夢中人

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2013年書初め

2013年01月02日 | Weblog
2013年 明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。
新年ということで恒例の書初めをしました。その文字は「食」です。

この象形文字の「食」をずっとみていたら、保食神(ウケモチノカミ)の話が浮かんできました。

ツクヨミは天上でアマテラスに、地上にいるウケモチという神を訪ねて様子をみてくるように言われました。さっそくその神の所に行ってみると、ウケモチは顔をまず国の方に向けて、口からご飯を吐き出し、次に海の方に向け、いろいろな魚を口から吐き出し、それから山の方に向け、いろいろな鳥や獣を口からはきだしました。そして、それらの食物で作ったご馳走を、大きな机にどっさり積み上げて、彼に食べさせようとしました。それでツクヨミは顔を真っ赤にしてい怒り「口から吐き出したものを食べさせるとは、なんという汚い無礼なことをするのか」と言って、剣を抜き、ウケモチを斬り殺してしまいました。ウケモチを殺した後で天に帰ったツクヨミはアマテラスに地上での出来事を全てあった通りに詳しく報告しました。そうするとアマテラスは大変に怒って彼に「あなたは悪い神なので、顔を合わせたくありません」と申し渡しました。それで、太陽のアマテラスとツクヨミはそれから、昼と夜の空に分かれて出ることになりました。
アマテラスは、アマノクマヒトという神にウケモチを看取りに行かせました。行ってみるとウケモチはもう死んでいましたが、その死体の頭からは牛と馬が、ひたいの上には粟が、眉の上には蚕が、目の中には稗が、腹の中には稲が、陰部には麦と大豆と小豆がそれぞれ発生していました。それでアマノクマノヒトは、それらのものを全て天に持ち帰ってアマテラスに献上しました。するとアマテラスは喜んで、まず「これは人間が食べて生きて行くのに必要なものです」と言って、粟と稗と麦と豆を畑で栽培する作物に定めました。それから稲は田の作物にして、天上で稲の栽培を指揮する神様を任命した上で、神聖な田を天に作って、そこに初めて稲の種を植えました。そうすると、その年の秋には、とても長い穂がたわんで垂れ下がるほど実り、心地よい眺めになりました。アマテラスはまた、蚕を自分の口の中に入れて、それから糸を引き出し、それによって蚕を飼って絹糸を取る養蚕も始めました。
。。。というようなお話です。このウケモチの神の話は「日本書紀」に出てくるお話みたいですが、「古事記」の方にも似たようなお話があるみたいです。古事記ではツクヨミがスサノオとなり、ウケモチがオオゲツヒメとなって同じようなお話が展開されるようです。

この話を何度か読んでいるうちに、創世記の「カインとアベル」の話が浮かびました。

創世記「カインとアベル」
さて、アダムは妻エバを知った。彼女は身ごもってカインを産み、「わたしは、主によって男子を得た」と言った。彼女はまたその弟アベルを産んだ。アベルは羊を飼う者となり、カインは土を耕す者となった。時を経て、カインは土の実りを主のもとに献げ物として持って来た。アベルは羊の群れの中から肥えた初子を持って来た。主はアベルとその献げ物には目を留められたが、カインとその献げ物には目を留められなかった。カインは激しく怒って顔を伏せた。主はカインに言われた。「どうして怒るのか。どうして顔を伏せるのか。もしお前が正しいのなら、顔を上げられるはずではないか。正しくないなら、罪は戸口で待ち伏せており、お前を求める。お前はそれを支配せねばならない。」カインが弟アベルに言葉をかけ、二人が野原に着いたとき、カインは弟アベルを襲って殺した。(4-1~8)

「カインとアベル」の話って、人類最初の殺人とか、この事によってカインというか人類は労働という重い荷物を背負わされる事になったなんて聞いたことがありますが、なんか違うような気がしてたんですよ。今回、書初めで選んだ「食」と言う字から浮かんだ保食神の話。さらにそこから繋がったカインとアベル。「保食神」と「カインとアベル」の共通点は、「怒り、そして殺す」だと思います。
私は、「怒り」は「エネルギー」。そして「殺す」は「無」ということではないかと思います。

以前、アインシュタインの事について書かれている本を読んだとき、E=mc2という式が出てきました。
質量とエネルギーの等価性および定量的関係を表している関係式とありました。この等価性の帰結として、質量の消失はエネルギーの発生であり、エネルギーの発生は質量の消失を意味する。従ってエネルギーを転換すれば無から質量が生まれるとありました。
このE=mc2が理解できているという訳ではありませんが、説明を読んでいると、保食神やカインとアベルの話と似てるところがありそうだなと思いました。
コメント
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