日々ふさおまき

走って跳んで歩いてます。

第20回 全日本マスターズ 混成陸上 10月4日(日)15時30分~第5競技1500M 5'04

2009-10-25 23:54:16 | マスターズ陸上(オス)
円盤を3回全員が投げ終え、計測が始まったのが15時10分。
距離の短い人からはかるので、比較的早めに測定が終わった私。
スタンド下の荷物置き場に中距離用のスパイクを取りに行き、
ちょっと休もうかと腰を下ろしたところ、Sさんが遠くから手真似で
「腰ゼッケンはもらった?」と教えてくれます。
もちろんすっかり忘れていたので、正面入り口近くの受付に行ったところ、
「1500mの腰ゼッケンは、もうスタート地点に運んだので、
現地でもらうように」と言う審判員からの指示。
まあ、こういうスケジュール変更による具体的進行の指示は、
まず正確に伝わらないというのが、3年間マスターズをやっていての経験則。
案の定、現地に着いても腰ゼッケンはどこにもありません。

まあ、しょうがないやとスパイクに履き替えたのはスタート10分前、
M50以上の皆さんが先に走ってくださるので、まあ20分はあるかと
また休みモードに入ります。
正直、今回の5種競技は、これまで4回参加したなかで、最も体が疲労して
います。これはおそらく、全ての競技でトレーニングを積み始めたので、
一種目一種目に注入するエネルギーが増えたのだと思われます。
といいますか、身体感覚で言えば、全身の協調性を発揮できるようになったと
いうことでしょう。最初の頃なら、投擲は腕だけで投げてましたから、
距離は出ない分、体力が温存できました。
でも、今回自己ベストがでたヤリは、飛ぶようになった分、踏ん張るときの
大腿二頭筋、ヤリを引き戻すときの背筋までも使い始めています。
そう言うわけで、1500に使えるエネルギーが残り少ない感じなのです。

とはいえ、M45での一位との得点差がまだ逆転可能なところにいるという
状況であり、出発前に準備していた”今日の標準目標5分15秒”を
”今日の最高目標5分00秒”にまで引き上げておかなければなりません。
トラック一周で言えば、84秒→80秒への変更です。
ただ、そこまでは自分の努力。
競う相手となるS木さん、A川さんのペース配分は全く分かりません。
もし彼らが号砲一発かなりの勢いで先行したら、どう対応しようかなどと
考えつつ、春の東京5種競技で、1500の実力が私の遙か上を行く
KAZさんのあおりに乗った結果、最初68秒で入ってしまい、あとは
88秒まで落ちていった”最初の無理は、結果を引き下げる”自己教訓も思いだし
なかなか落ち着かない心持ちでもありました。

そんなことを、M50以上の方々が走る姿を見ながら考え、
ついに自分たちのレースのお呼びがかかります。
年齢が高い方が内側に並べられるこの競技、外レーンにはM40以下の
筋力みなぎるみなぎるみなさんが体中からエネルギーオーラを放出しています。
少し斜めに弧を描くスタート線に右足を置き、位置についてというコールの
数秒後になるピストル音で前に出ます。そう、短距離に比べてスタート儀式が
省略されているので、いつもワンテンポ出遅れます。
今日も、外レーンから15人の若手がどっと押し被さってきます。
でも、ありがたいことに、私の足は普通に動いてくれています。
周りの人も、中距離専門で別世界スピードの持ち主2人最初の直線から
すでに遠く前に出てしまいますし、私と同じ5分レベルの人は4人のようで
わりにはっきりした2番手グループとなり、それくらいの人数ですと
団子になるわけでもなく、引っかかって倒れたり、無理に自分のペースを
変える必要もありません。
中距離用にリラックスしたフォームを心がけます。
着地は、叩くと言うより滑らす感じ。とにかく抵抗を少なく、リズムを
変えずと頭に描き、心臓の高揚もほどほどというところで1周目に達し、
ジャスト80秒。思わず口元がほころびます。
しかしここからが正念場。
何故かというと、やはり短距離ランナーの筋肉は、
400までは気楽に動くものの、800,1200と増すにつれて、
心肺系はぐっと負担が大きくなり、耐えて力を振り絞っている時に限って、
スピードが大きく落ちるのです。
それを避けるには、いいペースメーカーにくっつくのがいいのですが、
第2集団もばらけ始め、私が後ろにつけていた方も若干スピードが
落ちてきたようです。
ここで前に出るか、くっつくか。
しばらく考えてしまいました。そして考えているうちは相手の後ろ。
そのまま600m付近までいると、心肺が楽になってしまいました。
ああ、しまった、スピードが落ちすぎた・・・・と悟って前をかわします。
すぐに800m、この一周86秒。嗚呼、思った通り落ちました。
まだ半分、このあとどう盛り返すか、力んで行きます。
先行するのは5人になっています。
その中に、M45の方々がいるのかどうか、正直分からなくなって
いました。私の頭の中は、自分の設定したタイムだけでいっぱいです。
5分5分と、秋の虫のように繰り返します。
900mで前を行く一人をかわします。息が苦しそうでしたから、
もう一度抜き返されることは無いでしょう。
前はあと3人。ただ、ずっと前を走る2人は、30歳代の中距離専門家、
4分30秒台を目指すと聞いています。ですので、目指すのは
もう一人の先行者、50mくらいの差でしょうか。(後で知りますが、M40の
優勝者の方でした)この方の背中を目標に、ペースを下げまいと
意志を強めるのですが・・・1200は83秒。若干は上がりましたが、
5分ペースには9秒の遅れがあります。残りは300。
この時点で体がどういう状態かで、何となく結果は見えてきます。
前回の最初飛び出し方レースでは、このあたりで意識は飛んでいました。
力もうにも力めず、ましてやリラックスなどほど遠く、手足バラバラ。
ただ、今日は意識がしっかりしています。あと300と念じると、
何とか筋肉も反応します。着地足が後ろへ流れる前に引き戻すことも
できます。これなら300を60秒以下では走れそうだと目測し、
直線をとばします。一つ先を行くランナーの背中が少しずつ近づきます。
こういうとき、心は前に加速するのです。一歩一歩の力が、
近づく距離となって感じられ、足を回転させる引き上げ大腿二頭筋に
勇気を与えてくれるのです。
コーナーもリズミカルに抜け、直線へはいると、前の方はあと15Mくらいに
見えます。
追いつけるかも・・・甘い気持ちで、追うものの強みを頂いて走ります。
こういう己の力の取り込み方というのは、残像となって強烈に残るのですね。
今書いていても、前の方の黒いランシャツが揺れる様子が脳裏によみがえりますから。

しかし。前の方を追い抜いたのは、ゴールを過ぎてから。
ゴール地点に達したのは0秒6、遅れました。
それでも、最後の300を55秒で走れたのは収穫です。
目標プラス4秒。5分4秒08でのゴール。
M45では一位、全体でも5位ですからまずまずの結果でしょう。

こうして、長い一日の競技が終わりました。
混成5種、何度トライしても面白い。自分の力を発揮する余地が
まだまだありそうです。一方、今日の幅跳びのように、自分が信じていた
力が崩れたときの心の揺れに、未熟なアスリート烙印を押してしまう
ところでもありました。


S木さん  幅5m70(746点) ヤリ30m74(410点) 200m24"69(876点) 円盤19m10(273点)1500m 6'37"37(283点)5種目計 2588点
A川さん  幅4m30(394点) ヤリ32m84(447点) 200m27”72(626点)円盤19m59(283点)1500m 6'02"19(429点)5種目計 2179点
ふさおまき 幅5m46(682点) ヤリ37m26(526点) 200m25”42(812点) 円盤19m17(274点) 1500m 5'04"08(731点)5種目計 3025点

全てが終わり、S木さんと握手。一日ずっと時間を共にした、健闘をたたえるこの瞬間は胸熱くなるものがあります。
A川さんとも握手をしながら、「またどこかでお目にかかりましょ。あ、今度会うとき、わしM50や」
陽気な声で車へと向かわれました。
一日、本当に楽しい気持ちで乗り切ることができたのも、よい人々と競技し、そしてよい石川のマスターズ陸上競技連盟の審判員の方々、
サポートに回ってくれた大学生の皆さんの協力があったからこそです。
お礼と感謝の気持ち、ここに書くことしかできませんが、ちゃんと書いておきたいと思います。

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2 コメント

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おッ (さあ)
2009-10-26 09:21:00
優勝なのですね?
おめでとう。
犬にターボジャム持ってかれたり、
坂道でダッシュしたり、園内をぐるぐる走ったりと
代々木公園でのトレーニングの成果ですね。
これからもがんばってください!!
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ありがとうっす (RYO)
2009-10-27 01:00:04
お、ターボジャブを知ってるなんて通ですね。
来年はさあさんもマスターズに参加しませんか。
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