紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

グレン・グールド新録音’81~ゴールドベルク変奏曲

2007-07-08 22:16:46 | クラシック室内楽・器楽・オペラ・古楽
随分とジャズばかり紹介しておりまして、今日は久しぶりにクラシックの王道的なアルバムを紹介したいと思います。

奇才、孤高の天才と言われるピアニスト、「グレン・グールド」が突然死の直前に再録音したのが、1981年録音の、この「ゴールドベルク変奏曲」です。
この曲は「グールド」にとっても、クラシック音楽界にとっても非常にエポックメイキングな曲でして、おりしも奇才「グールド」がデビューし、一世風靡を巻き起こしたのが、旧録音1955年の「ゴールドベルク変奏曲」だったからです。

「ゴールドベルク変奏曲」旧盤は、非常にスピーディな解釈で、「グールド」の若々しさと閃きが随所に見られる、正しく天才がなせる演奏で、クラシック業界&音楽業界にセンセーショナルを引き起こしました。
又、「グールド」は1964年に、ライブ演奏(ステージ演奏)からの引退を表明し、その後の彼の演奏は、レコードからしか聴く事ができなくなりました。
そして、そのレコーディングにしても、生来の奇行癖や人嫌いもあり、多くのアルバムを出す人でもありませんでした。
その中で、このアルバムはデビュー盤以来の再録音と言うこともあって、満を持しての登場となった矢先の訃報により、追悼盤となったのです。

この新録音は、演奏解釈アプローチはデビューアルバムとは全く異なり、一聴した時、「グールド」の演奏だと教わらなければ、同一人物が演奏した曲と思えない程違います。
序奏のアリアから、非常にゆっくりのテンポで演奏し、ジックリと空間を活かした、絵画で言うところの水墨画のような「ワビサビ」をイメージさせられます。
アリア以降も、旧盤に比べて全体的にもゆっくり調で、そして「音符の強弱」、「ディテイルの描写」、そして取分け「間」について、非常に思索され、熟考された「グールド」の解釈が、とにかく際立っている演奏なのです。

全30曲の変奏の詳細については、私のCDの解説書に、作曲家の諸井誠先生の専門的な解説がありますので、興味ある方は是非このアルバムをご購入下さい。
※現在発売のアルバムに、諸井先生の解説が使用されているかどうかは、私自身は知りませんので、間違いでしたら始めに謝っておきます。

私の個人的な見解ですが、クラシック界のレコードに於いて、「3大バッハ演奏」と言うのを勝手に決め手言っています。
1つは、以前紹介した「リヒター指揮・ミュンヘン・バッハ・オーケストラ」の旧盤、2つめがこのアルバム、3つめは、「パブロ・カザルス演奏の、無伴奏チェロ組曲全曲」の有名な3アルバムです。

アルバムタイトル…バッハ作曲 BWV988 「ゴールドベルク変奏曲」

演奏…グレン・グールド(p)

1981年4月22日、5月15日、19日、25日録音

とにかく理屈ぬきで聴いて下さい。


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2 コメント

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旧盤も好きです。 (garjyu)
2007-07-10 08:01:52
おはようございます。

グールドのゴールドベルクは旧盤で衝撃を受けて、バッハやピアノ音楽を真面目に聴くきっかけとなりました。
新盤は発売から少したって購入したものですが、旧盤と全く違う解釈でありながら、同じく衝撃的であることに違いなく、グールドの懐の深さを思ったものです。

3大名盤、リヒターのマタイ、グールドのゴールドベルクは文句ありません。しかし、私、実はカザルスをもっていない(いつか買おういつか買おうと思っていて)というとんでもオタクでした。反省。



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カザルス盤は音が悪い(涙) (えりっく$Φ)
2007-07-10 23:34:45
カザルス盤を3大名盤に入れてますが、録音が非常に古いので、(オリジナルはSP盤)garjyuさんの365日の名盤に残すのなら、フルニエか、ロストロポービッチかヨーヨー・マでしょうか?
いずれにせよ、チェロ好きにはたまらない、チェロ楽曲の最高峰ですよね。
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