HPVワクチンは現在も「積極的勧奨停止中」。
そんな中、興味深い調査報告が公表されました;
■ 「HPV(子宮頸がん)ワクチンに関する名古屋市の大規模調査」
(2015.12.22:QLifePro)
◇ 慢性症状などの24症状で、接種者が有意に多い症状ゼロ
接種後に慢性的な全身性疼痛やしびれなどを訴える事例が発生したことで、2013年6月以降、国の通知により積極的な接種勧奨を中止している子宮頸がんワクチン。名古屋市はこのほど同ワクチンの予防接種について、接種者と非接種者の合計2万人以上を対象にした24症状の有無に関するアンケート結果から、ワクチン非接種者に比べてワクチン接種者に多い症状はないとの速報結果を公表した。自治体レベルでこれほど大規模な調査が行われたのは全国でも初。今後の同ワクチン接種の方向性に一石を投じそうだ。
★ 名古屋市公式HP「子宮頸がん予防接種調査結果速報」
もし、HPVワクチンの副反応で痛みをはじめとした様々な症状が出るなら、接種者の方が症状の頻度が高いはずですが、なんと逆の結果です。
統計学的には「HPVワクチンと諸症状との間に有意な関連なし」と判断されます。
以前に取り上げた記事でも、
「ワクチン導入前(2007年)と導入後(2013年)における国民生活基礎調査から,10~19歳の女子の身体症状の訴えを検討した結果を提示。10~14歳に関しては,頭痛や肩凝り,関節の痛み,月経不順・月経痛などの訴えは,導入前と比べて導入後で増加しておらず,ワクチン導入自体が身体症状の訴えを増やしているわけではないこと」
がわかっています。
ワクチン接種後に症状が現れただけでは、ワクチンと症状に関連があるかどうかは分かりません。いろいろな条件をクリアして科学的に因果関係が証明されるか、それが困難なら統計学的に分析されます。ワクチンと副反応の関係は、科学的証明が困難な対象であり、統計学的手法がしばしば用いられます。
以前イギリスで話題になった「MMRワクチンと自閉症」の関係も統計学的に否定された歴史的経緯があります。
ただ、一度メディアが騒いで知れ渡ると、その偏見はなかなかなくなりません。
そのため、イギリスではMMRを接種しない子どもたち中心に麻疹の小流行を反復し、なかには重症の合併症も発生するという事態に陥っています。
これはメディアの罪だと思います。
このブログでも何度も記してきましたが、報道メディアは医療問題に関して被害者視線のみでなく読者が冷静に判断できるよう偏りのない情報を提供していただきたい、と切に願います。
そんな中、興味深い調査報告が公表されました;
■ 「HPV(子宮頸がん)ワクチンに関する名古屋市の大規模調査」
(2015.12.22:QLifePro)
◇ 慢性症状などの24症状で、接種者が有意に多い症状ゼロ
接種後に慢性的な全身性疼痛やしびれなどを訴える事例が発生したことで、2013年6月以降、国の通知により積極的な接種勧奨を中止している子宮頸がんワクチン。名古屋市はこのほど同ワクチンの予防接種について、接種者と非接種者の合計2万人以上を対象にした24症状の有無に関するアンケート結果から、ワクチン非接種者に比べてワクチン接種者に多い症状はないとの速報結果を公表した。自治体レベルでこれほど大規模な調査が行われたのは全国でも初。今後の同ワクチン接種の方向性に一石を投じそうだ。
★ 名古屋市公式HP「子宮頸がん予防接種調査結果速報」
もし、HPVワクチンの副反応で痛みをはじめとした様々な症状が出るなら、接種者の方が症状の頻度が高いはずですが、なんと逆の結果です。
統計学的には「HPVワクチンと諸症状との間に有意な関連なし」と判断されます。
以前に取り上げた記事でも、
「ワクチン導入前(2007年)と導入後(2013年)における国民生活基礎調査から,10~19歳の女子の身体症状の訴えを検討した結果を提示。10~14歳に関しては,頭痛や肩凝り,関節の痛み,月経不順・月経痛などの訴えは,導入前と比べて導入後で増加しておらず,ワクチン導入自体が身体症状の訴えを増やしているわけではないこと」
がわかっています。
ワクチン接種後に症状が現れただけでは、ワクチンと症状に関連があるかどうかは分かりません。いろいろな条件をクリアして科学的に因果関係が証明されるか、それが困難なら統計学的に分析されます。ワクチンと副反応の関係は、科学的証明が困難な対象であり、統計学的手法がしばしば用いられます。
以前イギリスで話題になった「MMRワクチンと自閉症」の関係も統計学的に否定された歴史的経緯があります。
ただ、一度メディアが騒いで知れ渡ると、その偏見はなかなかなくなりません。
そのため、イギリスではMMRを接種しない子どもたち中心に麻疹の小流行を反復し、なかには重症の合併症も発生するという事態に陥っています。
これはメディアの罪だと思います。
このブログでも何度も記してきましたが、報道メディアは医療問題に関して被害者視線のみでなく読者が冷静に判断できるよう偏りのない情報を提供していただきたい、と切に願います。