成長率と金利水準の高低に関する議論(12月26日経済財政諮問会議)

経済財政諮問会議、第31回会議(平成17年12月26日)において、現経済財政担当大臣・与謝野馨氏らと前経済財政担当大臣・竹中平蔵氏の意見が対立した。その記録が4日公開された。

(参考)
日本経済新聞1月5日5頁記事「激論・火花…昨年末の諮問会議」

経済財政諮問会議webpage
http://www.keizai-shimon.go.jp/
第31回会議(平成17年12月26日)議事要旨など

(管見)
竹中氏が主張する「名目成長率>長期金利」との見解は、オーソドックスな見方とは思えない。吉川洋氏、福井俊彦氏も竹中氏のこの見解に異論を述べたことで、竹中氏に対するの経済学者としての評価は決定したものと思われる。

竹中氏は、自ら楽観シナリオを描きながら、日銀の金融政策の転換を牽制する発言を行っている(前掲日本経済新聞1月5日同頁の記事「量的緩和解除で日銀をけん制 竹中総務相」)が、それらに矛盾を感じない鈍さも、いかがなものか。いっとき持ち上げて、旬を過ぎると突き落とす、日本経済新聞のいつもの書きっぷりにも原因があるのは言うまでもない。

ともあれ、従来の政府試算には疑問を持たざるを得ない。これまでどおりプライマリーバランスを最優先する方針は堅持されるであろうが、与謝野大臣が従来試算を見直すとし、今月、与謝野大臣のもとでとりまとめられる「経済財政の中間見通し(改革と展望)」が面白くなった。
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