SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

RUBY BRAFF 「BRAFF!」

2008年04月05日 | Trumpet/Cornett

私が中間派のファンであることは以前にも書いた。
ジャズの中でも一番人間くさい音がするから好きなのだ。
巷はやれバップだのスイングだのと騒いでいても、彼らは何食わぬ顔をしてトラディショナルな匂いがプンプンする演奏を続ける。
このひたむきさ、頑固さに胸が熱くなるのである。

私はいつも頭の中を空っぽにしてこのルビー・ブラフが奏でる「純粋な音」を楽しんでいる。
例えば1曲目の「Star Dust」。
夜空に向かって高らかに響き渡る彼のトランペットを聴けば、誰だってジャズは理屈じゃないことがわかる。
私たちはジャズをもっと動物的な本能で聴く必要があるのだ。

このアルバムは1956年6月26日、28日、7月10日の3つの録音をまとめたもので、中間派ジャズを代表する名盤の一枚である。
6月26日のメンバーはデイヴ・マッケンナやスティーブ・ジョーダンらが参加しているが、ベースが入っておらずシンプルな構成だ。「Star Dust」はこの日の演奏である。
続く6月28日のメンバーは打って変わってコールマン・ホーキンスやローレンス・ブラウン、ナット・ピアース、ドン・エリオット、フレディ・グリーンなどによるぶ厚いサウンドになっている。フレディ・グリーンの弾くギターがいいリズムを生み出している。
また7月10日のメンバーは、6月28日の構成からコールマン・ホーキンスが抜けているが、それによってドン・エリオットのヴァイヴがより一層際立っている。

懐かしさと職人たちの心意気と熱い魂を感じてほしい。
そうしたらあなたもジャケットに映っているおばさんのように心から拍手を贈るはずだ。