紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

超名盤なのに超廉価の輸入盤クラシック…スヴァトスラフ・リヒテル~バッハ平均律クラヴィーア全集

2008-04-07 22:40:29 | クラシック室内楽・器楽・オペラ・古楽
最近、ひょんな事から、輸入盤のクラシック・アルバムを某有名レコード店から売られているのを知り…それも有名な超が付く名盤ながら、とてもとても安い値段(ウルトラ廉価で)…またまたビックリ!って感じで、驚きが倍増、いや~5倍増しました。

これらのアルバム…日本語の解説が付いた、言わば日本盤だったら、一寸手が出ないぐらい高価なアルバム(全集)が、ものすごーく安いので、最近ついつい(沢山)買ってしまって…所謂、はまっている状況です。

そして、今日紹介させて頂く、その中の1枚(セット)が、このアルバムなんですよ。

アルバムタイトル…スヴァトスラフ・リヒテル~バッハ平均律クラヴィーア曲集
第1巻&第2巻BMV.846~893

パーソネル…スヴァトスラフ・リヒテル(p)

曲目…DISC1.…プレリュードとフーガ1~14 BWV846~859
   DISC2.…プレリュードとフーガ15~24 BWV860~869
   DISC3.…プレリュードとフーガ1~13 BWV870~882
   DISC4.…プレリュードとフーガ14~24 BWV883~893 

1970年7月21日~31日、1972年8月、9月、1973年2月ザルツブルグにて録音

原盤…メロディア  発売…ビクター(前)、原盤・発売(現在)…独RCA
CD番号…GD60949(4枚組)輸入盤

クラシックがお好きな方なら、誰でもご存知の、超名盤なんですけど…輸入盤4枚組で、価格は¥2,344と言う値段です。
★安いと言うより、もはや恐ろしい???っていうぐらいの価格(世界)ですね。
昨今出ている日本盤なら、1枚のCDでさえ、買えない可能性もある訳で…もう、輸入盤以外は買えなくなりそうです。

さて、肝心な演奏についてですが、「リヒテル」が弾く演奏って、いかにも旧ロシア(ソビエト)出身者らしく、骨太で無骨、いかにも職人気質のイメージが強いのですが、ここで演奏される「J.S.バッハ」には、その様なイメージが余り感じられません。
かなり、ロマンティックで、明朗、快活な演奏で進行します。

さて、DISC1ですが、この冒頭「プレリュードとフーガ」の1曲目、そして2曲目と、すぐさま、とてもロマンティシズム溢れる演奏で、聴く者の心の琴線に触れ捲くります。

3曲目も煌びやかで、飛び跳ねる様なタッチが素敵で、心地良い演奏です。

一転して、4曲目では…感傷的で、静かで、音の余白と静寂を優しいタッチで表現してくれます。
「リヒテル」ってこんなに繊細な表現をする人だったかなぁ?と改めて、別の魅力を発見できるでしょう。

5曲目や7曲目では、ハッキリ、くっきりと明確なタッチでキリリと曲を仕上げて、天性のヴィルトオーゾぶりを垣間見せます。

6曲目や9曲目では、流麗さと繊細さを対比させた表現が見事です。

8曲目は、元曲が空間を活かした曲なので、「リヒテル」は、非常にゆったりと一音一音を大切に弾いて、「J.S.バッハ」の思索された哲学的な要素をしっかりと抽出していて…とても感動的で味わい深い名演奏です。
しんみりと心に染み渡る幻想的な感覚が素敵ですね。

10曲目も一言で言って、とても良いですねぇ。
いかにも「バッハ」らしい、硬軟が渾然となったアーキテクチュアが見事な曲で、「リヒテル」の実直な演奏がピッタリマッチします。

11曲目や14曲目では、カチッとした音で緊張感を保って、ビシッと〆た演奏をしています。

12曲目でまた鎮美的で、とても静かな表現で、「バッハ」の神々しさと清々しさを示します。
この曲&演奏では、更に深く深遠に入った神に対するアーメンが聞こえるでしょう。
非常に敬虔なクリスチャンの言霊と言えば良いのでしょうか?

13曲目では、「バッハ」らしい、高音部の調整、展開を表現している曲中で、低音部のポイントが重厚さを持っているのがgoodです。
この締まった低音、左手の表現が、素晴らしいスパイスとして効果抜群なんです。

いかにも「リヒテル」らしくない、この美演…DISC1から、逆噴射のエンジン全開で…気持ち良~い!!

DISC2以降は、機会を持って、又、書くことに致しましょう。
それでは、お休みなさい。


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