無知の涙

おじさんの独り言

せめて人間らしく(つづき)

2008年03月22日 | 思い出

*今回もお下劣な内容なので、
どうぞ読み飛ばして下さい。

あらすじ
「ウンコの味がする!」と言い放った柿沼。
おいおい!

僕たちはウンコ臭のする方角に、
一つの建物を見つけました。

集会所

そこにウンコ大魔王が!?
なんか変な煙を発したりしてるし、
ぶっちぎりで怪しい。

僕たちは忍び足で集会所へ。

しかし、いざ場所を突き止めると、
けっこう尻込みするものである。

っつーかウンコ大魔王なんて、
どうやって戦えば良いのだ?

絶対に投げつけるよね?
そーいったモノを。

こちとらカラーバット1本。

とにかく姿だけ確認して、
後は大人に任せようか、という結論に。

ウンコ大魔王なんて、死んでも関わり合いたくない。

そして僕たちは集会所へ接近。
もーホントに臭い。頭痛が痛くなるほど。

そして近付くほどに不可解なコトが。
何やら中から大人たちの笑い声が聞こえてくるのです。
けっこう大人数。

窓が開いてるのですが、位置が高い。

仕方ないので柿沼に肩車してもらい、なんとか覗く。
中には大人7~8人が円になってます。
そして何かを焼いてます
間違いなく、焼いてるモノが問題のモノ

そして事もあろうか、
焼いたモノを食べてる感じ。

ひいいい。

そして最悪の事態が。

その集団にうちの親父発見

焼きウンコパーティーINうちの親父。

ハンマーでガツーンと殴られたような衝撃が。

僕は力無く柿沼の肩から降りました。

「どうだった?」と柿沼。

どうもこうもあるか。

「なんかパーティーみたいな雰囲気だよ」と僕。
うちの親父がいたなんて死んでも言えない。

ウンコ大魔王がパーティーしてんの?見たい!」
と余計なコトを言い出す柿沼。

まぁ、でも、そーなるよな、
大魔王ありきの話だもんな。失敗した。

「いや見ない方がいいよ!すごいもん」と僕。
「それより親に知らせよう!柿も一緒にオレんち行こう!」
その親がウンコ仲間なのだから憂鬱もいいところ。

「オレここで見張ってるよ!」とこんな時だけ気がつく柿沼。

「バカッ!」と僕は言いました。
アホ!ボケ!親父が出てきたらどーすんだ。
「大魔王に見つかったら、ウンコ漬けにされて食われるぞ!
もーメチャクチャである。

「コエー!」柿沼ブルった。

そうしてダッシュで僕の家へ。

柿沼は下に待たせて僕は家の中へ。
母親はコタツに入って、ゴルフを見てます。
ノンキなものである。そのノンキさが僕の心に翳りを作ります。
だが、僕に迷いはありません

「お父がウンコ食ってた!」

「は?」驚く母。無理はない。

「ウンコ臭くて、集会所行ったら、みんなウンコ」
僕ももう動揺してシドロモドロです。

しかしここで母の爆笑
いや、なんか面白いけど、これは本当の話なんだ!
笑ってないで、きちんと聞いて!

ひとしきり笑い終わると、母親は言いました。
「馬鹿ねぇ、それはクサヤよ」

は?

どうやらマンション付き合いしてる一人が、
大量にクサヤを入手してしまったので
近所にオスソワ分けしたとか。
しかし、もらったはいいが、皆マンション住まいなので、
とても部屋の中で焼くワケにもいかず
集会場を借り切って盛大にクサヤパーティ
洒落こんでいたらしい。

あの時の安堵感は忘れられません。
下で待ってた柿沼くんは1時間くらい忘れてましたけど。

めでたしめでたし。


無題

2008年03月22日 | Weblog
慌てなくたって
いつか僕は消えてしまうけど
そうやって何度も逃げだすから 何も無いんだよ

オーディオコンポから流れる曲に耳を傾け、僕はふと窓の外を見る。
ぼんやりした空気の中で、一際浮きだつピンク色の花ビラ。

春。

彼女が僕の部屋に住まうようになって早くも三ヶ月が経つ。

お陰でたくさんの映画を見ることになった。
くだらないものから、良く出来たものまで、映画館には実に多種多様な物語が用意されているのだ。
まるで僕自身の退屈な人生を埋め合わせするかのように。

その日も最後のレイトショーを見終わり、映画館を後にした。

僕がこのような行動を取る事によって、少なからず彼女を傷つけているのかもしれない。
それともホッとしているのだろうか。

真相は分からないが、これが僕の彼女に対しての精一杯の配慮であり、またメッセージでもあったのだ。


伝達。
言葉で会話する事は間違いなく伝達行為である。
我々は意思伝達をする事により、高度な文明を築いてきたのだ。
好む、好まずに関わらず。

しかし僕らは本当の事を伝えようとはしない。

春らしくない冷めた風が僕の体を通り抜けて、ビルの間に吸い込まれてゆく。

辺りに光は無く、人影もない。
ふと昔読んだツルゲーネフの小説を思いだしたが、肝心の題名が思い出せない。

題名を思い出している間に家に辿り着き、僕は薄暗い階段を上がってゆく。