朝8時過ぎに入渓。なんと沢でのアイゼントレは今回が初めて。どんな感じなのか想像がつかず、ちょっと緊張気味。スタートしてしばらくした頃、アイゼンの火花を飛ばしながらみごとにずっこけ、笑いを誘ったりしながら先へと進んだ。
30分も歩いていると慣れてきて、とても楽しい。沢でのアイゼントレがこんなに楽しいものだとは思わなかった。水量の少ないモミソ沢。普通に遡行したら面白くもなんともない所だが、アイゼンを履くと簡単な滝がドキドキもののクライミングへと変化する。去年の秋くらいからずっと深残続きで疲れがたまっていた。この山行は正直あまり乗り気ではなかったが、トレーニングはしておかなければ・・・と重い腰を上げて、てれてれと参加したのだ。それがこんなにわくわくするとは思わなかった。
大棚は2パーティーに分かれマルチ形式で登攀。落ち口の最後の1手がなかなか踏み出せない。アイゼンだもの、あっさりA0。とても心地よい緊張感で楽しい沢でのアイゼントレの核心部を終える。後はひたすら尾根まで詰め上げた。
帰路はモミソ沢の右岸の尾根を下る事にする。ミニバリエーション的な下山。コンパスの指す方向が鹿柵の中だったので、目の前のはしごを登り柵の中を歩く。柔らかい土の上に落ち葉の絨毯が厚く敷かれ、急斜面でありながら気持ちよく下っていける。あまりの気持ちよさに途中コンパスを見るのを忘れ、夢中で下っていった。気が付くと柵の末端まで来てしまい、コンパスを確認すると20度近くずれた方向に進んでいた。あららぁ~。鉄条網にびびりながらなんとか柵を乗り越え、10分ほどきつい藪漕ぎをすると狙っていた尾根に戻れた。
苦楽を共にしてきたメンバーだけに、いろんな思い出話をしては笑いが起きる。乗り気じゃなかったのが嘘のように、本当に楽しい山行だった。ここまでは・・・やがて下の方に本谷が見えてきた。懸垂岩でトレーニングするパーティーも見える。あと数10m下れば山行終了というところだったのに・・・
(写真は去年の広沢寺でのもの)