徒然なるままに、一旅客の戯言(たわごと)
*** reminiscences ***
PAXのひとりごと
since 17 JAN 2005


(since 17 AUG 2005)

過去にも同様事例が発生していながら…

 昨日の投稿記事へのフォローです。

どうやら電波の発信源は「在日米軍横須賀基地の艦船」だったようです。

引用記事を読むと、「米軍の艦船の距離測定装置が羽田のDMEと同じ周波数を使ったため」や「海自もDMEと同じ種類の電波を交信に使っている。しかし短い距離しか届かないため、互いを目視できる近距離にいる艦船同士の交信に使用している。別の電波に干渉しないよう、通信機器は定められた周波数でしか使えない設定になっている」との件があります。
これを読むと、“羽田の違法電波”というのはタイトルとしてチトおかしい気がするのですが、まあ細かいことは良いでしょう。
※読売新聞の「A滑走路のILS周波数に別の信号が混信し、航空機の誘導が正常にできなくなった」が適切な表現だと思います。

要は、米軍の艦船の距離測定装置が羽田のDME(この羽田のDMEというのもかなり曖昧で不正確な記述なのですが)と同じ周波数で、羽田のそれを輻輳させるのに十分な出力で電波を発信させたことが原因と考えられるようです。

電波の利用に関しては、国際的な取決めがあって、用途に応じて周波数帯が割り当てられており、かつ、当該周波数帯での混信等にも配慮がなされていた筈です。

米軍であれば、当然そのこと(電波の周波数割当てや、自分が発信している電波の出力を大きくした場合どのような弊害が生じるか)を知らない筈は無いでしょうから、無頓着だったのでしょうか。

いずれにせよ、米軍は“軍”ですから、軍事上の機密を盾に詳細を明かしてくれる筈もなく、総務省や国交省が抗議したとしても、『調査してみる。仮にそうであった場合、極めて遺憾』との回答がくる程度でしょう。

それにしても、過去にもそのような事例が発生していながら、なぜにボーっとしていましたかねぇ。
情けないことです。


羽田の違法電波、過去にも2回 国交省、米軍に照会せず (朝日新聞) - goo ニュース
 17日午前、外部からの違法電波が原因で着陸機が滑走路までの距離を測る装置(DME)が異常値を示した羽田空港で、同様の違法電波が今月10日と昨年10月にも受信されていたことが分かった。国土交通省はこの日を含め、3回とも在日米軍横須賀基地(神奈川県)の艦船から発信された可能性が高いと見ている。しかし、これまで「発信源が特定できない」として米軍への確認などをしていなかった。

 17日の発着便の遅れは最大約1時間半、計約170便にのぼった。DMEが誤った距離を示すと、夜間など滑走路が見えない時間帯に着陸する場合、滑走路の位置を誤る恐れがあるという。国交省は、「発信源としての疑いがある以上、民間機の安全確保をはかる必要がある」として、近く総務省を通じて米軍に照会し、発信源と特定されれば再発防止を求める考えを示した。

 国交省によると、この日午前7時以降、A滑走路に着陸を予定していた計5便の機長から、羽田空港にある国交省東京空港事務所に、「操縦席に表示されるDMEの数値がおかしい」との通報があった。数値が実際の距離より大きくなったり小さくなったりしたという。同11時46分ごろに数値は正常になり、DMEによる着陸を再開した。

 しかし、同9時からの約3時間にわたり、A滑走路でのDMEによる着陸を見合わせ、到着便をすべて平行する離陸用のC滑走路に振り替えた。

 電波を監視する総務省関東総合通信局は、発信源を米軍横須賀基地のある横須賀市の沿岸付近と絞り込んだが、特定はできなかった。ただし、国交省は、米軍の艦船の距離測定装置が羽田のDMEと同じ周波数を使ったため、着陸機に誤った距離が表示された可能性が高いと見ている。

 同省によると、羽田空港では昨年10月18日と今月10日にも、同様の違法電波がほぼ終日、断続的に受信され、17日と同様にA滑走路のDME運用を見合わせた。しかし、両日とも晴れて視界がよかったため、性能が劣る別の装置でも着陸できた。17日は朝から雨で視界が悪く、DMEが必要だったという。

 海上自衛隊関係者によると、海自もDMEと同じ種類の電波を交信に使っている。しかし短い距離しか届かないため、互いを目視できる近距離にいる艦船同士の交信に使用している。別の電波に干渉しないよう、通信機器は定められた周波数でしか使えない設定になっているという。

 米海軍横須賀基地に配備されている艦船を指揮下に置く米第7艦隊司令部は、朝日新聞社の問い合わせに「調査中」とだけ答えた。

2005年10月18日 (火) 00:20
羽田誘導無線トラブル、在日米軍と混信?…昨年も発生 (読売新聞) - goo ニュース
 着陸機を無線誘導する「計器着陸装置(ILS)」の周波数に別の信号が混信するという、17日に東京・羽田空港で起きたのと同種のトラブルが、昨年10月以降、2回起きていたことがわかった。
 昨年のトラブルでは、別の信号の発信源は神奈川県横須賀市内で、在日米軍施設などから発信された可能性が高いが、国土交通省では米軍側に調査を依頼していなかった。

 トラブルがあったのは、昨年10月18日と今月10日。羽田空港の3本ある滑走路のうち、A滑走路のILS周波数に別の信号が混信し、航空機の誘導が正常にできなくなった。総務省の電波監視施設の調べで、昨年の発信源は横須賀市内と判明したが、今月10日と17日のトラブルは信号が断続的だったことなどから、発信源を特定できなかった。

 17日のトラブルでは、ダイヤの混乱は同日午後1時過ぎまで続き、羽田発着便の計170便で30分~1時間30分の遅れが出た。

2005年10月18日 (火) 00:34
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