SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

HELGE LIEN 「TO THE LITTLE RADIO」

2007年02月12日 | Piano/keyboard

ヘルゲ・リエン・トリオは「WHAT ARE YOU DOING THE REST OF YOUR LIFE」でその存在を知った。それ以来、e.s.t.と並ぶ最先端のグループだと感じていた。
で、この「TO THE LITTLE RADIO」も発売されて即、購入。最初の印象は以前よりも毒が抜けたなという程度だった。しかし何回か聴いている内にジワジワと効いてきた。このままだと依存症になりそうだ。それくらいこのアルバムには惚れ込んでいる。

以前のヘルゲ・リエン・トリオは抽象的で、何を表現したいのかがストレートに伝わってこなかったところがあった。ピアノはとても美しく響いているのに、なぜか素直に受け入れられない何かがあったのだ。アルバム全体のバランスが欠けていたのかもしれない。
それに比べこのアルバムは全体を通しても不自然さがない。美しいメロディーを奏でるピアノを、あらゆる手段を駆使して的確にサポートしようとするベースとドラムス。ずいぶん斬新なことをやっているのにそれを感じさせないテクニックは、正にインタープレイの極致だ。
長く歴史に残る名盤になるのではないだろうか。