そう自分の思うように人はならないさ。

　上手い事言うなァと思ったら、大昔に既読の小説からの引用でした。確かに読んだはずなのにさっぱり覚えていないのは、その当時はこの文章が心に刺さるほどは、人生経験が無かったからですね。

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　人間は角があると世の中を転がって行くのが骨が折れて損だよ。丸いものはごろごろどこへでも苦なしに行けるが、四角なものはころがるに骨が折れるばかりじゃない、転がるたびに角がすれて痛いものだ。

どうせ自分一人の世の中じゃなし、そう自分の思うように人はならないさ。

from 『吾輩は猫である』

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　今年、結婚して２５年たったんですよ、いわゆる銀婚式で、びっくり。「銀婚」って、もっと重くて深くて遠い言葉だと自分の内では、長年思っていたんですが、実際にそうなってみると、さっぱりそれに値いする自分には、謙遜じゃなくて、なっていないなァと思います。夫婦としては、一般的な家庭で起こるイベントは、だいたい乗り越えてきたので、そんなもんだろうなァとは思うんですけどね。子どもたちの独立と、両方の親の葬式と始末が終わっていたら、金婚式では満足するかなァと思います。（あ、もう震災は乗り越えたくない・切願）

うちは家族各々の誕生日以外の記念日は、ほぼスルーなので、主人とおじいさんと、７－１１のおでん（三人分で９１０円）を食べつつ、日本酒を飲んで終わりました。その夕飯だけが、いまの自分らしくて、身分相応が好きな私には心地よかったです。実家で育った期間を、結婚してからの期間が上回ってしまいました。その時間を考えたら、「思えば遠くへ来たもんだ」かな。