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①子どもを育てる。養育する。しつける。②問題などを持ち出す。提起する。

『風の声が聞こえるか サッカーボーイズ U-17』

2018年03月05日 | Weblog
『風の声が聞こえるか サッカーボーイズ U-17』
はらだみずき著  角川書店  2017年10月26日発行  1500円



Bチームのおれらは、今日も応援席で声を張り上げる。だけど――
いつか白線の向こう側、芝生のピッチに立ってやる。

県立青嵐高校サッカー部の武井遼介は、2年に進級してもAチーム入りが叶わず、Bチームでもがいていた。県3部リーグ優勝を目標に戦う中、遼介はチームのエース・上崎響と試合中に口論となり、衝突してしまう。上崎は、サッカーに対して迷いを抱えていた。インターハイでは、スタンドで応援役にまわる遼介らBチームの部員たち。Aチームのために声を嗄らし、練習を重ねた応援歌を熱唱するが、遼介の胸には、このままでは終われない、という気持ちが強くなっていき――。(帯より)


 サッカーボーイズの最新刊。発行されている事を知らなかった。続編のU-18が「小説 野生時代」に連載されているらしい。図書館で探してみたい。


「数年前から、青嵐サッカー部では、コーチが試合の登録メンバーを決めるのではなく、選手たちが話し合って選ぶようになった。」

 この選手によるメンバー決めは我がクラブと同じ。しかし、今年度はあまりうまくいかなかった


「サッカーの試合というのは不思議なもので、対戦相手次第で個人やチームの能力が上昇したり下降したりする。実力とは、力の差がある試合で発揮されるものではなく、高いレベルで拮抗する真剣勝負でこそ覚醒する。」

 昨日の3位決定戦がまさしくそのような試合だったと感じた。毎回集中し競り合った試合を続けていればもう一段上のステージに上がれるのだが、なかなかそうもいかない。昨日のような試合は、昨夏の清水最終戦以来かも知れない。


この一文

 唇の端に力を込め、スタンドに背を向けた遼介は、一歩一歩、新しい自分の居場所へと近づいていった。土とはちがう、やわらかな感触の芝生のピッチを踏みしめながら。


風の声が聞こえるか サッカーボーイズU-17
はらだみずき
KADOKAWA



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