BRING UP

①子どもを育てる。養育する。しつける。②問題などを持ち出す。提起する。

『ここからはじまる』

2018年05月24日 | Weblog
『ここからはじまる』 父と息子のサッカーノート
はらだみずき著  新潮社  平成30年5月1日発行  630円



小学三年生の勇翔の夢はプロサッカー選手。父・拓也は、息子に現実を気づかせるため、無謀と知りながらもJリーグ下部組織のセレクションを受けさせた。それをきっかけに勇翔は「サッカーノート」を書き始める。拓也は子供のスポーツに過熱する親たちの中で、息子との向き合い方を見つめ直していく。スポーツを通して親子二人の成長と、子育てのリアルな悩み、喜びを描いた感動の家族小説! (カバー裏表紙より)

お母さん「話さなかったけど、練習から帰ってきて泣いていたこともあったよ」
お父さん「そうか、そうだよな」「でも、サッカーが好きなんだろうね」「だいじょうぶかな……」「だいじょうぶ、あの子は今までも乗り越えてきたから」 (帯より)

 探し物で北与野の書店に行ったとき、大量に平積みされていた。サッカーボーイズの著者なので迷わず読む。文庫化される前、新刊本として発売されたのは平成二十六年四月。それにしても著者は今の少年サッカーをよく知っている。四年前に書かれたとは驚きだ。著者は少年サッカーの父、経験者らしい。
 もし「少年サッカー保護者講座」があったらテキストにしたい本。サッカー少年少女のお父さん、お母さんには是非読んで欲しい本。

 休日の公園でサッカーボールで遊ぶボウヤとパパ、になれなかった自分を思い出す。(どうしても指導者の目になってしまい、厳しくあたってしまった)
 セツナイ。

「身代わりアスリートって知ってるかい?」
「身代わりアスリートですか?」
「――そう。親やコーチなんかに、自分の果たせなかった夢を託された子供のことだよ。過度の期待を背負わされ、プレッシャーをかけられた子供は、スポーツ本来の喜びを得られずに、そのスポーツから離れていく。……」

 身代わりアスリートという言葉は知らなかった。スポーツに限らず勉強、進学、就職でもあるのではないか。昔の日本社会は世襲という抗うことのできない絶対的なものが存在した。しかし、子どもたちのスポーツにはあってほしくない。あってはならない。

この一文

「子供たちが自分で判断できるように、ピッチの外から指示を出さないでください。試合ではすべて子供に対して、あたたかい応援をお願いします」

 次の日曜日のフットサル大会の掲示板に張り出そうか。


ここからはじまる
はらだ みずき
新潮社


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