三島由紀夫『宴のあと』新潮文庫,1969年

本書は、憲法のプライバシー権と表現の自由との問題で裁判(東京地判昭和39・9・38)になったことで有名。この事件は、二審係属中に和解が成立して決着がついた(註)由。読んでみると、物語として意外におもしろい。”生命力旺盛な”主人公の福沢かづをたたえる”風土”がわが国に”現存する”ことは認めざるをえない。しかしながら、理想家で不器用な脇役、野口雄賢をなんとしても”押し”たい。正直言って、かづのようなタイプは大嫌いだ。
註:芦部信喜・高橋和之補訂『憲法 第6版』岩波書店,2015年,pp.123-124。
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