メロディ１２月号 清水玲子 秘密

　きましたね～、恐らく最高傑作になるであろう「秘密」シリーズですが、普段小説しか読まれない方にこそ読んで欲しい、質の高いミステリー漫画です。（ミステリーと言って良いのか、くくりがよく判りませんが）

　近未来の日本では、死後の脳の記憶を読み取る機械が出来た事で、難解な事件の犯人が捕まえやすくなった・・・だけではなく、殺す側殺された側の複雑な思惑までもを「見る」ことになった警察の担当者たちの、恐怖やストレスも描かれて、実に奥深いです。

　１２月号では、衝撃の真犯人が判るのですが・・・なんとも遣り切れない結末でした。ごく単純な一番普通の感情「親の悲しむ姿を見たくない」という子どもの思いを、果たして裁けるのでしょうか？結末の果てにあるものを、見たいと思いました。読み終わると、いつも「秘密」という題名の意味が、重く深く感じられます。



　何十年と「LaLa」を愛読してきた身としては、一段上の質の高い漫画を提供するのが「メロディ」だと思っているのですが、ここにきて、川原さんや清水さん、ひかわさんに成田さん山口さん他多数の、長年LaLaで活躍されてきた作家さんたちが、質を揃えてしっかりとした少女漫画を描かれおられのが、すっごく嬉しいです。