無知の涙

おじさんの独り言

やや北の国から2

2010年03月31日 | 軽井沢メモリー
雪道をノーマルタイヤの軽トラで駆け抜ける。

サラッサラな雪のおかげか、確かにスリップ的な危険はない。


問題は山登り。

目的地の山へ辿り着く。

僕らが木を倒す場所までは、ふもと歩くと30分は掛かってしまう。


出来るだけの距離を車で稼ぎたいところだが、なにせ山だから勾配がキツイ。

さらにその坂が凍結してるのだ。

そしていきなり40度あろうかという傾斜に差し掛かる。

アクセルを踏み込み、勢いよく傾斜の途中まで駆け上がったのはいいが、やはり登りきれない。


やばいこのまま下がったら、スリップしてしまい、変なトコに突っ込む。

所長も必死にアクセルを踏むが、タイヤが完全に空回りしてる。

ん?

僕「所長!これ四駆になってますか!?」

この車が四輪駆動と二輪駆動を切り替えられることを思い出した。

所長「あっそうか!どれだ!これだ!」

ボタンを押す所長。

カッチカッチ


それハザード!


4WDと書かれた分かりやすいボタンがあったので、勢いよく押す。

すると、途端に力強く駆けあがり、一気に坂を脱出。

危なーい。


だが危険は続く。

山道なので左側は崖っぷち。降り積もった雪のせいで、どこまでが道で、どこからが崖なのかの境界が分からない。

数回来ただけの僕がこの巧妙に仕掛けられた罠のような危険に気付いてるのに、何度も来てるはずの所長は全く気付いてる様子もなく、むしろいつもより道が広いと思ってません?というくらい左ギリギリを走る。

「ちょっ、所長!左もう道ないですから!もっと右に寄って下さい」たまらず所長に抗議。


所長「そうだよな!こんなに道広くないよな」

い、いやすぎる。
こんな山の中で所長とダイ・ハードしてたまるか。

もういつでも即脱出できるようにドアに手をかけておこう。


そうして、ようやく山の中腹部に差し掛かった。ここを過ぎれば目的地まであと少しなのだが、ここに最後の難関が待ち受けているのである。


つづく

やや北の国から1

2010年03月30日 | 軽井沢メモリー
トンネルを抜けると、
僕の脳みそはゆっくりと
活動を停止しました。

当たり一面の雪・雪・雪。

前日に東京でこんだけ寒いんだから、もしかすると雪が残ってるかなぁ、などと考えていましたが。

残ってるとか残ってないとかの問題じゃなく、今まさに雪まみれ。

それもド雪。


雪&雪。


ホームに積もってる雪の上に降り立つ。

寒っ。
か、帰っていいですか。


そこへ間髪入れず所長から着信。

所長「今どこだ」

いまホームです、と答える。

所長「おぉ、じゃ一緒の新幹線だったんだな」

始発で来てるんだから、同じ電車だった以外の可能性あんのか。


改札を出ると、目の前で手を振る所長。

なんでこの人は軽井沢に来るとこんなに元気なんだ。

もう住めばいいのに。


タクシーに乗って、まず車を借りに行く。以前に延々と敷地の掃除した場所だ。

所長「運転手さん、この雪は昨日降ったんですか?」

運転手「そうです」

所長「明日まで残りますかね?」

いま降ってんだから、そりゃ残るだろ。



運転手「昼間4度くらいまで上がるから、明日には無くなるよ」

4度ってそんなに温かくないだろ。
ちょっ運転手さん適当すぎ。

「まさか雪が降ってるなんてなぁ。なぁ?」と僕に振る所長。

「そうですね。もう4月ですからね。」と無難に合わせる。

所長「バカ!」

えぇっ・・・

所長「必ず最後にお別れの雪というのが振るんだよ。ねぇ、運転手さん」

なんか変なこと言い出した。
運転手に無視されてるし。

そうして目的地へ到着。

早速、管理人さん元へ。

僕らの到着に気付いた管理人さんが部屋から出て来る。

僕は管理人さんに挨拶し、「すごい雪ですねぇ」と笑って言った。

管理人さんも笑って、
「昨日降ってさ、でも(作業を)やるんでしょ?」

まぁ、所長に中止という文字はないので。

そこへタクシー代を払った所長がやってくる。
「軽トラ借りるよ」

管理人「でも今日は車では(山へ)登れないよ」

僕「チェーンも付いてないし」


所長「チェーンないの?」

管理人「チェーンなんか今時つけないよ」


え、そうなんだ。
あぁ、スタッドレスとか言うタイヤか。

所長「まぁ、四駆だから大丈夫だろ」

僕「え?いや、駆動や馬力うんぬんではなく、タイヤが滑るだろうという話です」

いくら四駆だろうと100万馬力だろうと摩擦ゼロの世界では何の意味もない。


所長「大丈夫だ!こんな雪道で事故起こすのは都会の奴だけだよ!」

あなたもそうでしょ。

仕方なくノーマルタイヤの軽へ乗車。


最終目的地である山へ向かうのであった。

雪と濃霧と

2010年03月29日 | 軽井沢メモリー
かつてこれほどまでに暗い気持ちで軽井沢の地に降り立った人がいただろうか。

始発の新幹線が
東京発6時24分。

到着7時34分。


高崎までは晴れていたが、明らかに遥か前方に見える、今まさに僕が向かおうとしてる地域は悪天候ぽい。

霧なんだか雲なんだか分からないが、モヤッていて何も見えない。




そして到着。

真っ白・・・