紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

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ライヴ・イン・ニュー・ヨーク~マイルス・デイヴィス&ジョン・コルトレーン

2007-12-16 23:59:15 | マイルス・デイヴィス
今日もまたまた、全盛期?の「マイルス」&「コルトレーン」の史上に名だたる名コンボのライブアルバムを紹介しましょう。
ブラック・ライオンからの名盤コレクションで、この盤も音質は悪いですが、ジャズ・バンドとしては最高峰のメンバーでの録音で有り、演奏曲も名曲ばかりなので、楽しんで頂ける事と思います。

アルバムタイトル…ライヴ・イン・ニュー・ヨーク

パーソネル…リーダー;マイルス・デイヴィス(tp)
      ジョン・コルトレーン(ts)
      ビル・エヴァンス(p)
      ウィントン・ケリー(p)※6曲目のみ参加
      ポール・チェンバース(b)
      フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)
      ジミー・コブ(ds)※6曲目のみ参加

曲目…1.バイ・バイ・ブラックバード、2.フォア、3.イット・ネヴァー・エンタード・マイ・マインド、4.ウォーキン、5.マイルストーンズ、6.ソー・ホワット

1958年 1959年 NYにて録音

原盤…Bandstand  発売…徳間ジャパン
CD番号…TKCB-30458

演奏について…オープニング曲「バイ・バイ~」…ノッケからテーマでは無く、「マイルス」が、アドリブ演奏からの序奏をミュート・プレイで吹き始める。
いきなりの「マイルス・ワールド」へトリップすると、「コルトレーン」が受けて、シーツ・オブ・サウンドの原型的な、未だ一寸垢抜けしきれていない演奏だが、とても一所懸命に吹く事が好感が持てる。
その後の「エヴァンス」のソロは、未だ、彼の天衣無縫の天才的な煌きは影を潜めて入る物の、好フレーズを演じている。
オープニングとして、かなり良いトラックだと思う。

2曲目「フォア」…「マイルス」のオープン・トランペット演奏からスタートするが、気持ち良く朗々と鳴らすトランペットの音が…「マイルス」っぽく無いね。
何か「マイルス」にしては、明る過ぎる感じがしないでもない。
受ける「コルトレーン」は、前曲と同様、フレーズを選んでる節が有るが、かなり速射砲的な吹き方が身に付いて来た感じがします。
最後のユニゾン演奏は、かっこいいです。

3曲目「イット・ネヴァー~」…このアルバム全曲中、「マイルス」の演奏からすれば、断然のベスト1でしょう。
因みに、「コルトレーン」はこの演奏には参加していない。
名作の、プレスティッジ・マラソン・セッション4部作での、リリカルなスーパー名演には若干及ばないかもしれないが、ライヴ演奏と言う事と、ピアニストが「エヴァンス」と言うプラス点が有るので、甲乙付け難いくらいの名演奏だと思います。
やはり「マイルス」のミュートでのバラード・プレイは、前人未踏の境地ですね。

4曲目「ウォーキン」…「マイルス」がオープン・トランペットで、しかし知的な志でテーマを吹く。
「コルトレーン」は、大分リラックスして来たのか、かなりフリーキーに、シャウト系のテナー演奏をかまして来る。
かなり、後の大物感を予感させる演奏です。
「エヴァンス」も、大分慣れて来たのか、絶好調になって来て、素晴らしいアドリブ・フレーズを連発して、才能を見せ始めます。
それから、「チェンバース」が十八番のボウイングで、ギコギコ演ってくれます。
「チェンバース」のほのぼのトーンを聴くと、いつでも癒されますね。
本当に良い人だなぁ。

5曲目「マイルストーンズ」…多分このコンサートで、コンボの中では一番力を入れた演奏だろう。
何故なら、演奏時間が9分半と、他と比べてかなり長い事や、序奏を「マイルス」「コルトレーン」の2トップのユニゾンから演って、その後「マイルス」がフル・トーンでバリバリと思い切りアドリブを演ってくれるからです。
「コルトレーン」も、それ以上にブイブイ行って、特に音のシャワーを頻繁に出してくれて、この後のスーパー・スターへと駆け上がっていく事を充分に予測させてくれる、ヴェリー・ハードなプレイをしてくれます。
このアルバム演奏の中で、こと「コルトレーン」の演奏に限って言えば、断トツでこの演奏が一番良い出来です。
「エヴァンス」もこのトラックの出来はずば抜けて良いです。
華麗に、知的に鍵盤を、左右の手指が疾走し、テクニックと、クールなエモーションが同居して、「エヴァンス」の独自世界を見せ付けるんです。
「エヴァンス」の演奏…まじに超カッコイイですよ。
最後に、海賊版的なアルバムなので、「フィリー・ジョー」の超絶ドラミングが、かなりオフ・マイクで、しっかり録られていないのが、残念!斬りっ!!!

ラストの1曲「ソー・ホワット」…例に洩れず、「チェンバース」のベース進行から、曲が始まり、「マイルス」がクールなソロをバッチリ決めてくれます。
しかし、何回聴いても、違う演奏を聴いても、「マイルス」の「ソー・ホワット」はインテリジェンスでカッコイイですね。
「コルトレーン」の演奏も、力は5曲目の方が入っている感じがするが、テクニック、精神の高さからすると、(マイルストーンズ)から比較して、約1年後の演奏なだけに、こちらの方が優れているかも知れませんね。
「ケリー」は、「エヴァンス」には及ばないのは先刻承知の助ですが、ファンキーで、且つ哀愁を散りばめたプレイで、この曲をキッチリ飾り付けてくれます。
「マイルス」が再登場してからは、彼の独壇場ですね。
本当にクール・ビューティ(な演奏)とは、彼の事を言うのだろうね。
それから、ドラムがしっかり録れていないと、「フィリー・ジョー」の時に言いましたが、「チェンバース」のベース音はしっかり収録されていて、この演奏が重厚感溢れる名演になった重要な要因になっている事を、上げておきましょう。


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