SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

SERGE CHALOFF 「BLUE SERGE」

2007年02月23日 | Baritone & Soprano Saxophone

バリトンサックスの名手といえば、ペッパー・アダムスやジェリー・マリガン、サヒブ・シハブらと並んでこのサージ・チャロフを忘れるわけにはいかない。このアルバムは正に彼の代表作だ。

バリトンサックスはうまく吹かないとデリカシーがなくなる。とにかく普通に吹くだけでバフゥー、ブゥワ~~とくるのだからたまらない。まるで風圧でこちらまで飛ばされそうな勢いだ。ただこれが彼らの武器で、テナーやアルトではこうはならない。唯一ソニー・ロリンズやデクスター・ゴードンの元気な頃は、テナーでもそれに近い音が出せていた。ただそれはかなり例外的な話である。
サージ・チャロフはそんなバリトンでテナーの良さも出せた男である。

このアルバムがなぜ彼の代表作になったかというと、バックを固めるソニー・クラーク(P)、ルロイ・ヴィネガー(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)の好演にも助けられて、何の気負いもなく自然体で演奏できているからである。
リラックスした雰囲気の中で迫力満点の重低音を聴きたいなら、このアルバムは決してあなたの期待を裏切らないと断言できる。