トヨタについて2冊

佐藤正明『ザ・ハウス・オブ・トヨタ――自動車王豊田一族の150年』文藝春秋社2005年
鎌田彗『自動車絶望工場――ある季節工の日記』講談社文庫1983年

前者
いま、世界で最も有名な日本企業は、おそらく、トヨタ自動車株式会社であろう。本書では、同社の”遺伝子”のいわれを垣間見ることができる。佐吉の自動織機から自動車メーカーへと引き継がれているDNAがあるらしいことがわかる。

著者が同社にほれているのがよく分かかる。またそうでなければ味わえない文章と思う。

これからの自動車産業は、環境技術のデファクトスタンダードをとれるか否かが各メーカーの盛衰を分けるらしい。


後者
本書は、筆者が1972年9月から1973年2月まで、トヨタ自動車工場本社工場の季節工として、トラックに搭載するトランスミッションの組付けラインで働いたときの日記形式のルポルタージュ。シジュフォス的な作業が描かれている点で秀作。補章「トヨタ式合理化の歴史」も興味深い。
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