ぶらっと歩けばウサギにあたる。
昨日のボローニャ国際絵本原画展を観に訪れた大谷記念美術館は、西宮七園と呼ばれる高級住宅街・香櫨園の一角にあります。最寄り駅は阪神香櫨園駅なのですが、阪急夙川駅からでも歩ける距離です。駅前には笹部新太郎氏ゆかりの桜並木で有名な夙川が流れていて、緑と川を楽しみながらのんびりと散策できます。
夙川オアシスロード。
風情ある公衆トイレ。
国道を超えたところで、お地蔵さまの一群が目に入りました。やけに数が多いのと、切実な生々しさが印象に残って、もしかしてと調べたら、この辺りは東灘などに次いで、阪神淡路大震災で大きな被害を受けた場所なんですね。阪急夙川駅では線路が崩れて電車が垂れ下がり、多くの建物が倒壊したようです。近くには大学もあるはずなのに、駅前は取り残されたようにぽつり、ぽつりと細長いビルがあるだけで、妙に寂しげだった理由が、これでわかりました。
震災があったのは1995年。ちょうど20年になります。その時間が長いのか短いのか当事者でない人間には測りかねますが、町のあちこちに、未だその時の痛みが感じられるのは間違いありません。
阪神香櫨園駅を抜けてしばらく住宅街を歩けば、大谷記念美術館に到着です。
ところで家を寄贈した大谷さんってどんな方? と調べてみたら、なんと松竹を作った方でした。はい、寅さんでお馴染みのあの松竹です。しかも歌舞伎座も仕切ってらしたとか。えええっ。そんな方がこんなところに? 東京じゃなくて?
小林一三が経営する東宝のライバルじゃないですか! だから阪急電車から遠いのか!?(笑)
西宮といい池田といい、地味なふりして(失礼)さらっと凄い人が住んでいます。とはいえ美術館開館が昭和47年で、その後に改修したりして、現在の建物にお屋敷感はありません。
エントランスロビーをのぞむ。
展覧会を観たあと、お庭に回ってみました。お行儀がいいって感じです。あちこちにオブジェが置かれているのですが、それよりもやたらに目についたのがウサギ。一家団欒的な銅像の周りにいるわいるわ、少し気味が悪いくらいです。何なんでしょうね。お嬢さんがウサギ好きだったんでしょうか。しかも、かなりのクォリティ。
うじゃうじゃ。
ここにもいるよ。うふふ。
かゆいぜ。
結局、緑なんかそっちのけで、ウサギを撮りまくって終わりました。
広いしキレイだし、原画展も面白かったし、言うことないんですけど、言うことないのが少しつまらなかったかなぁ。
山っ気と奔放さを感じる小林一三翁(小林氏の旧居・雅俗山荘についてはこちらをご覧ください)に軍配です。
秋ですね。
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