ぶらっとJAPAN

おもに大阪、ときどき京都。
足の向くまま、気の向くまま。プチ放浪の日々。

ちがうねん

2015-09-25 21:02:57 | アート

 

 

ボローニャ国際絵本原画展の話、続きます。

会場には図録やグッズのほかに、絵本が販売されていました。今回の展覧会とは全く関係のないものもけっこう出ていて、その中で目に付いたのがこれ。

関西弁の翻訳って? と思いながら、ほのぼのとした可愛らしさと言葉のテンポに魅かれて、購入も考つつ同じシリーズの別の絵本と交互にぱらぱらめくっていたんです。そしたら、何度目かに突然、終盤の美しい海底描写に隠された意味に気が付いて、息をのんでしまいました。

 

えええええっ!?

 

これって、つまり、そういうことよね・・・。こわすぎる

あああっ、これ以上は言えません。

それにしてもこの翻訳はすばらしいです。関西弁の持つ豊かな肉付きと陽性のリズムが物語の根っこをグッと掴んで引き寄せています。

原題は”This is not my hat”。この”not”が暗示するところを、「ちがうねん」という簡潔な言葉がまた見事に表しているんです。翻訳者は大阪の絵本作家だとか。なるほど~。 

興味ある方はぜひ手に取ってごらんください。

とりあえず私は、衝撃のあまり二の足を踏み、購入にはいたりませんでした。だってこわいんだもん・・・

 

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正午礼拝に行ってみた ~大阪 浪花教会~

2015-09-24 23:51:43 | 大阪

 

御堂筋線・淀屋橋駅から徒歩5分くらい? 高麗橋の「浪花教会」

 通りがかるたびに気になっていました。一体、中はどうなっているんだろうって。

 でも、いつだって扉はぴったり閉じられたまま。そっけない素振りに指を加えて見ているしかなかったのですが、ある時、毎週木曜日に正午礼拝をやっていることに気づいたんです。これはチャンス! とばかりに本日その礼拝に行ってきました。

 

ついに扉の向こう側へ。

  小づくりながらがっちりとした作りの階段をあがると、礼拝堂の入り口に机が設置されていて、受付用紙に名前を書けば、聖書と賛美歌の本を貸し出してくれます。併せて渡されたB6ほどの紙に目を通すと、礼拝は12時15分から30分。賛美歌とお祈りの唱和、聖書の一節を読んだ後、牧師さんの説教と続きます。

 礼拝堂は、ヨーロッパの映画などで観るようないわゆる礼拝堂を想像してもらえば間違いないです。単なる好奇心だけで潜り込んだ不謹慎さに気が引けて、さすがにいきなり写真を撮るようなぶしつけな真似もできず(^^;)。

 表から見える縦長の窓がステンドグラスになっていて、高い天井にカービングが施された机や長椅子は年期の入った木製、そのどっしりした作りと木の優しい手触りにとても心が落ち着きます。1930年竣工と言いますから、築85年くらい? アメリカ人の指導により、竹中工務店が設計・施工したそうで、いい仕事してます、っていう仕上がりです。入り口の真上にはパイプオルガンがあって、あんぐりと口を開けて周りを眺めているうちに、礼拝はこのオルガンの演奏から始まりした。

 本日の説教のタイトルは「輝くともしび」です。要約すると、聖書をともしびとして、人生を前に歩んでいこう、みたいなことです。

 もっと若いころに聞いたなら何も思わなかったかもしれませんが、人生の塩辛さみたいなものがわかる年齢にさしかかってくると、道しるべとなる一冊の本が身近にある心強さ、というのはとてもよく理解できます。その一冊が聖書なのかはわかりませんけれど。

 日本古来の信仰は、あるがままの世界に身を委ねるとか、自然に自分を同化させてその境界をどんどん薄めて土に還っていくようなイメージですが、キリスト教はあくまで人間が中心で、自らを高めて天に昇っていこうとする、とても強い「意志」を感じます。その意志の結晶が、聖書なんでしょうね。物事を腑分けして形ある言葉にし、それをともしびとして進むというのが、とても西洋っぽいと思いました。

 帰って調べてみましたら、この教会はプロテスタント系で、プロテスタントの方というのは特に聖書を大事になさるみたいです。また、浪花教会の前身である浪花公会を設立した澤山保羅(さわやまぽうろ)は、日本で初めて行われた按手礼(牧師になる儀式)を受けた方です。その立会人のなかには同志社大学の創始者・新島襄の名前も見えます。なかなか伝統ある教会のようです。

 キリスト教の詳しいことはわかりませんが、この浪花教会は、独立独歩な空気が好ましかったんですよね。堺の商人的な感じ?(笑)。実際、こちらは当初から海外の援助を受けずに日本独自の教会として発展したそうで、堺の商人、という形容はあながちはずれてないみたいです。

 はじめは賛美歌を歌ったり、聖書を音読したりすることの意図がわからなかったのですが、実際に参加していると、言葉として口から発する行為そのものが大事なのだと納得しました。外に出すことで、言葉はエネルギーに変わるんですよね。教会という空間が助けてるとはいえ、礼拝中にパワーが生まれるのを感じましたし、礼拝が終わって教会の外に出てみたら、あら不思議、気分はすっきりさわやか、雨模様の空もうっすら明るくなっているではないですか!

 クリスチャンではないし、今後どんな宗教に帰依するつもりもないですが、信念を持って言葉を発し、行動すること。それは信仰だのなんだのに関係なく大事だよなあ、がんばろう! と明るい気持ちで教会を後にしたことは間違いありません。

 

 

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阪急夙川駅から大谷記念美術館へ ~兵庫県西宮市~

2015-09-23 19:32:19 | 兵庫

ぶらっと歩けばウサギにあたる。

 昨日のボローニャ国際絵本原画展を観に訪れた大谷記念美術館は、西宮七園と呼ばれる高級住宅街・香櫨園の一角にあります。最寄り駅は阪神香櫨園駅なのですが、阪急夙川駅からでも歩ける距離です。駅前には笹部新太郎氏ゆかりの桜並木で有名な夙川が流れていて、緑と川を楽しみながらのんびりと散策できます。 

夙川オアシスロード。

風情ある公衆トイレ。

 国道を超えたところで、お地蔵さまの一群が目に入りました。やけに数が多いのと、切実な生々しさが印象に残って、もしかしてと調べたら、この辺りは東灘などに次いで、阪神淡路大震災で大きな被害を受けた場所なんですね。阪急夙川駅では線路が崩れて電車が垂れ下がり、多くの建物が倒壊したようです。近くには大学もあるはずなのに、駅前は取り残されたようにぽつり、ぽつりと細長いビルがあるだけで、妙に寂しげだった理由が、これでわかりました。

 震災があったのは1995年。ちょうど20年になります。その時間が長いのか短いのか当事者でない人間には測りかねますが、町のあちこちに、未だその時の痛みが感じられるのは間違いありません。

阪神香櫨園駅を抜けてしばらく住宅街を歩けば、大谷記念美術館に到着です。

ところで家を寄贈した大谷さんってどんな方? と調べてみたら、なんと松竹を作った方でした。はい、寅さんでお馴染みのあの松竹です。しかも歌舞伎座も仕切ってらしたとか。えええっ。そんな方がこんなところに? 東京じゃなくて?

小林一三が経営する東宝のライバルじゃないですか! だから阪急電車から遠いのか!?(笑) 

西宮といい池田といい、地味なふりして(失礼)さらっと凄い人が住んでいます。とはいえ美術館開館が昭和47年で、その後に改修したりして、現在の建物にお屋敷感はありません。 

エントランスロビーをのぞむ。

 展覧会を観たあと、お庭に回ってみました。お行儀がいいって感じです。あちこちにオブジェが置かれているのですが、それよりもやたらに目についたのがウサギ。一家団欒的な銅像の周りにいるわいるわ、少し気味が悪いくらいです。何なんでしょうね。お嬢さんがウサギ好きだったんでしょうか。しかも、かなりのクォリティ。

 うじゃうじゃ。 

ここにもいるよ。うふふ。

かゆいぜ。

結局、緑なんかそっちのけで、ウサギを撮りまくって終わりました。

 

広いしキレイだし、原画展も面白かったし、言うことないんですけど、言うことないのが少しつまらなかったかなぁ。

山っ気と奔放さを感じる小林一三翁(小林氏の旧居・雅俗山荘についてはこちらをご覧ください)に軍配です。

秋ですね。

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イタリアボローニャ国際絵本原画展2015 ~兵庫県西宮市~

2015-09-22 23:35:09 | アート

皆様ご無沙汰しております。

ずいぶんと間が空いてしまいました。

気を緩めると日々ってあっという間に過ぎていきますね。取り紛れてばたばたしたり、若干体調を崩したりして、ごにょごにょごにょ。

何はともあれ、当ブログにお越しくださりありがとうございます。

 さて、シルバーウィーク真っ只中の本日、西宮市の大谷記念美術館で開催中のボローニャ国際絵本原画展に行ってきました。世界各地から応募されるという絵本原画のコンクールの展覧会。噂には聞いていましたが、行くのは初めてです。西宮市の大谷記念美術館で27日まで開催中です。

元どなたかのお屋敷だったみたいで、美術館なのにご覧の通り緑に囲まれています。

エントランスロビーから日本庭園がのぞめます。

 世界24ヵ国76作家が入選を果たしたそうですが、その国はブラジル、メキシコから始まり、ヨーロッパにアジア、イランなど多彩でした。最近の絵本はとてもカラフルで、手法も鉛筆や版画といったベーシックなものからデジタルまでとバラエティーに富んでいます。

鮮やかな色が楽しい展覧会のチケット。

 個人的には、南米の鮮やかな色が気に入りました。日本人の感覚ではありえない組み合わせがあったりするので、インパクトは強いです。子供向けだからか動物がメインのものも多く、デフォルメされた彼らが、作家の想像力で生き生きと動き回る様子はとても楽しいです。お国柄が反映されているのも興味深いですね。中国の作家さんの絵には悠久の時を感じさせる壮大な緑の風景が広がっていたり、漢字が登場したり、ヨーロッパの作家さんのものには白い山々(アルプス?)をバックに物語が繰り広げられたり。台湾の作家さんの作品は、どれも温厚で柔和な人柄を感じさせる絵柄でほのぼのしますし、一方で、イランだったかな、中近東の絵本では普通に銃などの武器が登場したりして、どきりとします。

 イタリアやフランスは立派な彫刻とか油絵とかたくさん見てきたんだろうなっていう歴史を感じるし、エンボス加工の紙の作品などがあって、緻密で伝統的な技術に裏打ちされている感じ。ポルトガルの作家さんは土の匂いを感じさせる素朴な作風が素敵だし、スペインの作家さんは鮮やかな色彩の後ろに得も言われぬ哀感がにじみ出ている(そう、まるでフラメンコみたいです)。

 物語というのは、その土地の風土、文化を背負っているものなんだなと改めて思います。そりゃあ、そうですね。五感を持った生身の人間が肌身で感じたことをベースにして生まれてくるわけですから。でも、根っこの部分にはすごく共感できるものがあって、それが不思議であり、面白いところでもあります。

 日本の作家さんはポップなものも多かったです。デジタルでマンガチックな感じ。クールジャパンはやはり人気のようです。その一方で切り絵があったりして、やっぱり『和』の要素というのは残ってます。

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 数の多さで目を引いたのは韓国の作家さんでした。お国自体にパワーが溢れてるのでしょうか。でも発展と同時に負の要素も抱え込んでいるのか、ちょっと「怒り」の存在を感じてしまいました。もちろんファンタジックなものもあったんですけども。

 それにしても、予想以上にデジタルを使った作品が多かったです。デジタル、デジタルね。実は苦手だったりするのですが、でも、デジタルでも予想外に柔らかい色彩とか微妙なニュアンスが出ているものもあって、ここまで進化したかぁ、とは思いました。とはいえ、本音をいえば、手書きの線や切り絵とか、重力を感じさせるもののほうが好みではあります。

最近の展覧会では定番の記念撮影コーナー。

  再三申し上げているように、絵心など全くないのですが、こういうのを見ていると何かを創りたくなってきます。絵本って癒しのパワーがありますよね。うわーキレイ、とかそういう気持ちがエネルギーに変わるのでしょうか。

 まずは塗り絵から(笑)始めてみようかなと思う今日この頃です。

02

 

 

 

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Traditional English Tea House "Sarah"

2015-09-15 21:44:17 | グルメ

  逸翁美術館に行って以来、テレビドラマが放送されたこともあって、小林一三ゆかりの阪急沿線探訪にハマってます。

 本日は、小林氏が創設した宝塚歌劇団の本拠地・兵庫県宝塚市にある英国風ティーハウス「Sarah」さんのご紹介です。

 外装はもちろんのこと、インテリアから食器、紅茶にハーブティーまでMade in Englandにこだわった英国ファンにはたまらないお店。タイトルも英語で決めてみました(笑)

インテリアをお見せしたいのですが、さすがの人気店でどこ撮っても絶対にお客さんの顔が見切れちゃう(^^;

顔をぼかすのも無粋なので、切り取りショットで失礼します。この日座った窓際席からの景色。

調度品はアンティークだったりするのでしょうか。みてるだけで楽しいです。

本格的アフタヌーンティーセットがあったり、紅茶も大変美味らしいのですが、ハーブティー好きなもので、この日はハーブティーを注文。

ラブリーにキメてみました。

食器はBurleigh社、ハーブティーはLondon Fruit&Herb社のBlackcurrant Bracer Tea。名前を聞いているだけでイギリスに来た気分になりますね はちみつでいただきます。

これがめちゃウマでした!

ブラックカラントってなんでしたっけ。すぐり?

とにかくそのブラックカラントの酸味にはちみつの自然な甘さがベストマッチ ポットなのに、あっという間に飲んでしまいました。

そして、この、サーブされてるお茶や食器、なんと店頭で売っているんです。Made in England なのでお値段はお高めですが、いいな、と思ったら即買って帰れるのが嬉しいですね。

ちなみに、ケーキもたくさん種類があってどれも美味しそうでした。開店~11時までの朝時間には、ボリュームたっぷりの本格的イングリッシュブレックファーストがいただけるそうです。

阪急宝塚駅から徒歩1分。

今度はケーキ&ブレックファーストにトライしたいと思います。もちろん紅茶もいただきます!

 


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