武道・禅の心で臨床を読み解く(武道、禅、心理療法、ボディワークを学ぶ理学療法士)

21年間の運動指導・700冊の書籍からリハビリ・トレーニングを読み解きます。
良書の書評、稽古・訓練方法、研修報告など

時流を読む(虫の目、鳥の目そして魚の目)

2011年02月18日 | マネジメント・コーチング
皆さん、

虫の目
鳥の目
魚の目

って聞いたことがありますか?

 私の大好きなベストセラー作家・エッセイスト
山崎 拓己氏
の講演DVD(TSUTAYAのビジネスコーナーにあります)にこんな話がありました。

二人の男(AとB)がいました。二人はレンガを積む仕事をしています。

 そこへもう一人別の男が来て二人に質問をします。
「君たちは何をしてるんだい?」
Aは不満そうにこう答えました。
A「レンガを積んでいるのさ」

一方、Bは笑顔でこう答えました。
B「人々のために教会を作っているんだよ。」

その後、Aは不満を抱きつつ死ぬまでレンガ積みの仕事を続けました。
一方、Bは様々な事業で成功を修めていきました。

という例え話です。



 「虫の目」とは目の前の事しか見えていないこと。目の前のことを一所懸命やるという点は素晴らしいが事の本質が見えていないので今やっている事が大切なのかどうか読めません。




 一方、「鳥の目」とは鳥のように高いところから俯瞰して物事を考えることです。
ちなみに「魚の目」とは時流を読む能力のことだとか。



 現状のリハビリ業界を見てみましょう。病院だけで3カ月以上時には半年近くかけてリハビリをした時代は既に昔です。現在の患者さんは一昔前のようにセラピストの言うことを(先生様的に)一方的に聞き入れる世代ではなくなりつつあります(つまり相手の考え(認知や感情)を無視した一昔前のファシリテーションでは成り立たない)。そしてその患者さんの年齢層も後期高齢化しています(日本人の3人に1人が65歳以上に近い将来なります)。そして、医療・介護保険財政も過渡期に差し掛かっています。
 今までと同じではダメなのです。勿論、海外の模倣でもダメです。

虫の目として目の前の患者さんに一所懸命となりつつも、
鳥の目として、その患者さんのライフステージや自分の置かれている社会的立場・地位を見極め、
そして魚の目として、リハビリ・日本そして世界の歴史の変遷を意識し時流に乗ることが大切なのだと思います。

 臨床馬鹿(虫の目)にならず、社会学(歴史・経済・経営など)、心理学そして武道も学ぶようになってから色々な事が見えてきました。そうやって心を静め俯瞰的に眺めたり、時流に乗ることが実は多くの患者さんの幸せに繋がるのだと実感しています。
 以上、臨床馬鹿になりかけていた私から皆さんへのメッセージでした


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