SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

THAD JONES 「THE MAGNIFCENT THAD JONES」

2007年05月18日 | Trumpet/Cornett

「ハトのサド・ジョーンズ」で有名な作品である。
こんな風にアルバムに愛称がつくというのは、それだけ多くの人がジャズ喫茶などでリクエストした人気盤であるという証である。
この他にも「小川のマイルス」とか「猫のマクリーン」、「シマウマのベネット」、「海岸のコニッツ」など、どちらかというと大名盤の陰に隠れた通好みの作品にこうした愛称をつけるケースが多いようだ。
考えてみればジャズアルバムのタイトルの付け方は、案外いい加減だ。
例えばズート・シムズだが、彼の「ズート」という作品はレーベルの違いで何枚も存在する。仕方なく我々はそれを区別するために「アーゴ盤のズート」とか「リバーサイド盤のズート」とかいい分けているのだ。全く迷惑な話だと思う。
それと多いのが曲名をそのままタイトルにしたケースである。そのアルバムの中で最も良くできた演奏や、一番アピール度の高い曲名を、そのままアルバムタイトルとして付けることが多い。当然同じようなタイトルの作品があちこちで生まれることになる。
ライヴの場合は「アット・○○○ホール」とか「○○○ホールの○○○」といった言い回しが定番だ。全くもってひねりがない。
このアルバムの正式名は「ザ・マグニフィセント・サド・ジョーンズ」。正直呆れてものがいえない。ジャケットもいいし、リラックスした演奏にも品がある。我が家の愛聴盤であると同時に、さすが50年代を代表するブルーノート1500番台の作品だ。そう考えるとタイトルだけが返す返すも残念だ。
この当時グラフィックデザイナーはいたが、言葉をデザインするコピーライターは存在しなかった。ここが最大のウィークポイントである。