広沢寺アイゼントレ

2009-01-27 00:24:32 | クライミング

広沢寺に、アイゼントレに行って来た。モミソは登攀距離が短いため、ふくらはぎのトレーニングにならない。広沢寺は簡単だがそれなりに長さがあるので、いいふくらはぎのトレーニングになる。

この時期だから、ほとんどアイゼントレばかりかと思ったら、意外と初心者向けの岩トレで賑わっていた。そんな中でソロアイゼントレなどすると、すっかり客寄せパンダ状態。混んでる中、ソロなんて邪魔で悪いなぁと思っていたけど、みんな親切に対応してくれてありがたかった。

まん中あたりと右側の簡単なところを、素手で各1本ずつ。最後に、また真ん中を手袋付けて1本。15時半には皆帰ってしまい、岩場を独り占め。広沢寺は簡単だったので(アイゼンの爪に合わせて、跡がついている!)ソロエイドでも十分リードできる。ふくらはぎのトレーニングにはとてもいい所だ。

トレーニングばかりではつまらないので、そろそろ山に行くか・・・




ソロクライミング

2009-01-24 23:57:07 | クライミング
2週連続でモミソ沢。本当は八ヶ岳とかに行きたいのだけれど、ご他聞にもれず不景気なので、あまり出費したくない。そんな時いちばんトレーニングになるのがモミソなのだ。

モミソ沢の中間あたりにある、5mほどの傾斜の強い滝。短いが大抵はロープを出すと思う。先週は左岸から巻いた。今回はソロエイドを持ってきているので、一人でリードする。

この滝は下部3mの階段状と上部5mほどの2段になっている。上部でロープを出したのだが、スタートの1ヶ所のみハーケンがあるだけ。打ち足すのも面倒なので、そのまま行くことにする。しかし、高さがないため前進するにはグランドフォールする長さのロープを出さなければならない。ロープを繰り出したとたん、急に恐怖感がわいてくる。ロープを付けても全く意味がない。フリーソロと全く同じなのだ。

簡単なのだ。行けば間違いなく行けるのだ。なのに一歩が踏み出せない。ここで落ちたら一晩ツエルトにくるまって、ブルブル震えながら救助を待たなければいけない。そんなこんなを考え始めると、一歩が出なくなるのだ。あー情けない。情けないと思う一方、「お前は登れるはずだろ。ほら、早く行けっ!このボケっ!」と言う、もう一人の自分がいる。自分は臆病なので、無茶はしない。冷静に考えて、自分をコントロールして、先へ進む。進めるんだ。と言い聞かせ、思い切って踏み出す。踏み出した後は、何事もなかったように、どんどん登れるのだ。やっぱり本チャン系のクライミングは精神面が大きく影響するもんだなぁと、あらためて思う。

大棚もリードしようとしたが、アンカーがない!あったと思っていたが、いくら探してもない。ジャンピングも持ってないし、持っててもそこまでする気もない。仕方なく、またトップロープを張る。またあっさり登れた。右足の細かいスタンスがあるのだ。去年はそれが見つけられなかったようだ。このスタンスを使えば、フリーソロでもいけそうな気がする。ここは本当にこの一歩だけなのだ。これはまた次回の課題として残しておこう。

塔の頂上で16:20。行者岳付近で暗くなり始める。先週積もった雪が凍ってすべる。一般道とはいえ、夕闇の凍結道。結構緊張して疲れた。新茅の駐車場に戻ったのが、18:40頃。やっぱりこのコースは充実感がある。個人的にはとても好きな、いいトレーニングルートだ。こういうトレーニングに付き合ってくれる人が、早く入会してくれないかなぁ・・・





モミソ沢・アイゼントレ

2009-01-11 23:12:19 | クライミング

会のみんなは初級の雪山やバリエーションに出かけていて、地味なアイゼントレに付き合ってくれる奇特な人はいない。仕方なく単独。今回はアイゼントレというより、ドライツーリングの練習として入渓した。

慣れないせいもあって、手袋登攀よりも疲れた。アイゼンと同じで、一度引っ掛けてからはあまりバイルの角度を変えないように、バランスで登るのが良さそうだ。難しかったが、おかげで大棚以外は手袋をはずさずに遡行できた。

大棚は一度右岸から巻いてトップロープを張る。ソロデバイスがないので、ATCガイドで代用。リードの時、落ち口直下では右側へ逃げたが、今回はあっさり登れた。トップロープだからということもあるが、普通のトップロープと違って自分でたくし上げるまでは墜落距離は長い。それなりに緊張感はあったが、でもあっさり登れた。いつもは気づかなかったスタンスでも見つけたのだろうか。復習すると次来た時に楽しめなくなるのと、時間の関係もあって、1回登って終了。いつも同じではつまらないので、稜線に出る前は、かなり手前から右岸を目指す。それだけでも新鮮な感じがした。

塔の頂上の積雪は10~20cmほど。表尾根もずっと雪化粧していて、期待していた以上に雪山気分を楽しめた。写真は新大日の休憩場所にあった、誰かが作った雪だるま。夕暮れの雪山を歩けるのも丹沢ならではだ。烏尾手前で暗くなり始める。小屋の前は気づかれないように、そーっと通り過ぎようと思ったが、しまり始めた雪がザクザクと大きな音を立ててしまう。開き直って通り過ぎたが、寒いためか、今回はお咎めはなかった。ふぅ~。

前回単独の時は、暗闇の中を鹿達が「キューキュー!」と騒いでいたが、今回は全く啼かない。ガサガサ逃げていく音はするが、あまり驚いていない様子。そういう自分も何故か落ち着いている。この数ヶ月、一人で山に入ることが多くなり、それと共に少しだけ山に慣れたような気がする。休憩する時はヘッデンを消して、あたりが真っ暗になっても、怖さとかがないのだ。怖い山と怖くない山の区別が付いて来たというか・・・・まぁ、んなこたぁどうでもいいや。





涸沢岳西尾根 -2-

2009-01-06 20:30:01 | 登山
涸沢岳ピストンとはいえ、ベースが1770m。涸沢岳は3110m。標高差1340mあり、どこでラッセル地獄になるか分からない事を考えると、朝は早く出る事に越したことはない。1時半起床で、3時出発とする。

「2時半過ぎてるよ!」というメンバーの声で目が覚めた。ここで白状するが、携帯の目覚ましの設定を間違っていたようだ。まあいいさ。予定より1時間遅れ。望むところだ。急いでシュラフをたたみ、食事に取り掛かる。

出発は4時。しっかりトレースがあるので、どんどんと標高を稼ぐ。トレースさえあれば楽チンなので、6時半には2400mの幕営地点に着いてしまった。テントが4張りほど。みなのんびりと出発の準備をしている。この時間に出発していないという事は、全パーティー奥穂断念ということだろうか。結局ここからラッセルとなる。急斜面で腰上のラッセルはなかなか進まない。それでも尾根の取付付近よりはましで、40分ほどで100m以上は進めたと思う。トレースを歩く後続はあっという間に追いつき、ここから8人で交代しながら進む。

ジャンクション手前の急斜面を前爪を利かせて登り、登りきった少し傾斜の緩んだ場所で登攀具を付ける。たしかにここの下りは、ちょっとでも天候が悪くなれば、そのまま下ってしまいそう。他のパーティーは赤旗をさしていたが、天気が崩れる心配がなかったのとGPSがあるので、我々パーティーはそのまま進んだ。蒲田富士手前の急斜面はフィックスがあるが、半分ほど埋没している。雪の状態もよく、アイゼンもしっかり利くので、問題なし。F沢からのルンゼの登りも同様で、涸沢岳頂上まで特に問題もなく到着した。

頂上手前から予報と違って曇りだし、風も吹き始める。寒いので頂上での休憩は10分ほどで切り上げ、すぐに下山開始。曇ってくれたのと冷たい風のおかげで、雪がグズらずに楽に降りられた。朝から天気が良かったので、雪がゆるんだら下りは怖いだろうなぁと思っていたから助かる。ある意味、最高のコンディションだったのではないだろうか。冬山は天気次第なので、これが涸沢岳西尾根だと思ったら、次は痛い思いをするだろう。とはいえ、1度でも歩いておけば様子が分かるので、ベースが下だったにも関わらず山頂を往復出来たのはうれしい。

この日の前後は天候が悪く、特に前日は西穂の女性滑落(太腿にピッケル貫通!)や、抜戸岳の雪崩(2人行方不明)など、遭難が相次いだ。入山の際に新聞記者にされた質問が耳に残る。「こういう事故が起きたのに、それでも山に登るのは何故ですか?」。質問は覚えているが、てきとーに答えたので、なんて言ったか忘れた。亡くなられた方々の御冥福を祈ります。