わが人形劇サークルの今年の新作は、以前記事にも登場した「こびとといもむし」に決まりました。
「こびとといもむし」という絵本は、ちょっと見には可愛らしくて優しさのあるお話しですが、じつはとてもメッセージ性が高いんです。
なぜ、こびとの世界に貧乏という価値観があるのか。
なぜ、こびとはひとつしかもちを拾えないのか。
この二つに私はひっかかりを覚えました。
主人公のこびとは、働き者ですが貧乏で、春の神さまの誕生会に出かけるための乗り物の昆虫を雇うお金はありませんが、たったひとつの月夜のもちを、動けなくて困っているイモムシに食べさせたことで、恩返しに来た蝶々によって無事誕生会に行くことができます。
そこで、春の神さまにこびとの国の王さまに任命されるというのが、この絵本の骨格です。
シナリオ化するにあたり、私は主人公のこびとの優しさが、どのような性格のものなのか注目してみることで、深く掘り下げることができるのではないかと考えました。
たったひとつのおもちを「おおかわいそうに」とイモムシに差し出す優しさは、わかりやすくありきたりです。
そこで、なぜひとつしかもちが拾えないのかということを考えたとき、集まっているこびとたちの仲間に、ひとつでも多く拾ってもらいたいと考えたのではないかと推察しました。
自分は幸せのもちを拾えなくても、誰かが幸せのもちを拾って、誰かが幸せになってくれれば、自分もうれしい。
それに、十五夜のもちを拾うことこそが楽しいし、その楽しんでいる姿を見ることで気持ちが満たされるのじゃないだろうか。
ひとの幸せを自分の幸せと感じる心、この心こそ王さまに必要なのではないか。
「こびとといもむし」の作者は、学徒出陣で命を落とされ、遺稿をもとにして絵本化されています。
貧乏という価値観があるということは、こびとの国が当時の社会の縮図であると納得した時、この絵本には、メッセージ以上に批判を感じずにはいられません。
幸せつながりで、読むと幸せな気持ちにさせてくれる童話をひとつ。
教科書に載っていた思い出のお話しということで、前にも取り上げました「車のいろは空の色」の連作短編集です。
「白いぼうし」以外にもたくさんのお話しがあることを、この歳になって初めて知りました。
そして、ほかのお話しもとっても面白いってことも。
これって、TVドラマにできそうじゃない?
松井さんは小日向さんだな、うん、絶対。
なんて、考えながらとっても楽しく読みました。
松井さんの優しさは、不思議な出来事もありのままに受け止めてしまう広い心にあるのでしょう。
私としては「ねこの市」の松井さんのかつての買い猫に対するひとこと「いつまでも金茶色にかがやいていて」に目頭が熱くなりました。
私のかつての買い猫も茶トラで、毛並みの美しさは格別でしたから。
新装版は、以前出版されたものにはない短編も所収されているようですから、昔読んだことのある人も、また手にとってみてはいかがでしょうか。
こびとといもむし (おはなしえほんシリーズ)
車のいろは空のいろ 白いぼうし (新装版 車のいろは空のいろ)
車のいろは空のいろ 春のお客さん (新装版 車のいろは空のいろ)
車のいろは空のいろ 星のタクシー
「こびとといもむし」という絵本は、ちょっと見には可愛らしくて優しさのあるお話しですが、じつはとてもメッセージ性が高いんです。
なぜ、こびとの世界に貧乏という価値観があるのか。
なぜ、こびとはひとつしかもちを拾えないのか。
この二つに私はひっかかりを覚えました。
主人公のこびとは、働き者ですが貧乏で、春の神さまの誕生会に出かけるための乗り物の昆虫を雇うお金はありませんが、たったひとつの月夜のもちを、動けなくて困っているイモムシに食べさせたことで、恩返しに来た蝶々によって無事誕生会に行くことができます。
そこで、春の神さまにこびとの国の王さまに任命されるというのが、この絵本の骨格です。
シナリオ化するにあたり、私は主人公のこびとの優しさが、どのような性格のものなのか注目してみることで、深く掘り下げることができるのではないかと考えました。
たったひとつのおもちを「おおかわいそうに」とイモムシに差し出す優しさは、わかりやすくありきたりです。
そこで、なぜひとつしかもちが拾えないのかということを考えたとき、集まっているこびとたちの仲間に、ひとつでも多く拾ってもらいたいと考えたのではないかと推察しました。
自分は幸せのもちを拾えなくても、誰かが幸せのもちを拾って、誰かが幸せになってくれれば、自分もうれしい。
それに、十五夜のもちを拾うことこそが楽しいし、その楽しんでいる姿を見ることで気持ちが満たされるのじゃないだろうか。
ひとの幸せを自分の幸せと感じる心、この心こそ王さまに必要なのではないか。
「こびとといもむし」の作者は、学徒出陣で命を落とされ、遺稿をもとにして絵本化されています。
貧乏という価値観があるということは、こびとの国が当時の社会の縮図であると納得した時、この絵本には、メッセージ以上に批判を感じずにはいられません。
幸せつながりで、読むと幸せな気持ちにさせてくれる童話をひとつ。
教科書に載っていた思い出のお話しということで、前にも取り上げました「車のいろは空の色」の連作短編集です。
「白いぼうし」以外にもたくさんのお話しがあることを、この歳になって初めて知りました。
そして、ほかのお話しもとっても面白いってことも。
これって、TVドラマにできそうじゃない?
松井さんは小日向さんだな、うん、絶対。
なんて、考えながらとっても楽しく読みました。
松井さんの優しさは、不思議な出来事もありのままに受け止めてしまう広い心にあるのでしょう。
私としては「ねこの市」の松井さんのかつての買い猫に対するひとこと「いつまでも金茶色にかがやいていて」に目頭が熱くなりました。
私のかつての買い猫も茶トラで、毛並みの美しさは格別でしたから。
新装版は、以前出版されたものにはない短編も所収されているようですから、昔読んだことのある人も、また手にとってみてはいかがでしょうか。
こびとといもむし (おはなしえほんシリーズ)
車のいろは空のいろ 白いぼうし (新装版 車のいろは空のいろ)
車のいろは空のいろ 春のお客さん (新装版 車のいろは空のいろ)
車のいろは空のいろ 星のタクシー
こんなにいろいろ出ていたとは驚きです。
子供達が読んでくれたら……
読まなくても理解できたらもう少し児童文学に関心を示せたのですが、残念ながらいまだ絵本レベルなので。
中学生ぐらいが読むならば香月日輪さんの『妖怪アパートの幽雅な日常』全10巻がおすすめです。
うちの子たちは無理なので、くろにゃんこさんお宅で興味をもたれたお子さんにおすすめ下さい。
このシリーズ、知ってはいましたが、読んだことはないんですよね。
全10巻とは知らなかった!
うちの子供たちは、あんまり児童文学というものに興味がないようで、中3の娘は今現在京極堂にはまってます。
私の中学時代には「赤毛のアン」とか読んでいたのにな~。
あ、でも、SFやクリスティにもはまっていたっけ。
うちの子たちが大好きだった絵本は「ピノキオ」と「金魚のおつかい」。
「ピノキオ」の一番人気はうさぎの葬儀屋さんで、「ピノキオさん、お迎えです」というセリフでなぜか爆笑。
「金魚のおつかい」では「車掌さん、車掌さん、水をください!」と言って、車掌さんに涙ながらに訴えるシーンが大好きでした。
趣味悪い。
次女に勧めてみたところ、借りてきました。
色とりどりのからすの子が登場し、それぞれ色にあった名前がつけられています。
赤・・・りんごちゃん
黄色・・・レモンちゃん
そして白は・・・おもちちゃん!
40年近く前の作品です。
白といえばおもちが常識の時代だったんですねえ。
サークルの人が何人か作ってくれれば、「カラスのパンやさん」が出来るなと、ふと思いました。
「カラスのパンやさん」は、子供が小さい頃に購入し、子供たちのお気に入りの一冊だったのですが、あの本、どこに行ったのかなぁ・・・。
40年くらい前の本なんだ。
知らなかった。