リソール その後・・・

2007-05-25 21:39:45 | クライミング
多くの種類の靴を試したわけではないので、きっとまだまだ合うシューズがあるとは思う。でも現時点で一番お気に入りなのがテスタロッサ。ミウラーを試してみたいのだが、なかなかあうサイズが手に入らないし(涙

なぜミウラーに興味があるかというと、ソールが硬めなのでエッジングに強そうだから。でも試してないのでなんともいえない。テスタロッサのいいところは、なんと言っても自分の足型にあっているという事。なんだかんだ言っても、やっぱり靴は足に合っているというのが一番大事だ。ファイブテンのやる気のない「かかと」と違い、すっぽり収まる感じが気持ちいい(でも時々脱げそう・・・)。

エッジングを強化するためにミッドソールを追加してC4に張り替えたテスタロッサ。硬くなったにもかかわらず、フリクションがいい!久しぶりにC4を履いてみて、そのすばらしさを再認識した。購入時よりフリクションもエッジングもよくなり、しばらく勝負靴の座はゆるがないだろう。

それに比べて残念なのが、本チャン用に買ったゆるめのクラックス(ボリエール)。指の付け根の下あたりのソール部分が「岩をつかみやすいように」とへこんでいて、その分岩に対するあたりが弱い。ああいうのが好きな人もいるのだろうが、スラブでは実に具合が良くない。エッジングに絞った靴なのだろう。まぁ本チャン用だから、ソールさえ硬ければいいか。柔らかいソールは歩いてて痛いから。

さぁ、そのクラックスを履いて、来週末は錫杖の左方カンテだ。おいしいコシアブラ、たくさん取れるかなぁ・・・



剱岳源次郎尾根-3

2007-05-23 22:25:33 | クライミング
暗くなりそうなら平蔵谷を下る予定だったが、なんとか明るいうちに行けそうだったので、当初の予定通り別山尾根を下ることにした。

そう、あのカニのヨコバイで有名なところだ。ちょっとは興味があったが見るからに信頼感満点の鎖がはってあり、なんてことなく通過。あたりまえか。平蔵谷へ向かう他の会のパーティーと分かれ、別山尾根は我々のみ。昼間たくさんの人達が刻んだ踏み後でボコボコになっていたが、とくに問題となるところもなく、急いで下っていった。テン場に到着したのは7時頃。なんとかヘッデンのお世話にならずに帰還できた。源治郎を無事終えることが出来て大満足。ビールで乾杯した。

今回の山行で気づいたこと2点。まず下りの急斜面が弱いこと。慣れもあるだろうが、もう少ししっかり歩けるようにならなければ。もう一つは、自分のアイゼンにはアンチスノープレートがついてないため危険だったこと。普通の縦走路ならバイルでたたき落とせば問題ないが、ナイフリッジでバランスを崩したら命取り。来シーズンは必ずプレート付のアイゼンを購入しようと思った。

山行中は天気に恵まれ、すばらしい体験ができた。大渋滞も終わってしまえばいい思い出。雪稜に対する興味も大いにふくらみ、これからの自分の山に対する指向も少し変わってきそうな予感がする。鍛えなきゃいけない事と揃えなきゃいけないものが次から次へと増え少々頭が痛いが、それも楽しむためには仕方のない事。頑張らねば。

夏にも源治郎を歩く予定だが、この尾根の南面に面白そうな登攀ルートがあるようだ。欲張ってそこも狙ってみたい。剱岳。とてもすばらしいところだ。これから何回足を運ぶのだろう・・・



剱岳源次郎尾根-2

2007-05-11 21:24:58 | クライミング

朝の天候がすぐれなかったので、少し様子を見る事にする。結局出発は6時を回っていた。

剱沢をどんどん下っていく。去年と一昨年はここを20kg以上の荷物を背負っていたので長く感じたが、今回はガチャ類もほとんどなく身軽だったので、歩いていてとても気持ちがいい。あっというまに源次郎の取り付きに着いた。

思っていたより源次郎に入る人は多く、確認しただけでも自分達の前に7~8人。早朝から入っているパーティーもあるだろうから、かなりの人数に違いない。そう、その人の多さが後の悲劇につながるのだった・・・・(涙

取付きで身支度を整え、ルンゼの急登にかかる。そこそこ急ではあったが、しっかりとトレースがついているので何の問題もない。途中から先行パーティーと分かれ、左の支尾根へ向かった。すでに日も高く、部分的に雪がぐずっている。稜線に上がる途中、1ヶ所悪い場所があった。ぐずった雪の急斜面を2本のバイルを使って登る。雑に登ると足場が崩れるので、バランスを取りながら慎重に体を上へ上へと移動する。この感覚はスラブを登る時のフリーの感覚に似ていた。アイスとは違う、雪壁でのフリー。なんだかとても新鮮な緊張感だ。

そこを抜けるとスノーリッジ。怖さのない、気持ちのいいリッジだ。天気もよく回りの景色もすばらしい。「気持ちいいぃ~!!」と叫びたくなるくらい、本当に気持ちが良かった。Ⅱ峰にたどり着くと20人以上が渋滞している。「これは懸垂待ちかなぁ」と思っていた。「2時間くらい待たされるかもなぁ、まいったなぁ」。仕方がないので大休止をとることにした。多少寒かったが、日差しもあり耐えられないほどではない。前後のパーティーと話をしたり、写真を撮ったりしながら時間を潰していたが、一向に渋滞の人数が減らない。一体どうしたんだろう?3時間以上経って前が見えるところまで進んでから分かったが、懸垂地点に向かう途中のリッジの下りに手こずっているようだった。大した場所でもないのに大げさにフィックスを張り、ビクビクしながら歩いている。ほとんどのパーティーがその都度フィックスを張るものだから、時間が掛かって仕方がない。渋滞につかまってから懸垂地点にたどり着くまでに、なんと6時間!とんでもない渋滞だった。

山はみんなのものではあるが、もし天候が急変したら遭難に結びつくかもしれない場所だけに、人気ルートとはいえそれなりのトレーニングを積んで、しっかり歩ける様になってからチャレンジするべきだと思う。あまりののろさに少し腹がたった。

懸垂が終わって時計をみると4時半。ここまで来たのだから、出来れば本峰を踏みたい。時間的に厳しかったが頑張って頂上を目指すことにした。十分すぎるほどの休憩を取ったので体は軽い。トレースがしっかり付いた雪稜を、ぐんぐんと高度を上げていった。かなりのハイペースで、なんと30分少々で頂上へ到着。なぜか剣の頂上を踏んだ感激はなかった。日も暮れかかっていたので、写真を撮って急いで下山に取りかかる。山は下りが危ないのだ。まだ気を緩めてはいけない。




剱岳源次郎尾根-1

2007-05-06 20:06:53 | クライミング

今年のGWは剱岳源次郎尾根。もともとはジャンダルム単独縦走を予定していたが、まだ自分の技量では困難と判断し、源次郎尾根企画に参加させて頂くことにした。

実はこのルート、今年の夏に予定していたのだが、残雪期に行けるチャンスが出来たのなら乗らない手はない。期待と不安が入り混じって、とうとうその日がやってきた。もちろん不安の最大要素は右膝。剱沢までの行程で痛みがひどくなるようなら、泣く泣くテントキーパーをする覚悟でやってきた。

やっぱり室堂は遠い。交通費も高い(涙 それでも訪れる価値は十分にある場所だ。GW後半は好天に恵まれるという予報通りすばらしい快晴。富山県警派出所でルート状況を教えてもらい、ピッケルカバーをはずして剱沢目指して歩き始めた。

当たり前だが、夏に来た時とはまるで景色が違う。チンネ左稜線の帰りに雷鳥平で幕を張った時、「GWに山スキーに来ようか」なんて話が出たが、たしかに山スキー天国。というか、ここはゲレンデ!?というくらいスキーヤーだらけ。スキーヤー達がベースにしてる雷鳥平のカラフルなテント場の横を通過し、別山乗越に向けて最初の登りに入る。歩いたルートは夏道よりも少し左の尾根よりだろうか。サポーターのおかげか、とても快調に歩が進む。夏に来た時と違いあっという間という感じ。結局剱沢まで2時間半。膝の痛みも軽く、これなら明日も大丈夫だろうと気分も盛り上がってきた。

昼前に剱沢に到着したので、のんびりと風よけのブロック塀を雪で作ったりしながらテントを設営した。雪を集め水作りを始めたが、何故か雪がくさい。別の場所から取り直してきたが、それでも匂う。何の臭いなんだろう?なんとか我慢出来る範囲だったので、炊事に使った。というか、使うしかない。お腹を壊さなければいいが。

少し早かったが、前日もあまり寝られなかったのと明日の事を考え、早めに寝る事にした。しかし5時就寝は早すぎたかも。夜になると吹き下ろしの風が強くなり、テントをばたつかせる音がうるさく睡眠の邪魔をする。まぁ、寝られなくてもなんとかなるだろう・・・