國枝すみれ『アメリカ分断の淵をゆく――悩める大国・めげないアメリカ人』毎日新聞出版,2022年

著者は毎日新聞社の記者。
本書14ページの「本書のおもな舞台」の地図が好い。本書は全10章立て。米国内のさまざまな州(12州)のさまざまな町(18市町、郡)には、いろいろな生活、活動や主張をしている人が居ることがわかる。米国内の多様性と、考え方が対立している人々も垣間見ることができる。読みやすくおもしろい。かつ内容は濃い。

いまの米国は種々の社会問題を抱えている。麻薬・ドラッグ(第1章)、人種差別(第2章)、銃犯罪(第5章)、性犯罪(第7章)、移民・難民(第9章)。過去から引き続く社会問題として、原爆報道(第6章)、核兵器開発実験(第8章)があり、地球規模の問題として、尊厳死(第3章)、温暖化(第4章)もある。まとめの章に相当する第10章のキーワードは、Black Lives Matter(BLM)・ドナルドトランプ・情報公開・突撃取材・マネーカウ・our unborn child・「Mからの脱出」・赤から青に鞍替えした州(アリゾナ、ミシガン、ウィスコンシン、ジョージア、ペンシルベニア)・「YOU'RE FIRED」・ファクトチェック・愛国心・多民族多文化が融合した社会と分離した社会の2つの異なる文化が衝突・プロライフ派とプロチョイス派・(オハイオ州)アシュランドのような小さな田舎町。
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稲垣栄洋『なぜ仏像はハスの花の上に座っているのか――仏教と植物の切っても切れない66の関係』幻冬舎新書,2015年

取り上げられた植物は、
第1章――ハス、マンジュシャゲ、マンダラゲ、チョウセンアサガオ、シキミ、サカキ、マツ、ヒイラギ、モミの木、(ウドンゲ(想像上の花))、フサナリイチジク、ナンテン、キク、ススキ、ジュズダマ、ハトムギ、マコモ、ムクロジ、ナツツバキ、タラヨウ、ムユウジュ、ボダイジュ、サラ、インドボダイジュ、インドジュズノキ、ジュズボダイジュ、ジンコウ、ビャクダン、チョウジ、ウコン、リュウノウ、タブノキ
第2章――インゲンマメ、フジマメ、エンドウ、ネギ、ニンニク、ニラ、ラッキョウ、ノビル、ダイズ、トウガラシ、ソバ、チャノキ、キュウリ、ナス、チョウセンアサガオ、マンドレイク、ベラドンナ、タバコ、トマト、ジャガイモ、アマチャ、ガクアジサイ、コアジサイ、アジサイ、ダイコン、ゴマ、クルミ、コショウ、ミョウガ、アズキ
第3章――ミソハギ、レンゲ、スギナ、ツクシ、ホトケノザ、コオニタビラコ、イヌタデ、オミナエシ、オトコエシ、ハギ、ススキ、クズ、カワラナデシコ、フジバカマ、キキョウ、ザゼンソウ、キランソウ、ジュウニヒトエ、シロツメクサ、カタバミ、ホテイアオイ、ミズアオイ、フタバアオイ
第4章――雑草、ハーブ、ウィード。以上
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杉山大志『「脱炭素」は嘘だらけ』産経新聞出版,2021年

・著者は、東京大学大学院物理工学修士。キヤノングローバル戦略研究所研究主幹(本書の発行日現在)。
・”地球温暖化危機”説はフェイクである、を前提にして、政府からの温暖化対策予算・補助金に群がる利権構造の存在を指摘している。メディアもそれに便乗している点でいっそう問題と主張する。
・東日本大震災(2011年3月11日)にともなう東京電力福島第一原発事故を受けて立案されたドイツのエネルギー政策は、脱石炭と脱原子力を同時に進めるという”無謀”な方針だった。そのためドイツはロシアの天然ガスに頼ることになったが、これはロシアの立場を強めることになった(p.238)。その結果、2022年2月からの、ロシアとEUやNATOとの軍事上の紛争が勃発した遠因になったわけだが、本書は、それをエネルギー政策の観点から的確に”予感”していたといえる。
・管見では、ロシアを悪者にした、英米によるドイツ、EUいじめのような気がする。
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奥野一成『ビジネスエリートになるための 教養としての投資』ダイヤモンド社,2020年

著者の奥野一成(おくの・かずのり)氏は、農林中金バリューインベストメンツ株式会社 常務取締役兼最高投資責任者(CIO)(ただし、本書が発行された時点)。本書中、注目したのは、株価指数についての記述。とくに米国S&P500と本邦TOPIXなどとの比較(p.241)。キーワードは”新陳代謝”。
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金子由紀子『買わない習慣』アスペクト文庫,2013年

金子由紀子『お金に頼らずかしこく生きる――買わない習慣』アスペクト文庫,2013年
きっかけは、とあるSNS内で紹介されたこと。図書館から借り出し通読。2009年に単行本で発行され、2013年に文庫化された本。著者は編集者出身だけあり読み易い。買わないことも含めて家計の支出を見直すのは、頭の体操になりおもしろい。
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高坂正堯『国際政治――恐怖と希望 改版』中公新書,2017年

著者(こうさか・まさたか,1934-1996)の専攻は、国際政治学、ヨーロッパ政治史。
「国家間の関係は(中略)3つレベル(力の体系、利益の体系、価値の体系:引用者註記)の関係がからみあった複雑な関係である」(p.21)を某氏が引用(註)していることを知ったのが、この本を読んだきっかけ。

(註)佐藤優「東アジアにおける日本の地政学的状況は一層悪化」『現代用語の基礎知識2023』自由国民社,2023年,p.125。
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ジョン・ル・カレ著-加賀山卓朗訳『スパイはいまも謀略の地に』早川書房,2020年

著者は、英国出身の著名な作家。原書『Agent Running in the Field』は2019年に発行された作品の邦訳。
おもしろいから一気に読める。主人公ナットがかっこ好い。ソ連の諜報員プーチン、英国のブレクジットなど、現実の言葉もあって楽しく、かつ、おもしろい。”ネタ”ばらしになってしまうから、ここではこの辺りまで。
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青野由利『ウイルスって何だろう』筑摩書房(ちくまQブックス),2022年7月15日

https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480251350/
著者は、科学ジャーナリストで毎日新聞社論説室専門編集委員。
今回発明されたmRNAワクチンが、これまでのワクチンとどのように異なるかがわかりやすく説明されている。歴史上の有名な感染症、すなわち、天然痘、黒死病(ペスト)、スペイン風邪などが取り上げられ、感染症が及ぼす社会への影響も記述されている。良書。
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平賀緑『食べものから学ぶ世界史――人も自然も壊さない経済とは?』岩波ジュニア新書,2021年7月26日

著者は京都橘大学経済学部准教授。京都大学博士(経済学)。植物油を中心に食料システムを政治経済学的アプローチから研究している由(出所は本書奥書の頁上部の著者プロフィール)。「食品を過剰に生産して必要以上に消費(食べ過ぎ)すれば経済成長、メタボになってジムや医者に行けば経済成長、トクホやダイエット食品を買い食いすれば経済成長、食品ロスを増やせばその処理事業でも経済成長というぐあいに。」(p.10)、昨今の暗黙の悪しき風潮、すなわち、経済をGDPで計っていると、人や地球が不健康になればなるほど「経済成長」することになるのは、変だ! という発想は重要。良書。
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鈴木智彦『ヤクザと原発――福島第一潜入記』文藝春秋,2011年

著者は自称、暴力団専門ライター(本書p.244)。「原発は人間の手に負える代物ではない」(p.258)、「しわ寄せを食らうのは、結局のところ、下請け業者である」(p.259)などが印象的。著者の潜入がまさに身体を張った「危険な行為」(p.245)であったこと、それに基づく本書の内容は貴重。「隠蔽しようと動く」(p.262)のを止めさせるための何らかの手立てが必要に思う。良書。
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