無知の涙

おじさんの独り言

男の戦い(文化祭外伝後編)

2008年02月14日 | Weblog

カラカラカラ・・・と風呂の引き戸があいたので、僕はそちらの方向を見ました。

すると、全裸のF君が入ってくるじゃありませんか!

そして「一緒に入っていい?」とF君。

ちょっと本気で一瞬パニックになりました。

僕は中学に上がった時から、親戚の男の子とさえ一緒に風呂に入ったりしません

でも旅行なんかでは、一緒に入ります

こういう広い家では、普通のコミュニケーションなのだろうか・・・。

でも、広いとは言っても、風呂自体はそんなに広くはありません

湯船だって1人が限界

僕の目の前で体を洗っているF君を見ました。

別に普通です。

僕が変に意識し過ぎているのだろうか。このまま一定の距離を保っていれば別に何もないハズ。

そう冷静に判断しようとする一方で、

素に近い方では

ホモだホモだホモだホモだホモだホモだホモだホモだホモだホモだホモだホモだ

ホモだ警告。

そして再び冷静な方・・・

いやいや、ここで変に扱ってしまうと、F君を傷つけてしまう

まだ確証はないのだ。

そうこうしていると、

F君が僕の入ってる湯船に入ってきそうになってる

あ~ぶなぁぁぁぁ~い!

もう冷静と情熱の間も何もありません

間一髪で僕は湯船を脱出し

「さ、先に上がるから!」

と言ってサッサと風呂場から逃げてきてしまいました。

F君の部屋に戻ってから、なんとかこの状況を解釈しようとしました。

もちろん謎は新たな謎を呼び摩訶不思議アドベンチャー状態。

つかもうぜ!ドラゴンボール!

ボールを掴もうとか言うな・・・

受験生の如くナーバスになってると、風呂上りのF君が入ってきました

普通にしてくれれば僕の悩みも解決するところなのですが、

風呂に入る前よりも若干ですが、大人しい

すっげー微妙!!!

僕は残ったビールを飲み干して、「じゃ、そろそろ寝ようか」

人の家で指揮りだすほどの混乱ぷり。

F君はベッド、僕は布団を敷いてもらいました。

ちょっとこの距離感にホッと一息。

そして電気を消して横になるも、なんか寝付かれない。

こんなに男のことばかり考えてたらそれこそ禁断の世界だ!

と思い、女の子のことを考えながら、ようやく寝ることができました。

それからちょっとF君とは微妙な感じになりました。

なんかF君の態度がちょっと冷たくなったからです。

それがあの1件とどう関係しているのか、僕には分からないけれど。

そーゆーことがあったことを、当時誰にも言えなかったのが一番ツラかったなぁ。

 


男ごころ(文化祭外伝)

2008年02月14日 | Weblog

ひょんな事から学級委員になってしまった僕

その初舞台は文化祭でした

そして、いよいよ文化祭の前日―

店の外観や内装なんかを作ってる内に、すっかり夜になってしまいました。

岩石女子を筆頭に、手伝ってくれた女の子は先に帰して、男子5人で最後の仕上げをしました。

終わった時には20時

すると、手伝ってくれた友達の一人F君が、

『うちに泊まってけば?』

と申し出てくれました。

けっこう家~学校まで遠かったし、明日も早いので願ってもない話でした。

泊めさせてもらうことにして、F君の家に行きました。

F君の家は屋敷のようにデカい家でした。

途中で買ったビールを飲みながら、F君と話をしていると、風呂が沸いたとのこと。

先に入ってきなよ、とF君が言ってくれたので、お言葉に甘えることに。

屋敷みたいに大きい家なので、迷わないようにF君に付き添ってもらいました。

どこかにご家族がいらっしゃるのでしょうが、あまりに広くて気配が全くありません

キョロキョロしてると風呂場に着きました。F君は部屋に戻っていきました。

けっこう大きい風呂で、明日の文化祭のことを考えながら風呂につかっていました。

お客さんは来るのだろうか、どうやってお客さんを呼び込んだらいいのか、

盛り上がればいいなぁ、とボンヤリ考えていました。


すると、信じられないことが起こりました。


カラカラと引き戸が開いたので、なんだろう?と思って見てみると、


全裸のF君が入って来るじゃありませんか!

つづく

 

予告

全裸のF。一緒に風呂に入ろうとする彼の真意は?学級委員長は苦悩する。どこまでが夢で、どこからが現実なのか―。文化祭前日の微妙なハイテンションの中、交錯する2人の男の物語。

『次回 男の戦い』