紫のオルフェ~何でもかんでも気になる音楽、名曲アルバム独り言

ジャズ、ラテン、クラシックを中心として、名曲、アルバム演奏者を紹介します。&私の独り言を…

ファンキーなブルーノートの代表作…リー・モーガン~ザ・サイド・ワインダー

2007-10-19 23:14:50 | ジャズ・トランペット
今日は、ジャズ・ロックの走り云々等と、巷では言われる事が有りますが、ロックかどうかはともかく、ファンキーなノリのよさで、ブルー・ノートの60年代中期を代表する名盤の一つと言うのは間違い有りませんので、この盤を紹介します。
リーダーは天才トランペッター「リー・モーガン」
サイドメンには、「ジョー・ヘンダーソン」や「バリー・ハリス」等、好メンバーに恵まれて、演奏曲も名曲「ザ・サイドワインダー」が入っているので、言う事は有りません。

アルバムタイトル…ザ・サイド・ワインダー

パーソネル…リーダー;リー・モーガン(tp)
      ジョー・ヘンダーソン(ts)
      バリー・ハリス(p)
      ボブ・クランショー(b)
      ビリー・ヒギンズ(ds)

曲目…1.ザ・サイドワインダー、2.トーテム・ポール、3.ゲイリーズ・ノート・ブック、4.ボーイ・ホワット・ア・ナイト、5.ホーカス・ポーカス

1963年12月21日録音

原盤…BLUE NOTE 84157  発売…東芝EMI
CD番号…CP32-5236

演奏について…表題曲(名曲)「サイドワインダー」だが、ロック・リズムに乗って、「モーガン」がファンキーなアドリブを、いつも通りブリリアントな音色のトランペットで吹き切るのが最初の聴き所。
次いで「ヘンダーソン」も、このロック・リズムに合わせて、センスの良いフレーズを次々吹いて、コンボの高揚感が更に増す。
それから「ハリス」が、ノリノリのピアノ・プレイで止めをさしに来ます。
ファンキー度120%の演奏に、貴方の体はリズムを刻み、頭を振るでしょう。
サプライズは、「クランショウ」の渋いベース・ソロが最後に入るのも、編曲のエンターテインメントの素晴らしさが感じられる。

2曲目「トーテム・ポール」…実は、この曲がこのアルバムのベスト1演奏だと、私は信じて疑わない。
ラテン・リズムに合わせて、「モーガン」「ヘンダーソン」のとても都会的な雰囲気のメロディが、ニューヨークを颯爽と歩く、スーツ姿のニューヨーカーをイメージさせる。
「モーガン」のアドリブ・ソロも音色が輝かしく、逆に「ヘンダーソン」は渋く抑え目にソロを吹く。
バックはラテン・リズムと4ビートを随所に転調させて、曲のアクセントを付けて、聴衆を飽きさせない編曲に仕上げている。
この曲での「ハリス」のピアノ・アドリブが、「レッド・ガーランド」のシングル弾きの様にセンスが溢れていて魅力的です。
更に「クランショウ」と「ヒギンズ」のタイトなリズムが、個性的なソロ奏者3人のアドリブ演奏をカッチリ締めている。
最後にもう一度、「モーガン」がテーマを発展させたアドリブを吹いて、この曲の完成を見る。
誠にアーバナイズされた曲調で、(演奏が)終わっても、いつまでも曲が耳と心に残るんです。

3曲目「ゲイリーズ~」も変拍子のロック調リズムの曲で、この曲では、最初に「ヘンダーソン」がアドリブソロをとり、次に「モーガン」がアドリブを吹くのだが、この演奏では「モーガン」が「ヘンダーソン」に合わせたのか、かなり抑え目のトーンでアドリブを吹くのが、いつに無く個性的です。
「ハリス」のピアノも相変わらず冴えていて、「ヒギンズ」がパシンパシンとアクセントを付けて敲くドラムとの曲の対話が楽しいです。

4曲目「ボーイズ~」も変速リズムの曲で、且つファンキー節全開の曲調がアルバムのトータル・コンセプトを表明しています。
フロント二人のユニゾン演奏が長めに取られていて、演奏のパワーが山場に来たかなって思います。
3曲目まで、抑制気味に吹いていた、「ヘンダーソン」も、かなりフリーに大胆にアドリブ・ソロをとっていて、受ける「モーガン」も限定解除?になって、思い切り吹き捲ります。
ミュージシャン皆の心が、集中して燃えるのがすごいですね。