大幡川アイゼントレ

2009-02-23 00:27:55 | クライミング
本当は四十八滝沢でアイスクライミング&アイゼントレをする予定だった。四十八滝沢と思っていた沢は大幡川の本流で、そのまま稜線まで詰めてしまう。滝らしい滝などなくて、「おかしいな・・・」とは思っていたのだが、帰宅してネットで調べまくったら、やはり違っていた。

なぜ間違えたかというと「山と高原の地図」を全く確認していなかったからだ。最近単独であちこち行けるのも、GPSのおかげ。GPSを利用すると、通常カシミールを使う。カシミールで使用しているのは、国土地理院の地形図と山旅倶楽部の地形図だ。この地形図に、三ツ峠の「北口登山道」が載っていないのだ。北側斜面に載っている登山道は、実際にはあまり歩かれていない「見回り道」というもの。ネットの山行記録に出てくる登山道と、この「見回り道」を混同して思い込みをしていた。

帰宅してから昭文社の「山と高原の地図」を確認したら、ちゃんと「北口登山道」が載っているではないか・・・歩いている途中、全く気がつかなかった。本チャンほど真剣に調べていなかった事もあるが、これからは気をつけなければ。トレーニング山行だったので、個人的にはいい経験にはなったが、同行のメンバー、ごめんね。



関東ブロック救助隊合同訓練

2009-02-19 00:25:50 | 登山

土曜日は仕事だったので、日曜だけ参加してきた。「土合山の家」には関東労山だけではなく、都岳連の救助隊も集まり、総勢百人を超えていたという。夜の宴会は、さぞ盛り上がっただろう。参加したかったなぁ。でも、また「ゲロゲロ救助隊」に変身する可能性があるので、参加しなくて良かったかも。

遭難者役の人がツエルトにくるまって隠れ、それをみんなで捜し出し、安全地帯まで搬送する。いつもの救助訓練の流れだ。自分と平○さんの二人が遭難者の一人を捜しあてた。かくれんぼの感覚で、とてもなつかしい興奮を味わえた。

2月とは思えない雪の少なさで、谷川らしくない。今年はなんとなくさえない雪山シーズンだ。このまま終わってしまうのかな。



赤岳・天狗尾根 -2-

2009-02-12 00:28:53 | クライミング

一般道だと思って適当に登っていたら、岩場で行き詰まる。もろい岩場を恐る恐るクライムダウンして、まじめに歩き出した。稜線に出てから気が抜けたせいか、結構疲れが出てくる。真教寺尾根の分岐までの100mの登りが応えた。

やっと分岐にたどり着き、下りに掛かる。う~ん、どっちだ?真教寺尾根は分岐から多少左側にある。右の小尾根は先が切れ落ちているように見える。行き詰まるのもいやだったので、だんだんと左に寄ってしまう。どうやら下山路は右の方みたいだ。またトラバースして右側へ戻る。

部分的に鎖が顔を出しているが、それもほんの数十㎝ほど。自分の感覚で行くしかない。午後に入って腐り始めた雪が、アイゼンの底に張り付いてしまう。たたき落としながら行くのが面倒で、尾根の北側へ向かう。今度はクラストした雪面から、胸までの落とし穴。反射的にピッケルを刺したが、勢いで前のめりに滑落しそうになった。また落とし穴。胸まで落ちると、脱出にかなりの時間がかかる。また尾根上へと戻る。

必死になっていたので、昼食を取るのを忘れていた。急斜面を下り終え、2500m付近の樹林帯に入り、やっと大休止。この下りでかなりへばってしまった。アイゼンからワカンに履き替え、のんびり歩きだす。ここまでくれば、もう暗くなっても問題ない。


(左のスカイラインが天狗尾根。大きくぼっこりしてるのが大天狗。一旦切れて、右に小さく尖っているのが小天狗)


しばらくしてテントを発見。足音を聞いてか、中から一人の若者が顔を出した。翌日一人で東稜をやるらしい。風も雲も出てきたから、気をつけてね。彼は上まで行けたかな。彼が付けてくれたトレースをたどりながら、ちんたら歩く。牛首山を下るあたりから暗くなり始めた。

スキー場のゴンドラ最上部にたどり着き、そこにあった自動販売機で暖かいミルクティーを飲んだ。なんだか人工物を見て安心する。駐車場到着が20:00。16時間半行動だった。さすがに疲れた。でも充実感があり、いい山行だった。次来る時は複数でラッセルを楽しみながら、大天狗を登りたいな。



赤岳・天狗尾根 -1-

2009-02-08 23:59:31 | クライミング

あまり重たい荷物を背負いたくない。なら日帰りにしよう、という事で、3時出発の予定で美しの森駐車場へ向かった。

ちょい寝坊。それでも3時半には歩き出せた。相変わらず暗闇の林道歩きは怖い。鹿の鳴き声に何度か心臓を止められながら、凍った雪の上をひたすら歩く。トレースも凍っていると歩きにくい。寝不足でふらふらしながら、出合小屋まで3時間も掛けて到着。小屋の中は誰もいない。5分ほど大の字になって休んだ。

寒さに耐えきれず、起き上がる。行動食とアミノ酸を摂り、登攀具を身につけ出発。赤岳沢に入り、トレースをたどる。単独でラッセルが入ったら、きっと天狗尾根日帰りは無理だろう。あてにしていたトレースがあり、安心すると同時に稜線まで続いていることを願う。

11月に来たときより上流から登ったと思っていたら、カシミールでみると手前だった。藪の少ない傾斜のゆるいルンゼ。たしかにここは登りやすい。他の記録を見ると、ずっと上流から取り付く人もいるらしい。11月ほどではないが、うるさい藪をやり過ごし、ひたすら標高を上げる。樹林帯に飽きたころ、やっと「カニのハサミ」に到着した。



前回同様、挟まれてみる。モミソよりはずっと簡単なのだが、いつ剥がれてもおかしくない岩と、落ちたときのダメージを考えると結構緊張する。

それにしてもすばらしい天気と景色だ。眺望の少ないルンゼより、やっぱり尾根や壁の方が好きだ。

次は例のフィックスロープ付きルンゼ。もちろんルンゼから行く。雪に埋もれたロープを引っ張りだし、PASにつながったカラビナを掛ける。なぜかここからトレースがない。先行パーティー(おそらく先週の)はここで敗退したのだろうか?それとも新雪に埋まったのか。ルンゼ内をダブルアックスで抜ける。上から見たら、ずっと下の方にトレースが見えた。なんであんな下まで?

次の壁は左に逃げる。巻くつもりが行き止まり。そういえば11月も間違えたっけ。ネットで見ると、こっちから行く人もいるらしいけど。右も急なので、正面を登る。3手登って行き詰まる。上にも下にも動けない。「あー俺の人生もここで終わりか」と思った時、目の前に凍った草付きがある事に気がつく。ハーネスからピッケルをはずし、草付きに一撃。しっかり刺さって、難なく通過。何やってんだか。この上から、またトレース発見。

大天狗はもちろん右側から巻く。「ここでアンカー取りなさいっ!」って言っているような木を使って、ソロクライミングをやろうかと思ったが、時間がもったいないので、フリーソロで抜ける。巻く場合はここが核心とよく言われるが、慎重に行けば意外と登り易いと思う。ただ傾斜が強いので怖く感じるだけではないだろうか。

もう目の前に一般道の稜線が見える。とにかく天気がいいので、気持ちが良かった。ここまでは・・・



広河原沢右俣

2009-02-04 00:43:23 | クライミング

土曜は仕事なので、前夜発日帰りで八ヶ岳に行ってきた。「道の駅こぶちざわ」に車を止め車中泊。3時間半くらいぐっすり眠れた。

起きてすぐ、カレーうどんで腹ごしらえ。トイレで用を済ませて外へ出ると、「ま○○さん!」と声を掛けられる。なんとカモの○原さん。トイレ横のテントには○瓶さんとぐっさん。なんと同じ場所で仮眠をしていたようだ。彼等は大同心北西稜に行くらしい。時間的に厳しいかなと思っていたけど、なんと暗くなりながらも完登したらしい。えらい!

大きな気圧の谷が通過した後なので、ラッセル敗退濃厚のまま右俣へと向かっていく。しかし気温は比較的暖かめだったせいか、標高の低いところは雨も結構降ったようだ。早朝の雪がガリガリに凍っている。左俣と別れ右俣を詰めていく。三ルンゼとの出合に着くと、三ルンゼ方向にもトレースがある。この大雪の中、三ルンゼは抜けられたのだろうか。

クリスマスルンゼに着くと1パーティーのみ滝の上部に取り付いている。下部をノーザイルで遊んで、そのパーティーに近づくと「昨日三ルンゼやったんですが、ラッセルが酷くて敗退しましたよ」とのこと。あのトレースはこのパーティーのものらしい。やはり雪が深いようだ。滝の上部をやると時間がなくなるので、稜線を目指す。

すぐの二俣は右へ。その次は左へ。その次は右へ?その次は??もう忘れた。やがて二本の短い滝(4~5m)が現れた。



右の方がしっかりしているが、落ち口は左の方がいいようなので、左から取り付く。しかし透き通った氷で、バイルを打つと水平方向に全体的に亀裂が入る。気味が悪いので、今度は右から取り付く。上部では風が強いのか、ひっきりなしにチリ雪崩のように雪が落ちてきて、上を向けない。2手ほど上がるが、ほぼ垂直のフリーソロにビビッてやめた。あいかわらず情けない。

少し下って左岸のルンゼを詰めることにした。本当はもっと下って、右岸が正解だったと思う。ここまでも雪が深かったが、ここからがさらにきつかった。標高で60~70mほど上がるのに、2時間以上掛かってしまう
。時間は13時半。南陵まで標高で150m。稜線に出てしまえば暗くなっても下れるが、そこまで執着しているルートでもないので、やむなくここで敗退を決定。2時間以上掛かった登りが、下りは5分!GPSでの確認だが、体感的には本当にあっという間だった。

なんか消化不良っぽかったけれど、久しぶりに雪まみれになれたので、それはそれで充実感があった。今年の12月になったらまた来よう。