渓流で逢いましょう 
フライフィッシングつれづれ日記
 



おい、そこの毛鉤釣師
俺を釣ったお前に言ってるんだ

水の中からでも、ちゃんと聞こえているんだよ、あんたたちの声はね
あーでもない、こーでもないとか講釈たれているけどさ
結局は俺たちがいなきゃ、アンタらの遊びは成り立たないんでしょ?

どうなの??感謝してるわけ??
俺たちにさ
敬意払ってる??

道具がどうの、毛鉤がどうの、テクニックがどうだらと勝手に言ってるけどさ
あんたたち知らないかもしれないけど
俺たちは釣られてあげてんの   ワザトだよ ワザト
なんでかって??
だってさ、たまには釣られてやらないと あんたたち川を簡単に見捨てるだろ?

あんたら釣り人すら通わなくなった川にはさ
他の人間たちが、勝手な都合で大きな機械を乗り入れて、大切な岸も 俺たちの寝床の岩も
みんな壊して固めて 超えられない高い壁まで作って 餌も取れない、子供も残せない
ただの水路にしちゃうだろ??

俺たちの仲間みんな死んじゃうんだよ、そんな牢獄のような場所じゃ生きていけないんだ

たまには釣られてやるからさ
俺たちが生き残るためにはソレしかないと、みんなで話し合ったんだ

だから、あんた達が楽しむためにでもいいから
せめてあんたら釣り人が俺たちに生きる場所を残す手立てを考えてくれよ
あいつらを止めてくれよ  同じ人間なんだろう??
言葉も通じるんだろう??

そのために俺たちは痛いのも我慢して、死ぬことさえ覚悟して
アンタが巻いた不恰好な毛鉤に目をつぶってくいついてんだ
偽物だなんて百も承知でさ

『俺たちはここにいるぞ』
『ここで生きてるんだ』 って あんたたちに伝えてるんだ

分かるだろ?
ほら 釣られた後の俺たちの目 よく見てみろよ
魚の言葉は分からなくても 伝わるだろ?
















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