BRING UP

①子どもを育てる。養育する。しつける。②問題などを持ち出す。提起する。

『しゃべれども しゃべれども』

2018年05月24日 | Weblog
『しゃべれども しゃべれども』
佐藤多佳子著  新潮社  平成12年6月1日発行  630円

 4月のNHK番組「プロフェッショナル仕事の流儀」運命の1冊、あなたのもとへ~書店店主・岩田徹。
 番組内で紹介された本。読んでみた。



俺は今昔亭三つ葉。三度のメシより落語が好きで、噺家になったはいいが、目下前座よりちょい上の二ッ目。自慢じゃないが、頑固でめっぽう気が短く、女の気持ちにゃとんと疎い。そんな俺に話し方指南を頼む物好きが現れた。でもどいつも困ったもんばかりで……歯切れのいい語り口で、言葉にできないもどかしさと不器用な恋を描き、「本の雑誌が選ぶ年間ベストテン」第一位に輝いた名作。   (カバー裏表紙より)

 対人恐怖症のために仕事をしくじりかけている青年。口下手なために失恋した娘。生意気なためにクラスで苛めにあっている小学生。あがり症のためにマイクの前に座ると無口になる野球解説者。これらの四人が落語を習う。
 「しゃべれども しゃべれども」思いの丈が伝わらない。それ以前にしゃべることがままならない。自分の思いが言葉として出てこない、出せない。

 サッカー少年たちを考えた。日ごろから声を出そうと言い続けてきた。自分の言葉で話そう、と子どもたち同士のミーティングを重視してきた。しゃべることよりも話すこと、言うことができない、ということが多々あった。私自身「しゃべれども しゃべれども」子どもたちに伝わっていないな、ということを感じている。
 しゃべることは自主自律に無関係ではなく、つながっていくのではないだろうか。

 それぞれ誰もが持っている「思いの丈」

  しゃべる=話す。言う。特に、口数多くぺらぺらと話す。
  話す=言葉でつたえて広める。口で述べる。語る。告げる。語り合う。相談する。
  言う=(心に思うことを)言葉に出す。言葉で表現する。

この一文
 
「結局、自分は何をして、何をしなかったのか。何かをしようと思ったこと自体、今になると、ずいぶん不遜な気がした」


しゃべれどもしゃべれども (新潮文庫)
佐藤 多佳子
新潮社


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