手塚治虫『ブッダ』(全7巻)講談社(手塚治虫文庫全集),2011年

著者の「あとがき」によると、「(このお釈迦様の伝記は)ほとんどがフィクションで、正確な仏典の漫画化ではありません。」「この作品は、お釈迦様の伝記をかりた、まったくのフィクションといえるでしょう。」「手塚の宗教SF」とされている。
それはそれとして、実在したとされるブッダ(=ガウタマ・シッダールタ=釈迦牟尼)の生涯に触れるきっかけになるのは好いこと。仏教の教祖の生涯を物語る読み物としておもしろい。すなわち、釈迦族の王子として生まれ、16歳で結婚し一男をなしたが、29歳で出家し、35歳で成道(じょうどう)にいたり説法を続け、80歳で入滅した男の一生が描かれている。
この本は評者が住んでいる市立図書館に1冊だけ所蔵されている。何かの縁でこの本に惹かれた人がひとりひとり借り出し予約をして順番に読み継がれている。それ自体が奇跡のよう。合掌。
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