剱岳源次尾根&Ⅰ峰下部中央ルンゼ -4-

2007-09-28 18:44:31 | クライミング
5時半過ぎに剱沢を出発。前日歩いてる道なので快調に進む。剱沢の雪は柔らかくアイゼンは不要。平蔵谷出合まであっという間に到着。ここから登りもきつくなるのでアイゼンを付けた。

取付を探すためにゆっくりゆっくりと平蔵谷を登る。しばらくするといかにもそれらしいルンゼを発見。間違いないようだ。取り付くには一旦雪渓の下に降りなくてはいけない。木の枝を埋めようかと考えていたら、いつのものか分からない先行者の懸垂跡を発見。落石を利用したものだが、だいぶ崩れていて、もう一度掘り返しかなり頑丈に作り直した。この懸垂に結構時間を要し、登攀準備を終えてスタートしたのは9:30を過ぎていた。

平蔵谷にもだいぶ日が差すようになり、雪渓の雪もどんどん溶ける。スタートは沢登りだった。ビレイ点や支点もないので、ハーケンをうちながら進む。最初左から取り付いたが雪解け水が雨のように降ってきて登りずらい。右から取付直す。きっとなんてことない登りだったのだろうけど、朝一の登りということと岩が濡れていることもあって、かなり緊張した。2ピッチ目からはすっきり乾いている。やっとクライミングらしくなってきた。スタートこそ数本のハーケンがあったものの、その先はほとんど支点がない。ビレイポイントと呼べるそれらしい残置なども全くなかった。当然ピナクルを利用したりハーケンで作ったりしてすすむ。

人のあまり入らないルートということである程度は覚悟していたが、支点のなさは想像以上で思わぬ時間の浪費となった。しかしやはり人のいない静かなルートは気持ちがいい。自分でネイリングしながら進んで行く感覚も楽しい。ハーケンに導かれることなく自分でルートファインディングが出来るのも、支点がないおかげだ。核心のF7?の出口付近はちょっと怖かったが、とても楽しいクライミングが出来た。が、時間が掛かりすぎた。登攀が終了し、ロープをほどいた時はすでに16:30を回っていた・・・

おそらくロープを解いたあたりですでに源次へ抜ける分岐点を過ぎていたのだと思う。みんなで注意しながら登っていってのに見つけられなかったのは、たぶんそのせいだ。○井さんがだいぶ疲れているようす。急な草付きを登る足取りが、見ていて不安を感じさせた。膝を痛めてベースに残る○部さんや、近くにたまたま居合わせた県連救助隊長の熊○さんと相談しながら這松帯でビバークすることにした。その時は分からなかったが、もうすでにⅠ峰の頂上直下にいたのだ。ちょっと頑張れば稜線へ抜けられたが、天気もいいことだし無理はせずにビバークをして正解だったと思う。うるさい虫をはらいながら、頭からツエルトを被ってさっさと寝ることにした。



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