日々茫然

猫・本・アート・日常生活などを、つれづれと思いつくままに記録

9月に読んだ本(後半)

2013-10-01 | 本と漫画の話

続きです。


球場ラヴァーズ~私を野球につれてって~ 1 (ヤングキングコミックス)球場ラヴァーズ~私を野球につれてって~ 1 (ヤングキングコミックス)
★4 新シリーズ♪《野球が原因で親が離婚した日南子は野球嫌い。なのに球場でバイトをしているのは、手に星形の傷がある男の子を探すためで…》
前シリーズの主人公・実央もバイト仲間として登場、お馴染みのメンバーも顔を出すので嬉しい。人探しが目的なのが実央と被ってるのは芸がない気がするけど(^^;) バイト仲間の実央とミッキーがカープファンで、尋ね人も前田ファンだったことから、少しずつ野球の事を理解していく日南子。カープファンになるのも時間の問題?(笑) タクローさんの引退試合の話には痺れた!
読了日:9月11日 著者:石田敦子

えっ?これって方言なの!?~マンガで気づく日本人でも知らない日本語~えっ?これって方言なの!?~マンガで気づく日本人でも知らない日本語~
★3.5 全国から学生が集まる大学。県外に初めて出たのが大学の時、という人は多いと思う。そして「これって方言だったの!?」とカルチャーショックを受ける。私もそう。友人の話す知らない方言が新鮮だったり。この本では、大学を舞台にこうした場面を漫画にしている。ゼミの友達として登場する、北海道、青森、栃木、愛知、大阪、広島、福岡、沖縄が中心で、それ以外の県は出番が少ない。私は広島だけど、それでも物足りなさを感じた。そんな感じなので、それなりに面白いけど内容的には浅い。もうちょっとボリュームが欲しかった。
読了日:9月14日 著者:

おさんぽ美術館 ぶらりとめぐる アート・雑貨・カフェ (MOE BOOKS)おさんぽ美術館 ぶらりとめぐる アート・雑貨・カフェ (MOE BOOKS)
★3 美術館好きなので読んでみた。全国の美術館巡りかなと思ってたら、ほとんど関東近辺だった。地方も少しあり。美術館のセレクトは、展示内容より雰囲気重視っぽい。むしろ美術館周辺のお店やカフェが見どころ。ガーリーでナチュラル系女子が好きそうなセレクトショップなどが多くて、ちょっと自分の趣味とはずれていたので、あまり身近じゃなかった。でも絵本を扱うお店がよく登場してて、そこは興味を引かれた。イラストはカラフルですごく綺麗なので、眺めて楽しんだ感じ。
読了日:9月14日 著者:杉浦さやか

ムッシュ・ムニエルをごしょうかいしますムッシュ・ムニエルをごしょうかいします
★3.5 《ヤギの魔術師ムッシュ・ムニエルは、弟子を求めてある街へ。一人の少年に目を付けますが…》
佐々木マキさんの絵本で、子供の頃に読んでなかったもの。話はシュールに、でも淡々とした感じで進む。独特のユニークな世界観が佐々木さんらしくて面白かった。他のムッシュ・ムニエルシリーズも読んでみよう。
読了日:9月14日 著者:佐々木マキ

しにがみと木の実しにがみと木の実
★3.5 スコットランドの伝承を元にした絵本。
《母親と二人暮らしの少年ジャック。ある日母親が病気で寝込んでしまう。浜辺を歩いていると向こうから死神がやってきて…》
母親を連れに来た死神を、木の実に閉じ込めて海に投げ捨てたジャック。さて何が起こったか…。死は自然の摂理であり、この世から死がなくなるということはどういうことか、子供でも分かるように描いている。そうは言っても、ジャック物分かり良すぎ。民話だから教訓的な側面が強いのかも。
【ネタバレ感想】誰も死なないなら、飢え死にもしないんだから、困らないよね…。
読了日:9月14日 著者:エリックマッダーン

ぽち袋おたのしみ帖ぽち袋おたのしみ帖
★3.5 最近和雑貨屋さんなどでよく見かけるぽち袋。可愛いのやユニークなのや、本当に素敵な絵柄のものがたくさんあるけど、「使う機会がないからなぁ」と結局買わずに我慢してて、残念に思っていたので、何か他にいい使い道のアイデアがあれば、と思って借りてみた。様々なぽち袋の見本帳、といった感じで、使い道については「小物を入れてみる」みたいなことが少し提案されているだけだったので、目的とは違ってた。でも面白いぽち袋がたくさんあって、眺めるには楽しかった。欲しい気持ちだけ膨らんでしまった(^^;) 
十二支のページで、「向かい干支」の物を持つと縁起がいい、とあったので、今度から意識してみようかな。
読了日:9月14日 著者:アスペクト

死神 (ホラーセレクション (4))死神 (ホラーセレクション (4))
★3.5 死神がテーマのアンソロジー。児童書なので怖さはあまりないけど、セレクトが面白かった。

【死神/六代目三遊亭圓生】 落語。文章で読むと枕の部分とか話の転換とか、話のテンポが掴みにくかったかな。オチの辺りは雰囲気が出て良かった。
【死神の名付け親/グリム兄弟】 前の落語の元ネタになった話。これを読むと、落語の脚色がよくできてるのが分かる。
【ビーンズ・キャンプ/佐田沙江美】 漫画。絵柄が少女漫画で油断したら、皮肉な結末で意外と面白かった。
【神さまと死神さま/ダイアン・ウォルクスタイン採話】 民話。グリムと似た他愛ない話。庶民から見た神と死神の対比も同じ。
【ニューメキシコの月/恩田陸】 海外の紛争地域などで医療活動に尽力していた人望厚い医師が、無差別殺人をしたのはなぜか。軽めの話が続いた中で、構成のしっかりした重めの渋い話で引き締まった。
【大鎌/レイ・ブラッドベリ】 貧しい一家が偶然手に入れた農家。残されていた大鎌、刈り取った端から新しい麦が生えてくる不思議な麦畑。最後に凄いのがきた!鬼気迫る描写で惹きつけられた。ブラッドベリ読んでみようかな。
読了日:9月16日 著者:恩田陸,依田沙江美,赤木かん子

ひとりごと絵本ひとりごと絵本
★4 他愛ない日常の一コマとか思いつきを、ゆる〜い絵とともにポツリポツリとつぶやいている。なんとなく自由律俳句みたいで、フッと笑ったり「あるある」と頷いたり、じわじわ来る感じが面白かった。本の作りも凝っていて飽きない。途中でページの色が変わったり、小さなページが挟まっていたり、カラーやシルバーが効果的に使われていたり、よく見ると綴じ糸もカラフル。猫ネタがちょくちょく出て来るのも嬉しかった。

気に入った言葉 ↓
◆近所をすこし薄着で歩き、なんとなく春の試しをしました。◆迷路をする時、みんな テンテーン テケテケ テンテン テケテケ という歌を歌いながらやっていた。◆ねこのお腹に顔をうずめて 思い切りねこ酸素を吸い込みました。ねこダイバーです。◆猫の頭突きで気持ちよく起きれました。◆昨日買ったミスタードーナツがびしょびしょになっていた。◆石けんを使い切った体験がない。小さくなった石けんは自ら姿を消すという。◆ウーフ・クマノコというバンドを結成する夢をみた。◆今日は仕事を頑張るとニャンモナイトに誓います。
読了日:9月20日 著者:100%ORANGE

東京スカイツリーを撮影している人を撮影した本東京スカイツリーを撮影している人を撮影した本
★3 うーん、もう少し面白いかなと思ったんだけど、期待値を上げ過ぎてしまった。アクロバティックなポーズとか笑っちゃうような瞬間を捉えてるのかと思ってたけど、しゃがむか寝転ぶか反り返るか、似たようなパターンで飽きちゃった。地べたに寝転ぶのはどうかと思うし、ベンチなどに土足で乗ってる人など、マナーも気になった。インタビューページでは無関係な質問をしたりしてスベってるし、合間のネタ系のページも微妙だし、なのに撮影者への聞き取りなどは比較的真面目。方向性がブレて中途半端な感じ。目の付け所は面白いだけに残念。
読了日:9月23日 著者:太田友嗣

菩提樹荘の殺人菩提樹荘の殺人
★4 安定感ある短編4本。『アポロンの〜』が特に良かった。青年火村を描いた『青の時代』も嬉しい。

◆『アポロンのナイフ』東京で起きた連続通り魔殺傷事件。容疑者は少年で、逮捕目前に行方を眩ませた。その後大阪で似た手口の殺人事件が起き…。 *少年犯罪の捜査や報道に関する問題点を突いた作品。未成年加害者も今はすぐにネット上に晒される。「未成年だからって許さない」が大勢を占めるようになっているのかもしれない。
◆『雛人形を笑え』漫才コンビ「雛人形」のメビナが殺された。相方のオビナは1年半前に相方を替え、現在のメビナは2代目。メビナも以前は別のコンビを組んでおり、現在のコンビ結成には多少の禍根があるようで…。 *小品的な感じ。火村とアリスのやり取りが一番漫才になってる所が面白かった。
◆『探偵、青の時代』偶然再会した大学時代の同級生から、当時火村が探偵としての片鱗を見せた出来事が語られる。 *若き日の火村、この本一番の見どころ。サラリと真相を指摘する冷徹さと対照的なラストが微笑ましい。
◆『菩提樹荘の殺人』芸能人の桜沢が芦屋の別宅の庭で殺された。年齢のわりに若々しく優男の桜沢の周りには女性が絶えず、事件当時も二人の影が…。 *重厚感あるタイトルと裏腹に軽薄な男の末路。例の隠し場所とそこから導かれる真相は、ユニークだけどちょっと強引だったかな。
読了日:9月29日 著者:有栖川有栖

3月のライオン 9 (ジェッツコミックス)3月のライオン 9 (ジェッツコミックス)
★4 重い話題が少なめでホッとした。やりたいことを見つけて前へ進むひなちゃん、「疫病神」と呼ばれる滑川七段、宗谷に挑み続ける「努力の人」土橋九段。今まで桐山君と川本家の方に目が向きがちだったけど、次々登場する個性的な棋士達のエピソードも楽しめるようになってきた。 個人的にお気に入りだった野口先輩、いよいよお別れか…。これからもOBとしてちょくちょく顔出してくれないかな(笑)。
読了日:9月30日 著者:羽海野チカ

乙幡脳大博覧会乙幡脳大博覧会 
★4 いきなりの犬神家ネタのインパクトに、すっかりハートを掴まれた! くだらない思いつきを具現化してしまうバイタリティ、器用さ、根気強さ、完成度の高さ、素晴らしい。こういう発想と、それを実行しちゃう「全力でおバカな事をやる」精神は、「少年の心をそのままに大人になった男」の専売特許だと思ってたんだけど、女性だというのがまた。 特に犬神家氷、邪鬼ヒール、リュウグウノツカイ・マフラーが好き。何かヴィレッジ・ヴァンガードで扱ってそうな完成度(笑)。あと緩衝材ジオラマは、あまりのそれっぽさに感動した!
読了日:9月30日 著者:乙幡啓子


読書メーター


 何も考えずに笑えるのが『乙幡脳大博覧会』。工作系好きな人には特にオススメ。
 後から思えばなかなか良かった気がする『死神(ホラーセレクション)』。ブラッドベリが良かったなぁ。他の短編を読んでみたいけど、意外と図書館に良さげな蔵書がないという…。

コメント
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