without A trace

favorite stuff...
music, trip, cinema, art, and so on.

思いのまま、自由に作られた傑作

2006-09-19 | music : favorite


ライヴやレコーディングでバッキングVo.として参加はしていても、それまでメインVo.じゃなかった人がソロ・アルバムを出したりすると、なんかワクワクして第一声を聴くまで心地良い緊張感が走ったりする。
これは、The Mats(The Replacements)のベーシストであり、Guns 'N' Rosesのツアー・メンバーであり、現在はSoul AsylumのメンバーでもあるTommy Stinsonが、2004年にリリースした初のソロ・アルバム 『Village Gorilla Head』。
このアルバムでTommyのVo.をちゃんと聴いたのだが、なかなか味があって渋くてすごく良い。そして、曲作りの才能にも改めて気付かせてくれた。
アルバム・タイトルがこれまた面白い由来で、M-7がアルバム・タイトル曲なのだが、“Village PeopleとGorillazとMotorheadを合わせた” という曲で、それがこのアルバムのコンセプト。
その曲は、“なるほどね~” と思わせるような遊び心が窺える曲で、アルバム全体はそのコンセプト通り、アメリカン・ロック、パンク、パワー・ポップ、ルーツ・ロックなどなど、幅広い音楽性を披露している。
GNRの先行きが怪しくなり、いつ新作を出してツアーをするのか見当も付かない頃、99年頃から自宅のスタジオで自分で楽しむためだけにレコーディングを続けていたが、友人であるPixiesのFrank Blackがスタジオや機材を貸してくれたということもあって、アルバム・リリースに至った。
ベース以外にギターもTommyがプレイしていて、ゲスト・プレイヤーには、Key.にGNRのDizzy Reed、Drs.にThe VandalsのJosh Freeseなどが参加している。
思いっきり好きに、自分のやりたい様に自由に作り上げた一枚だということが、聴き手側にも伝わってくる。
でも、自分が楽しむためだけに作ったとはとても思えないくらい、完成度が高い。
とってもポップなM-2 『Not A Moment Too Soon』。
中期~後期The Matsを思わせるような、M-3 『Something's Wrong』 やM-11 『Someday』。
80年代USガレージ・パンクなM-4 『Couldn't Wait』。
パワー・ポップ・チューンのM-5 『OK』 ではTommyがDrs.をプレイしているが、スリーブには “だって僕のアルバムだもん” と書かれている。(そりゃそうだ!)
リズムを刻むDrs.のビートが心地良い、ルーツ的要素を取り入れたM-6 『Bite Your Tongue』。
アコギとスライド・ギターの音が哀愁漂うバラード、M-8 『Light Of Day』 では、情感たっぷりに歌い上げるTommyのVo.がキュンとなる。
本当にバラエティに富んだ内容だが、決してごちゃごちゃしていなく、自由な雰囲気に満ち溢れていて、とてもこれがただ自分のためだけに録っていただなどとは思えないくらいの傑作である。

Tommyは今、この夏突然精力的にライヴを復活させたGNRとツアー中。
Soul Asylumもツアー中なので、GNRとバッティングしない時だけSAに戻ってプレイしているが、私個人としては、早くGNRを切り上げてSAに戻って腰を落ち着けてほしいのだが・・・。
わがまま自己中Axlくんがウンと言わないのかも・・・(苦笑)。


最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。