真教寺尾根

2007-02-13 21:40:42 | クライミング
日曜日に赤岳の真教寺尾根を登ってきた。久しぶりの単独。ひとりで雪山へ行けるのも、ヤフオクでやす~くスタッドレスタイヤを手に入れられたからだ。とても程度が良く、3シーズンくらいは持ちそう。これからは人の車を宛てにしたり電車を使わなくて済むので、冬山をしっかり歩いていこうと思う。

早めに現地についてゆっくりしたかったが、結局仕事が終わったのが21時半。現地到着は2時近かった。目覚ましを5時にセットし、寝酒のビールをあおってシュラフに入る。外はちらほら雪が舞い始めた。

1時間半ほど寝ぼうして6時半起床。ハナからピークは無理だと決め込んでいたので、気合が入ってないぞ、ぐらぁっ!急いでお湯を沸かしラーメンとコーヒーを腹に納め、たかね荘の駐車場に車を移動して7時半に出発。牛首を過ぎて扇山まではなんて事なかった。しかしそこから先は強風でトレースが消され、クラストした雪面は深いところで胸まである落とし穴の宝庫と化していた。

太腿までの深さの落とし穴には、ゆうに100回以上は落ちた。なにせワカンを忘れたもんだから仕方がない(汗。12時になったら引き返すと決めていたので、きっかり正午でUターン。標高は2400mまで。落とし穴からの脱出でへとへとにへばってしまった。

船山十字路の下見をしてから帰路についた。冬山の単独は緊張感があってとても楽しい。また来週リベンジしに来ようかな。




モミソ沢 転落事故③

2007-02-06 20:42:13 | クライミング

楽しいアイゼントレもあと少しで終了。尾根伝いだと先が切れ落ちていたので、みんなは右にそれて下り始めた。すんなり降りるのも面白くないので、自分だけ左から降りようとモミソ沢の方へ進んだ。

ひえぇ~!やっぱり沢へ降りる斜面はみな急で、これはやばいと思った。道に迷ったら尾根に上がれと良くいうが、結局沢へ下ると最後の斜面で動きが取れなくなるからだ。足元はぐずぐずで、くずれないようごまかしながらそーっと尾根まで戻った。ほっ!

下の方を見ると3人はまだ下りにてこずってる様子。あぶない箇所は懲りたので、自分は右のなだらかな方へ進み、本谷に下りた。○山さんが核心を通過し、○めさんに指示を出す。○めさんは無事通過し残り1.5mくらいでまた行き詰まる。ちょっと危なそうだったのでそちらに近づき、下から指示を出して降りるのを助けていた。

「あーっ!」

声の方を振り向くと、○部さんが左肩を下にして降ってきた。自分の2mくらい横にドサッ!と落ちて1回転してとまる。墜落距離約5m。うずくまったまま苦しそうにしてる。すぐに近寄り様子を見たが、かなり痛がって苦しそう。この場所だと落石の危険があったが、首を捻るように回転したので頚椎が心配で動かすのをためらっていた。

「らーくっ!」。なんと心配していた落石がすぐに起きた。しかもかなりでかい!もう運を天にまかせるしかない状態だったが、なんとか直撃せずに済んだ。動かすのも心配だったがいつまでもここにいるわけにはいかないので、少し離れたところになんとか移動し再び様子をみる。とりあえず左手のひらの傷を手当てしお湯を湧かして与えたが、苦しそうで一口含むのがやっと。痛みを抑えるためにバファリンを飲ませた(※1)。

事故から1時間ほど経過し薬が効いたのか、少し落ち着いてきた。救助要請も考えたが本人が何とか自力で病院へ行きたいと言うので、頑張ってもらう事にする。幸い下半身は怪我していなかったので、やっとのことで立ち上がってもらい、渡渉や岩場はおんぶしてなんとか車までたどりついた。病院の場所を聞こうと交番に行ったら、救急車を呼んだ方が早く治療してくれると言われたので救急車を呼ぶことにした。

結果的に右手首の骨折と打撲(肋骨にひび?)だったが、あの落ち方で頚椎をやらなかったのは本当に不幸中の幸いだったと思う。たくさん積もった落ち葉が守ってくれたのだ。今回の事で多くの教訓を得たが、こういう事がいつ起こっても不思議ではない’遊び’をしているという事を常に肝に銘じておかなければいけないと、つくづく思った。



※1:先日行われたファーストエイド講習会の講師に聞いたところ、バファリンはなるべくなら飲ませない方がいいとのこと。出血が多い場合に血が止まりにくくなるのと、アナフィラキシーショック
の危険性があるため。飲ませる時は必ず本人に薬アレルギーの確認をしてから与えるようにするように言われた。