茶の葉の声に耳を澄まして    Tea-literacy

数千年にわたる茶と人とのかかわりに思いを馳せ、今、目の前にある茶の声に耳を傾ける
お茶にできること、お茶の可能性とは

月点前

2009年10月09日 | Weblog
茶箱の月という点前は
手数が多くて一服点てるのに長い時間を要します
これは
秋の夜長を楽しむため
月の明かりに映える風情をゆっくり愛でるため
そんな仕掛けなのかと思います

虫の声も草の匂いも風も
昼間のそれとはまた違います
月を見るつもりが
五感がたくさんの発見をしてくれて
飽きを覚えないひとときとなります

月のお点前が確立されたのは
十一代玄々斎精中宗室の時
19世紀の後半です
まだ街灯なんてない時代ですから
秋の夜は
今よりもっとたくさんのメッセージをくれたことでしょう

日本にコペルニクスの地動説が入ってきたのは
吉宗の時代
17世紀後半です
月点前は地動説の時代のお点前ですが
もっともっと前から
人は月夜にお茶を楽しんだでしょう
いったいぜんたい
月の満ち欠けをどう見ていたのでしょうね

今宵は
NASAの月クレーター観測探査衛星『LCROSS(エルクロス)』が
クレーター『Cabeus(カベウス)』にロケットを衝突させました
クレーター内に水の痕跡があるかどうかを調べるためです
その様子は
NASAのHPからリアルタイムで見ることができましたし
YOU TUBE で振り返ることもできます
月、目の前です
すごいです

昔の人は
月が細ることの不思議の向こうに
人の命の不思議を重ねたことでしょう
今は今で
ビッグバンに思いは飛んでいきます
ほんとうに
人はどこから来て
どこへ行くのでしょう