21・22に盆のリベンジで再び滝谷へ。しかし下山するまで雨に降られ続け、結局連続敗退。どうも滝谷には嫌われてしまったようだ。
この山行期間の天気予報は、本当に狂いっぱなし。台風一過とはならずとも、22日は回復にむかい、なんとか取り付くことが出来るだろうと考えていた。しかし21日の夜はずっと大雨。朝も霧雨で、4時起床予定だったが、7時頃までふて寝していた。本当にがっかりしたが、自然の力には勝てないので渋々下山。鍛えていたおかげで足は軽かったが、気分はとても重かった。
前日夜の予報では回復するはずだったのに、なんで一転して大雨になったのだろう。気になったので、帰宅してから過去一週間分の高層天気図を印刷して眺めてみた。チェックしたのは700hPaの天気図。
この一週間、大小の気圧の谷が次から次へと通り過ぎていた。気温としては6度ラインが日本付近を漂っている。台風の影響で、このラインが一旦北海道付近まで押し上げられたが(19日12時)、12時間後に朝鮮半島付近にドロンッ!と、また6度の塊が広がった。当然こういうところは気圧の谷になっている。21日0時の図で見ると、この谷が22日には抜け切るように感じるが、実際は別れを惜しむように6度ラインが本州中部、まさに山に引っかかるように抜けきらない(22日0時)。そのラインがパッとはずれたように、昼には函館付近まで北上している。
この引っかかりが予想出来なかったのだろうか?当然もっともっと多くの原因があるだろうが、この間の天気図をもし見ていたとしても(はい、見てませんでした)、複雑過ぎて素人が見てもまったく何の予想も出来ないと思う。こういう時はやっぱり中止にすべきなのかなぁ・・・
-写真は北穂南稜の中間あたりの紅葉-
前の週は会の阿○さんと一緒だったが、今回は一人。一人だと寝坊する確率が高く、この日もその確率を上げてしまった。大倉到着が10:20。支度をして10時半過ぎにバス停を出発した。
花立を過ぎたあたりでリーダー学校講師陣の団体に会う。沢登りをして塔に抜け、大倉尾根を下山してきたようだ。久しぶりに見る顔もあったので、ちょっとうれしくなって、この後ペースが上がった。5分くらいだけど・・・。
大抵2週続けて歩くと調子が上がるものだが、この日は非常に足が重かった。塔まで22kgで3時間15分。表尾根を歩く前に、あまりに疲れたので背負ってきた水を7kgほど捨てた。最近、廃墟に興味があるので、廃墟となったカイサク小屋で撮影会。のんびりしすぎて、三ノ塔尾根を下って林道近くになる頃には暗くなってきた。
まもなく林道というところで下から人が上がってくる。「大倉はこっちですか?」。・・・なわけないだろう。暗くなってから三ノ塔尾根を登って、大倉に向かっているつもりだったなんて、なかなかのツワモノ。良く見ると下の方にもう一人。若いカップルだった。気を付けてくださいね。
調子は悪かったが、前の週は筋肉痛になったふくらはぎが、今回はならなかった。やっぱり山は歩き続けないとね。結局は本チャンも体力勝負だから。
前日は飲み会で盛り上がり、ちょっと飲みすぎた。だからといって、ゴロゴロしてる場合ではない。時間があれば少しでも歩いて、鍛えておかないと。
とはいいつつ、いつもよりちょっと遅め。大倉-塔ノ岳-表尾根-三ノ塔-大倉のコースなので、そんなにあわてる事はない。今回も20kg。本番では22kg以上になるので、本来ならもっと担がなくてはいけないが、まあいいか(なんで?)。大倉-塔はやっとこさ3時間を切ったが、最近自転車通勤をさぼっていたので、体は正直だ。ベストより30分遅い。この日はいつにも増して、大汗をかいた。水もたくさん飲んだ。烏尾山あたりで多少バテ気味。大倉に戻った時には予定より1時間も遅かった。
最近特に鹿が多いように思う。写真は表尾根の登山道でくつろいでいる鹿君。近づいてもまったくどこうとしない。あまり近づき過ぎて攻撃されるのも怖いと思いつつ、目の前まで近づいてやっとどいてくれた。とてもかわいいのだが、丹沢の森を守るためにかなりの頭数が駆除されているらしい。自分は森林環境について詳しくないので、かわいそうだな、と思ってしまう。共存する、何かいい方法ってないのかね。
路肩に止めておいた車に戻り、荷物を積んで走り出すと、すぐにものすごい雨。日ごろの行いが良いのは言うまでもないが、あまりにもグッドなタイミングに、何か得をしたような気分になった。さ、来週も歩くぞ!
蒼稜ルートのあるフェイスが濡れて黒光りしている。想像していた通り、T4尾根も濡れていた。アプローチなので、躊躇なくA0で登り始める。しかしアプローチでⅤ-って・・・。勢いづいてT4まで来てしまったが、T2へ続くバンドは一段下だった。初めてなのでスタカットしてみたが、フィックスも張ってありロープを出す必要はない。T2はこじんまりしているが、平らで、ぎりぎり2人用のテントが張れそう。朝起きるまですっかり諦めていたので、取付に来れただけでもうれしかった。
1ピッチ目。山○さんリード。小ハングのある15mピッチ。ハングの先のピンが遠く、少々てこずる。しかしうまくムーブを見つけてクリップして抜けていく。ハングの乗っ越しでアブミに立ちこむのは難しいが、確かに同じようにやったらすんなり届いた。単調のようでアブミににもムーブがあるのだなぁと感心。
2ピッチ目。単調なアブミの掛けかえ。1ヶ所ピンが遠いところがあるが、ホールドがあって楽に上段に立てる。高度感を楽しみながら、気持ちよくすすんだ。ここはハンギングビレイ。ペツルが打たれているので安心してぶら下がれるが、やはりハンギングビレイは疲れる。山○さんを迎えてここで終了とした。
今回は2ピッチまでだが、前日の大雨と天気予報を考えれば十分満足。いずれ冬にチャレンジする時のために終了点まで登っておきたいので、来年天気のいい時にケリをつけよう。
登山届けをポストに入れて、横尾に向けて出発。上高地に着いたときにはまだ曇りだったが、歩き始めてすぐにパラパラと降りだした。明神館に着く頃には本降りとなり、横尾に着くまで激しく降った。
もう完全に気持ちは切れた。本来なら明るいうちに渡渉を済ませておかなければいけないのだが、翌日はどこかゲレンデに転戦する可能性を考え、横尾のテン場にテントを張る。もうする事は飲むだけ。持参のビールと横尾山荘で買ったワインですっかり酔いがまわり、となりにいたおっちゃん達と盛り上がる。転戦するにしても早起きになるので、テントに戻って夕食をすませ、18時にはシュラフにもぐりこんだ。
3時に目覚ましを掛けたが、ぐずぐずと3時半起床。のんびりと朝食の支度をして、お茶漬けを流し込んでから外に出ると、なんと星空。これは行けるぞ!しかし横尾のテン場を5時発。昼前には下降開始しなくてはいけない事を考えると、終了点到達は無理。しかし完全に諦めていた事を考えれば、1ピッチでも登れるだけ幸せというもの。思わぬ状況の好転に、わくわくしながら出発の準備に取り掛かった。