くろにゃんこの読書日記

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ニャンと珍しいオスの三毛ネコ

2008年07月10日 | 科学&ノンフィクション
わが家にモナがやってきてからはや10ヶ月。
ピンポーンと訪問客があれば、敵が来たとばかりに玄関に向かい、ウ~ッと唸って、まるで番犬のよう。
同じ長毛猫でも、おっとりとしたココとは大違いのやんちゃぶりを見せるモナは、8月で一歳になろうというのに、いつまでたっても子猫サイズ。
一足先に一歳になったティーは、オスということもあって、あれよあれよという間にすっかり凛々しい青年猫になったけれど、モナがメスだという事実を差し引いても、モナはやっぱり小さい。
「モナ、大きくならないね。ママ、心配」
ちょっと気にしていたら、動物科に通う娘が
「三毛猫って、普通の猫より小さめなんだって」
と、学校で情報を仕入れてきてくれた。
その情報、本当なのかしら。
三毛猫って、何か特別なことがあるのかしら。
そういえば、予防接種を受けたとき、モナの毛色を見た獣医さんは、三毛らしいきれいな模様がある猫って、最近、みかけないねって言ってたっけ。

ちょっとした好奇心を満たそうと、図書館から借りたのは、ローラ・グールド「三毛猫の遺伝学」。
グールドといっても、あのグールドとは関係なく、著者は生物分野とはまったく畑違いであるようで、私としても高校でさえ生物を選択していなかったことを考えれば、まあ、似たようなものでしょう(というか、私のほうがきっと知識は乏しいはず)。
著者がネズミ退治のために家に迎えたオス猫2匹。
一匹は黒猫、そしてもう一匹は驚くべきことに三毛猫でした。
三毛猫はみんなメスのはずなのに、なぜオスという例外が生まれてくるのかという疑問から、著者は遺伝学への扉をたたきます。
基本的なところから、専門的なことまで、わかりやすい表現での記述は読みやすく、とても理解しやすい。
時には著者の飼い猫、マックスとジョージの生き生きとしたエピソードがあって猫好きの読者を満足させ、勝手気ままな著者の興味はとうとう日本の三毛猫ホームズにまでたどり着きます(存命なら船橋在住らしい)。
三毛猫のオスが珍しいといううわさは、小さいころに両親に教えられましたが、なんで今まで興味のひとつも覚えなかったのかと悔やまれるところです。
オスの三毛猫問題も面白い課題ですが、この本を読むことで興味を持ったのは猫の毛色についての遺伝子のメカニズム。
猫の被毛色は、猫によって千差万別で、それは個々の猫の美しさや愛らしさに貢献しています。
毛色の決定は、両親から受け継ぐ遺伝子が鍵を握っていて、いくつかの法則が影響しあって発現するもののようです。
シラス「アトムの子ら (ハヤカワ文庫 SF 447)」のエピソードのひとつに、猫の交配実験があったのをふと思い出しました。
たしか中学生のころに読んだはずですが、ウン十年後の今になってその実験の意味を知るとはね。
とにかく、猫の毛色は面白い課題です。
図書館には、もうひとつ猫に関する遺伝子の本があったから、それも読んでみようかな。

三毛猫の遺伝学


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5 コメント

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話題のモナさん (迷跡)
2008-07-11 22:00:04
題名で、てっきりスティーヴン・ジェイ・グールドかと思ったくちです。
三毛はメスばかりと聞いたような気はしますが、遺伝学からその意味を追求するのはおもしろそう。そもそも猫さんたちは犬くんたちとは違って、色彩を識別できるんでしたよね。そのへんは関係ありますか?

ところで、「アトムの子ら」は本格SF古典ですよね。中学生で読んでいるとは… 
私は昔から気になっているものの、未読なのです。
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猫は近視らしいです (くろにゃんこ)
2008-07-11 23:46:29
あはは。
私もそっちのグールドと関係ある人なのかと思いましたよ。
日本で言えば、佐藤さん加藤さんみたいなものですから、同じ名前がいてもおかしくないんだけど、生物関係となると、ついついそっちを想像してしまいますよね。

三毛猫にみられるオレンジとクロを発現する遺伝子は、親猫から受け継ぐX染色体上にあって、Y染色体には被毛色を決定するような遺伝子は含まれていないんです。
だから、オレンジとクロの両方の色を持っている三毛猫はメスでなければならないわけなんですが、まれに三毛のオス猫が生まれてしまうのは、なんらかのアクシデント(減数分裂の際に遺伝子が分裂をしなかったなど)によって、XXYという染色体を持ってしまうからなんです。
この本は、分かりやすく書かれているために、書かれていない部分もかなりあると思うんです。
もうちょっと知りたいなと思わせる、知識欲をかきたてる本でありました。

「アトムの子ら」は姉が持っていたんです。
ハインラインの「メトセラの子ら」もあったと思うので、その勢いで買ってしまったのではと今にして思います。
「アトムの子ら」は、女流作家らしい作風だったと記憶しています。
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モナさん (流歌)
2008-08-17 14:29:10
初めまして、りゅーかです。
足をはこんでしまいました。
凄い情報ですね。
私も、初めて知りました。
三毛猫の遺伝学、私も読んでみようかなと思います。
そして、モナっていうお名前の猫なんですか。
かわいらしい名前ですね^^
さぞかし可愛いんだと思います^^

また猫情報教えてください!
それでわ。
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コメントありがとうございます (くろにゃんこ)
2008-08-18 17:06:34
りゅーかさんもネコが好きなのですね!
うちのモナは三毛猫の長毛で、もともとはノラネコのお母さんが生んだ子です。
見た目はとても可愛いですが、自己主張の強いネコちゃんです。

上の情報は、ちょっと間違ってます。
私の理解力が足りないせいですが、オレンジ色を発現する遺伝子はX染色体上にありますが、黒を発現させる遺伝子座は常染色体にあります。
「ネコの遺伝学」という本に詳しくありますので、毛色に関して興味があるようでしたら、「ネコの遺伝学」もお勧めします。

ネコ情報はたまにUPするので、楽しみにしていてね。
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いぇいぇ。 (流歌(りゅーか))
2008-08-19 21:17:50
はい、大好きです!
良く犬は人になつき、猫は家に住み着くと言うけど、私は、猫が大好きです。
そうなんですかぁ!!
見てみたいですね。

そうなんですか!!?
凄い難しいことを知ってるんですね!!
尊敬します。
はい、じゃあ早速暇な時でも、読んでみますね

はい!是非見に行きます

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