最初の曲でちょっと肩すかしを食う。
悪い意味ではない。いきなりこんなにリラックスした演奏から始まるとは思わなかったから意外だったのだ。
ジャッキー・マクリーンというと、ちょっと濁った音でドライヴ感たっぷりの突っ込んだ演奏を聴かせるアルト奏者という印象が強い。事実彼が評価されているのはパーカーばりの回転のいいアドリヴにあるのだから、いきなりこんな曲を冒頭に持って来られると「あれ? かけ間違いだったかな?」と一瞬思ってしまうのだ。
これは、そんな彼の一面を見せてくれるプレステッジ時代に発表した初期の傑作である。
ただこのメンバーの演奏全てがいいかというとそれは大いに疑問だ。マル・ウォルドロンのピアノは軽快感に欠けるし、ダグ・ワトキンスに長いソロをとらせていることも少々不満だ。彼は主役の脇でウォーキングベースをただズンズンズン唸らせてくれればそれだけで充分なのだ。ただアート・テイラーの正確なドラミングと、マクリーンの快調なアドリヴは全てのマイナス面を差し引いても余りあることには間違いない。
このアルバムはマクリーンのワンホーンで構成されたカルテット、そこにドナルド・バードが加わったクインテット、さらにハンク・モブレーが加わったセクステットという3つの演奏形態が味わえる。アルバムタイトルもそこからつけられた。要するに「4 5 and 6」とは演奏形態の演奏者数を差しているのだ。
私は4が一番いいと思う。
【しばらく留守にします...】