紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

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リトル・ジャイアントのデビュー盤…ジョニー・グリフィン~JG

2007-12-08 12:34:45 | ジャズ・テナー・サックス
小柄な体格ながら、豪快にぶいぶい言わすテナー演奏で人気を博し、「リトル・ジャイアント」と親しまれた「ジョニー・グリフィン」のデビュー・アルバムが、この「JG」です。

デビュー作品とは思えない程、「リトル・ジャイアント」の名に恥じぬ豪快なブロウを決めてくれる好作品です。

バックを担う「ジュニア・マンス」トリオのサポート演奏も、聴き応えが有って、魅力を増加させてくれます。

アルバムタイトル…JG

パーソネル…リーダー;ジョニー・グリフィン(ts)
      ジュニア・マンス(p)
      ウィルバー・ウェア(b)
      バディ・スミス(ds)

曲目…1.アイ・クライド・フォー・ユー、2.サテン・ラップ、3.イエスタデイズ、4.リフ・ラフ、5.ビー・イーズ、6.ザ・ボーイ・ネクスト・ドア、7.ジーズ・フーリッシュ・シングス、8.ロリーポップ

1956年 シカゴにて録音

原盤…ARGO-624  発売…MCAビクター
CD番号…MVCR-20058

演奏について…まずオープニング曲「アイ・クライド~」では、「グリフィン」がとても丁寧に吹いて淡々と序奏が始まるが、少し慣れて来てからは「グリフィン節」も時々出し始めます。
「マンス」…転がす様なとてもお洒落系のシングル・トーンでアドリブを弾いて、「グリフィン」を、強力に後押ししてくれます。
スタート・ダッシュはまずまず成功でしょう。

2曲目「サテン・ラップ」…「グリフィン」がブルージーなテーマを吹いた後、「ウェア」と「マンス」のデュオ的でバトルっぽいアドリブを経てから、もう一度「マンス」が豪快に再アドリブで参入してくれる、劇的な感じの1曲。

3曲目「イエスタデイズ」…こう言うスタンダード曲が大好きな私には、堪えられないトラックです。
「グリフィン」のアドリブは、音色が魅力的なだけでなく、ここでは男の色香をぷんぷん放って…こりゃ雌には堪らん演奏ですね。
色気と言っても男芸者ではなく、まじにハードボイルドで、「ゴルゴ13」の様な漢っぽさなんですよ。
「グリフィン」最高!!!

4曲目「リフ・ラフ」でも、当然の事ながら「グリフィン」が豪快に吹き切るんですが、中間での「マンス」のアドリブ・ソロがそれ以上に、乗っていて素晴らしいですし、「ウェア」の渋~いベース・ソロ…カッコイイ!!
「スミス」は、地味派手にバックに徹しています。

5曲目「ビー・イーズ」はミドルテンポの4ビートで、あまり肩肘張らずに「グリフィン」がさりげなく流す様に吹きます。
と言っても、強く吹くトーンでは、ガツーンと来てくれますし、「マンス」の冴えも相変わらずに抜群です。
「グリフィン」の演奏は全面に渡って良い出来だけれども、「マンス」トリオでも行ける程、このバックのピアノ・トリオ演奏は秀逸ですね。
最後の方で「スミス」がおかず付きのソロ演奏もチョコッと見せてくれます。

6曲目「ザ・ボーイズ~」…とてもリラックスした雰囲気の4ビート・チューンですが、所々で「グリフィン」がぶいぶいと吹いてくれて…気分が良いですね。
「スミス」のブラッシュ・ワーク、「ウェア」の厚い音量のベースが好サポートしてくれて…「マンス」のブロック・コードでの伴奏と、終盤での魅惑的なシングル・トーンを駆使してのアドリブが、えも言えぬ幸せを感じさせます。

7曲目「ジーズ・フーリッシュ~」…このバラード曲の出来もすこぶる良いですね。
「グリフィン」…デビュー時から、こんなに大人びた演奏を出来るアーティストだったんだなぁ。
一音一音が、ハッキリ・クッキリと冴えを見せて、低音域からグワォーンと持ってくる独特の「グリフィン節」もやってくれるし、「グリフィン」がバラードを吹いても一流のテナー・マンだと言うことを認識させてくれるトラックです。

ラスト曲「ロリーポップ」…ポップス曲「ロリポップ」とは同名異曲ですが、かなりスウィング力が有る、グルーヴィなナンバーです。
「マンス」が一寸「モンク」的なフレーズをかましてくれて、アクセントをつけますし、「スミス」が1小節だけ、豪快にドラムスをぶっ敲くところもgoodです。

全8曲…「グリフィン」の豪快なテナー演奏と、「マンス」トリオの絶妙なサポート演奏で作られた好アルバムですよ。
 


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