富士山-②

2006-05-09 10:08:28 | 登山
スヌーズ3回目の3時10分に起床。風もほとんどなく、テントの中としては結構眠れた。

すぐに朝食の支度を始める。この日の朝食はビビンバご飯に石狩風味噌汁。すべてお湯を入れるだけなので、とても簡単。こういうのがなかった頃は大変だったんだろうなぁ。

4時半過ぎに出発。あたりはもう明るくなり始めている。佐藤小屋のすぐ上からアイゼンを着けた。暖かい季節になり日中はグズグズの雪で結構融けたりしているが、早朝は融けた雪がカチカチに凍って意外と危ない。

写真を撮りながらのんびり歩いていると、単独者と二人組みの計3人に抜かれた。まあ先は長い。のんびり行こう。雲海がとてもきれい。夜景が見られなかったが、このきれいな景色で帳消しだ。

登山道はすっかり雪に埋まってしまっている。傾斜がゆるいうちはどんどん直上し高度を稼いでおきたい。今日も体調はバッチリだ。今回「食べる酸素」というサプリメントを初めて試してみた。調子がいいのはこれのおかげもあるのだろうか?私を抜かしてからずっと上を歩いていた3人を快調なペースで抜き返した。15・6年前の夏に登った時は9合目くらいがとてもきつく感じたはずだったが、今回は特に苦しさも感じずあっさり頂上到着。佐藤小屋から4時間半。この日の調子なら4時間を切ることも可能と思われた。

お鉢巡りの予定はなかったが、早く登頂したので時間がたっぷりある。せっかくだから日本の最高地点を踏んでくることにした。とにかく風もおだやかで最高の天気だ。

剣ヶ峰で写真を撮って下ろうとすると、ちょっといやらしいトラバース個所を発見。雪の状態が悪い時は少し戻って火口側(内側)を回った方が安全らしいが、せっかくのおいしいところを巻いてしまってはもったいない。斜面に正対してトラバース開始。表面はカリカリの氷で、中はしまった雪。表面の氷が剥がれればあの世へ行ってしまうので、研ぎなおしたアイゼンの前爪をガシガシと蹴り込み、しっかりとスタンスを作る。5mほどのトラバースだったけど、高度3770mでは心地よい緊張感を味わえた。

吉田口の鳥居に戻り軽く行動食を摂る。そんなに気温も低くないだろうと思ってバナナを持ってきていた。袋から出すと、な、なんと破裂している!これほどまでに平地と気圧の差があるのかっ!! いえ、そうではありません。途中ザックを座布団代わりにして休憩をとっていたので、ケツ圧でつぶれたようだ。気持ち悪かったが、仕方なく食べた。もぐもぐジュルジュル・・・

さて下山だ。富士山は下山が一番危ない。気をつけて下ろう。