茶の葉の声に耳を澄まして    Tea-literacy

数千年にわたる茶と人とのかかわりに思いを馳せ、今、目の前にある茶の声に耳を傾ける
お茶にできること、お茶の可能性とは

「点茶心指」

2009年10月07日 | Weblog
耐震工事で少しお休みだった学校茶道が再会
とってもうきうきです
みんなの喜ぶ顔が見たくて
うさぎちゃんのかわいい和三盆を用意しました
塩瀬総本店さんのお月見バージョンです

でも
うさぎちゃんよりも
ころころのお月見団子よりも
ひときわ大きい満月が人気
正客さんが干菓子盆に手を伸ばすと
「月はわたし」
「まつたけはだめ」
「まつぼっくりのこしといて」
などなど声がとびかい
懐かしいにぎやかなひととき

ところが今日はそのにぎやかさの後に
凛とした静寂が訪れたのです
胸が熱くなりました
3年生はもうあと数回しかお稽古日がありません
残り少ない時間を惜しむように
丁寧に帛紗をさばく所作は
数ヶ月のブランクを感じさせませんでした
柄杓をきる間合いも美しく
「おかしをどうぞ」も照れずに言えました

茶筅を振っている時
8人の女子高生の唇は余計なことを語りませんでした
のの字を書いて茶筅を置くまで
みんなの息がとまっていたみたい
しょ~~~~
茶室に松風がたちました
「聞こえた?」
静寂を破ってしまったのは私
「いいお茶が点ったわね」
そんなこと言わなくても
本人がいちばんよくわかってます
いい顔してました

帰ってから
柳宗悦の詩を繰ってみました
良き場をいただいていると
本当にうれしくおもいました


「点茶心指」

一フクマイラス

捨テ身ナル聖へ
僧堂ノ行者ヘ
心澄メル比丘尼ヘ
求道ノ居士ヘ
貧シキ道友ヘ
老イタル佳人ヘ
素直ナル若人ヘ
媚ビザル主ヘ
ツマシキ田舎人ヘ