SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

BENNY GREEN 「Testifyin'! Live at the V.Vanguard」

2007年05月20日 | Piano/keyboard

前回(05年)のワンハンドレットフィンガーズでこのベニー・グリーンのステージを観た。
10人のピアニスト中、ベニー・グリーンが一番明るく人が良さそうな性格に見えた。身体全体でスイングし、聴衆と一体になって楽しもうとする彼のパフォーマンスは多くの人を惹きつける魅力があった。おそらくファンも相当増えたのではないかと思う。
こうした彼の音楽活動に取り組む姿勢は、師ともいえるオスカー・ピーターソンから学んだものだ。
スケールの大きな彼のピアノは、どんなにスピードが上がろうとも揺るぎないテクニックに支えられていたし、彼は常に観客を楽しませるというエンターティナー性も持ち合わせていた。正にオスカー・ピーターソンの後継者といえる人だ。
そんな彼のひたむきさが功を奏し、1993年にはオスカー・ピーターソンの指名でカナダ音楽界で最高の名誉とされるグレン・グールド賞の国際新人賞が贈られた。
このアルバムはそうした出来事の約1年前に行われたヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴを収録したものである。
当時天才ベーシストとして騒がれていたクリスチャン・マクブライドを従えて、生きのいい演奏を聴かせてくれる。しかもラストにはオスカー・ピーターソンのテーマ曲ともいえる「BILLY BOY」を演奏し、師に敬意を表するあたりがいかにもベニー・グリーンらしい。

CDを聴いて彼の演奏が気に入ってくれたなら、ぜひ彼のステージを観る機会をつくってほしい。
彼はステージで本領を発揮する人なのだ。観れば彼の魅力は何倍にも拡がるだろう。