中川恵一『がん専門医が、がんになって分かった大切なこと』海竜社,2019年

著者の中川恵一先生は、放射線科の先生。
酒好きの中川先生は、ご自分は肝臓を病むであろうと、ご自分でご自分の肝臓を機器を使って検査していた。ついでに、ご自分の膀胱も検査していたところ、膀胱がんをたまたまみつけた/みつけてしまった。がん患者になって知る/感じるさまざまなことが、本書内にちりばめられているのがおもしろい。お医者さんも、死なない程度には病気になったほうが好い、とは、かの日野原重明先生のお言葉。まさにそのとおり。患者の立場に寄り添った医師こそ求めまれているから。
第4章内第3節「『ヘルスリテラシー』が低い日本人」にプライマリーケアの考え方が遅れているとのご指摘あり。関係各方面には、よろしくご善処願いたい。あるいは、患者はみずから自分の病気について勉強するのも好いかもしれない。
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