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ニオイタチツボスミレ・2~芳香

 スミレ科スミレ属の「ニオイタチツボスミレ(匂立坪菫)」。姿形はタチツボスミレに良く似ているが、花弁の紫色が濃いので見ればすぐにわかる。鼻を近づけると仄かな芳香を感じることがあり、私はこの花を見つけると這いつくばって匂いを確認している。しかし、時間や天候、或いは開花後の日数などで、香りが無いことも多い。さて今年は久し振りに良い香りを嗅ぐことができた。
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ゲンゲ・1~開花

 堀之内沖ノ谷戸公園で見られる「ゲンゲ(紫雲英・翹揺)」。マメ科ゲンゲ属の越年草で、蓮の花に見立てて「レンゲソウ(蓮華草)」と呼ばれることが多い。ゲンゲの根には根粒菌が付き、空中から取り込んだ窒素を窒素化合物に変えるため、以前は、稲刈りが終わった田にゲンゲの種を蒔き、田植えの前にそのまま耕して肥料としていた。田んぼ一面が“レンゲ畑”になるのは春の風物詩だったが、化学肥料が使われるようになり、またイネの早植えが行われるようになると、ゲンゲの開花のサイクルと時期的に合わなくなり“レンゲ畑”は急速に消えてしまった。
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ソメイヨシノ・4~富士見台公園

 富士見台公園の一画にある「ソメイヨシノ(染井吉野)」の林。ここの樹は皆10メートル以上の高木になっており、樹齢は40~50年かと思われる。
 先日、読売新聞にソメイヨシノについて興味深い記事があった。内容を要約すると、ソメイヨシノは樹齢約40年で成長が止まり、手入れを怠ると樹齢60年を過ぎる頃から花数が減ったり病原菌に侵される樹が増える。戦後に植樹された各地のソメイヨシノは幹の空洞化などで寿命が近づいており<世代交代>の時期を迎えている。
 その救世主となるのがジンダイアケボノ(神代曙)という品種。これは神代植物公園にあったソメイヨシノ系の桜を接ぎ木した際に偶然誕生したもので、1991年に命名された。ジンダイアケボノの開花期はソメイヨシノより数日だけ早く、花色は少しピンクが濃い。また平均樹高は13メートルでソメイヨシノより5メートルほど低く、都市部など狭い空間でも成長できて、何より“てんぐ巣病”などの病気に強い。今、全国各地で寿命が近づいたソメイヨシノを伐採し、ジンダイアケボノに植え替えているという。ある樹木医によると『ジンダイアケボノには上品な美しさがあり、コンパクトで管理もし易い。令和の時代にはソメイヨシノ同様に日本の桜の定番になる可能性は高い。』としている。
 一方、徹底した管理でソメイヨシノの保護に努める名所もある。青森県の弘前公園では樹齢100年以上の樹が400本を超えている。福岡県の舞鶴公園では衰えた樹の再生に着手し土壌改良や陽当たり改善などで花数が回復したという。これを担当した樹木医は『ソメイヨシノは大きさも色合いも最も優秀な桜。丁寧に手入れをすれば新しい芽もまだまだ出る。』と話している。
 さて、昭和時代に多く植えられたソメイヨシノだが、平成の時代を生き抜き、新しい令和の時代ではどのようになっていくのだろうか。
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