられ、浅いながらも右ストレートも食っていたので最近のドネアにとっては苦戦だったという印象。
あまり油断し過ぎているといつかポカするのではないか?あのお腹でリゴンドーの左ボディに耐えられるのか?少し心配になった試合でもありました。
一方のバスケスJrはアルセに負けて評価を大幅に下げたものの、この試合で高い実力を持っていることを証明してくれました。
若干打たれ弱さがあるものの、パンチのキレ・伸びは抜群でディフェンスも悪くない。
ドネアはもちろんバスケスJrの今後にも注目したいと思います。
ドネアはロープ際の打ち合いが素晴らしかったです。
挑発やトリッキーなパンチも合わせてロイを見てるようでした。
バスケスのガッツも見事でしたが115-112バスケスはあり得ないですね、やっぱり。
ドネアが、バスケスからリードブローでペースを取れるのもすげーし
稲妻みたいにフットワークをしながらパンチを強打したりとか
ロープ際で相手のパンチをよけるだけじゃなく、しっかりパンチを当てて反撃するとか
すげー面白かった。