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中欧の旅 ~チェコ、プラハ編 Pt.2~

2008-11-23 | travelog


普段の私は典型的な夜型で、休みの日はお昼近くまで寝ているが、旅行の時は早起きし、朝早くから行動する。そしてこれも普段は殆んど歩かないのだが、旅先では恐ろしく歩く。そこで、以前sundayさんのブログで読んだ万歩計の記事を思い出し、出発前日に急に思い立って万歩計を購入した。
さて、今回の旅では何歩歩くのか、楽しみでもあった。(笑)

★10月28日 : プラハ(Praha)
プラハ2日目、外は雨・・・ショック・・・。
この日はプラハの独立記念日。この独立記念日と雨が、後に私の旅計画を乱すことに・・・。
7時からのホテルの朝食を摂りにレストランへ行き、窓際の席から外を見ると、かなり降っている。少しくらいの雨では傘は差さずに行動するが、本降りである。
もうそれだけでブルーになった。やはり綺麗な景色を望むには、雨は悲しい。
それでも出かけないわけには行かないので、雨の中を昨夜とは違うルートでカレル橋を目指した。
朝と夜とでは街の風景も違って見え、中世の雰囲気が残る薄茶色の石造りの建物が並び、雨に濡れた石畳の感触が、ブルーな気持ちを少し和らげてくれた。
 多くの観光客で賑わうKarlova通りも、朝はこんな感じ

カレル橋は、1400年に完成したヨーロッパに現存する最古の石橋で、全長516メートル。
昼間や夜はまるで日曜日の原宿竹下通りのようになる早朝のカレル橋は、犬の散歩をする人がチラホラ歩いているだけで、欄干に並ぶ彫像をゆっくり眺めながら、橋向こうのマラー・ストラナ地区まで歩いた。
カレル橋の真ん中が工事中で、メインの彫像でもある聖ヤン・ネポムツキー像の前が見事に鉄柵で遮られていた。でも柵の隙間からかろうじて見ることができた。
 カレル橋
 聖ヤン・ネポムツキー像

プラハの街には路面電車(トラム)がくまなく走っていて、どこに行くのも便利。マラー・ストラナ広場からトラムに乗って、プラハ城を左手に坂を上ってストラホフ修道院を目指した。トラムを降りる時は、ボタンを押しておくと、停留所に着いた時にそこのドアが開く。
ストラホフ修道院には見事な図書館があり、それぞれ 「神学の間」 「哲学の間」 と名付けられている。中まで入ることはできないが、全体を見ることができた。
それにしても、これが図書館!?と思うくらいの豪華な部屋。「神学の間」 の立体的に見せるだまし絵の天井画、「哲学の間」 のシックなフレスコ画。もし、こんなステキなところで本を読んだり勉強することができたら、きっと一日中ここで過ごしそう・・・。
 神学の間   哲学の間

図書館を出たあと、坂道を下りながらプラハ城に向かった。途中、ロレタ教会の前を通り、横から裏道を抜けて歩いて行ったのだが、そこで見たことのある風景に出会った。
ドラマでは夜だったが、『のだめ~』 で、千秋とのだめが抱き合ったシーン。ちょっとミーハーな気分になった。(笑)
細い石畳の路地の雰囲気は最高で、色づいた葉っぱの蔦に覆われた家や落ち葉が綺麗だった。途中、独立記念日の一環であろう、何台ものジープの走行に出くわした。
 『のだめ~』 のロケ地


プラハ城の正門前には警備隊が出ていて、城前のフラチャニィ広場は柵で入れなくなっていて、多くの人がその柵を囲むように立って何かを待っていた。
どうやら、お城に来賓があるらしい。というのも、プラハ城には大統領官邸がある。その上、この日は独立記念日だ。きっと関連の何かがあるに違いない。
人だかりを抜けて城の横にある新王宮階段の方に行ったが、ここも人がたくさんだったので、その脇から “天国の庭園” というステキな名前の庭に入った。
庭の展望スペースから街を見たが、雨で見晴らしが悪くてガッカリ・・・。(タイトル写真)
庭から旧王宮に入り、プラハ城の中庭に抜けて行った。プラハ城は、見学できる場所の数によってコースがいくつかあるのだが、チケットを買いに行ったら、この日は全コースの見学はないと言う。独立記念日の式典のためだった。「明日は?」 と聞くと、明日も同じと言う。せっかく来たのだから、見学できるところは全部見たいし、見れなくなっている場所は外せない場所だったので、懲りずに 「あさっては?」 と聞くと、あさってからは通常通りだとのこと。
プラハには5泊する。その間にはお天気も良くなるだろう・・・と思い、別の日に出直すことにした。計画立て直しである。
お城の敷地内は無料なので、聖ヴィート大聖堂や聖イジー教会などを見て通り抜け、旧王宮階段を下りようと思ったら、下から団体客が固まりのようになって上ってくるところだったので脇道から下り、マラー・ストラナ広場横の聖ミクラーシュ教会を見学した。
聖ミクラーシュとは、英語読みで聖ニコラス。そう、サンタクロースの聖ニコラス。プラハでは、クリスマス前の12月6日に聖ミクラーシュの日というのがあり、天使と聖ミクラーシュが子供たちにお菓子を配るそうだ。
 聖ミクラーシュの彫像  
 モーツァルトが弾いた聖ミクラーシュ教会のパイプオルガン

ここらでひと休み。普段朝食を摂らないが、この日はたっぷり食べていたので、あまりお腹は空いていなかったが、ケーキでもと思い、カレル橋マラー・ストラナ橋塔近くのこじんまりしたカフェ 「Café Kafičko(カフィチコ)」 に入った。
オーダーしたのは、チョコレート・ケーキとカプチーノ。ケーキはほど良い甘さでとっても美味しくて、このケーキが今回の旅の私のケーキ三昧の始まりとなった。
さり気ないセンスのある落ち着いた内装で、アットホームな感じのとても雰囲気のいいお店で、ゆっくりとこのあとの計画を立て直した。
 Café Kafičko

美味しいケーキに満足し、カフェを出たあとは、その近くの “ジョン・レノンの壁” を見に行った。
これは、1980年代に若者たちがジョンの歌にインスパイアされ、平和を祈って描かれたもの。でも、当のジョンはプラハには一度も来たことがないらしい。その壁の横には 「John & George」 といういかにも、と言う名のカフェもあった。
 ジョン・レノンの壁

プラハ城の見学を別の日にしたことで、翌々日行く予定にしていたチェスキー・クルムロフ行きを翌日に変更することにし、そのバスのチケットとプラハのあとウィーンに行く列車のチケットを買いに、下見を兼ねてFlorenc(フローレンツ)のバス・ターミナルとプラハ本駅に行ったあと、旧市街に戻って散策した。
ミュンシャ(チェコ語ではムハ)が手がけた絵がステキな、アールヌーボー建築の市民会館のある共和国広場から、途中、可愛い雑貨屋さんに入ったり、キュビズム建築の “黒い聖母の家” や、モーツァルトのオペラ 『ドン・ジョヴァンニ』 が初演されたスタヴォスケー劇場、カレル大学などを見ながら旧市街広場まで歩いている内に、雨も上がった。
旧市街広場は、祝日ということもあってものすごい人だかりで、広場の真ん中のヤン・フス像の前にステージが設けられ、ビートルズのカヴァー・バンドが、メドレーでビートルズの曲を演奏していた。
雨はかろうじて止んだが、まだ空はどんより。旧市庁舎の時計塔に登って景色を眺める予定も延期した。
 市民会館と火薬塔
 ヤン・フス像の前でビートルズ・ナンバー演奏中

少し歩き疲れたので、ティーン聖母教会裏にある 「Ebel Coffee House」 に入った。
飲みものだけにするつもりだったが、ケーキに目が行き、結局カフェ・ラテとラズベリー・タルトをオーダー。ここもケーキがめちゃくちゃ美味しくて、幸せな気分に浸る・・・。(笑)
 Ebel Coffee House

しかし、そんな幸せな気分を一転させる、血の気が引く事件が起きた。
お会計をしようと小銭入れを取り出したところ、その中に入れていたスーツケースの合鍵がない! 鍵と言っても、100円ショップで買った小さな南京錠だが、合鍵はスーツケースに入れたままだ。バッグの中やポケットを何回も探したが、やっぱりない!
どこで落としたのか・・・。さっき買い物した雑貨屋か? それとももっと前? 貴重品は置き去りにしていないが、一応部屋を出る時は鍵を掛けるので、今朝鍵を掛けて出かけたっけ・・・、まだ旅はこれから、もし鍵を掛けていたらどうしよう・・・と、もう気が気ではなかった。
その後散策する予定を急遽変更し、一旦ホテルに戻ることにした。一応雑貨屋に寄って落ちていなかったか聞いてみたが、無駄足だった。
100円ショップのやわな鍵だし、なんとかこじ開けられるかも知れないと思い、スーパーで針金は見つからなかったのでヘアピンを買った。でも、もし開かなかったら・・・。
ホテルに戻ると、フロントのおじさんは部屋番号を言わなくてももう覚えてくれていて、笑顔でスッとキーを渡してくれたが、「Děkuju!(デュクユ : チェコ語でありがとう)」 と言ったその時の私の顔は、きっと引きつっていたに違いない。
しかし、部屋のドアを開けて真っ先に見たスーツケースには、南京錠を引っ掛けてはいたものの、鍵は掛けていなかった。その時の安堵と言ったら、それはそれはもう・・・。張り詰めていた気が緩んだら、一気にお腹が空いてきた。さっきケーキを食べたばかりなのに・・・。(笑)
ホテルの近くからトラムに乗って、すっかり暗くなった街に再び繰り出した。
旅行の時は、ほとんどファースト・フードやスーパーで食料を買ってホテルで食べることが多いのだが、プラハにはひとりでも気軽に入れるカフェやレストランがたくさんあって、しかもコースでオーダーしなくてもいいので、小食の私にはありがたい。
観光客で賑わう旧市街広場やカレル橋近くのお店は、英語メニューは観光客用で、チェコ語のメニューとは遥かに値段が違うらしい。
もちろんそういう店は避け、旧市街からヴルタヴァ河に架かるレギー橋を渡ったところにある 「Café SAVOY」 に行った。このお店は、チェコ名物グラーシュ(ビーフシチューみたいなもの)が美味しいという情報収集済み。
感じのいいウェイターのお兄さんに迎えられ、早速グラーシュと、ミニ・サラダとカプチーノ、デザートにバニラ・アイスクリームをオーダーした。
グラーシュはじっくり煮込まれたお肉が柔らかくて、味も濃くはなく、日本人の舌に合ってとっても美味しかった。
クネードリーキという、モチモチした食感の蒸しパンのようなものにソースを絡めながら一緒に食べるのだが、くるみが入っていて美味しかったので、ステンレス・パンに入ったおかわり用の熱々のクネードリーキも戴いた。
 
Café SAVOYのグラーシュとアイスクリーム

プラハでは、たくさんある教会で毎晩コンサートが開かれている。教会の入口にはフライヤーがあり、演奏曲目が載っているので、選り取り見取りだ。
滞在中に一度は行こうと思っていたので、食事のあと、プラハ最古の鐘を持つ旧市街の聖イリイ教会に行った。
チケットは約3000円。あれだけたくさん教会があって、どこもかしこもコンサートが開かれているのに、満員になった。観客は観光客だけではない。
この日はヴァイオリン、パイプオルガン、ソプラノ歌手のアンサンブルで、バッハやモーツァルト、ドヴォルジャークの聴き慣れた曲を約1時間堪能。
教会の造りが素晴らしい音響効果を生み出し、特にパイプオルガンは普段あまり生で聴く機会がないので、その音色に感動した。
教会を出たあと、まだ9時過ぎだったので、午前中に歩いたプラハ城付近を歩いてみたくなり、トラムで再びストラホフ修道院近くまで行って、午前中と同じルートを辿ってみた。
昼間見た 『のだめ~』 のロケ地はTVで見たまんまで、昼間人が多くて通れなかった新王宮階段を下って、夜のマラー・ストラナ地区をじっくり散策してからホテルに戻って一日を終えた。
 
『のだめ~』 再び。ドラマを見た人ならわかる?
 新王宮階段  
 夜の聖ミクラーシュ教会


★この日の万歩計の成果 : 歩数40.845歩、消費カロリー742.4Kcal、歩いた距離18.3km


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